拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」の続編として、「読むだけでダンスが上手くなれば儲けもの」、そんな話を書いていこうと思います。当然、サークルレベルの話です。
魔法の言葉 Part 2
MA75 更にうまくなる20の話
(その13)フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットの攻略法
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フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットをみんなが使っているからといって決して易しいわけではなく、難易度はかなり高いフィガーです。こうしたフィガーをトップ・ダンサーはと涼しい顔で踊っているので、てっきり「簡単なのかな」と思ってしまいますが、現実はいつでも厳しいです(笑)。しかし、私たちの挑戦したい気持ちは誰にも止めることはできませんので、できる限りうまく踊れる方法を考えましょう。
・関連記事紹介
・より難しくしない
・入り方の工夫(動画)
・タンゴでの踊り方(動画)
関連記事紹介
1.AU19 Foxtrot 16 フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボット(Fallaway Reverse & Slip Pivot)
ここでは、①ドーメン・クラペッツ&モニカ・ニグロ ②ミルコ・ゴッゾーリ&アレッシア・ベティ ③ピーター・エグルトン&ブレンダ・ウィンスレードの3組の動画も紹介しています。
2.G034 質問18 種目別のフォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボット
「より難しくしない」
難しいフィガーをより良く踊る方法は、難しいステップを「より難しくしない」ことだと思います。そこで、考えられる「難しくしている」原因と、その対策を見ていきましょう。
1.難しくしている原因の一つに、フットワークの誤り。
男性の1歩目は必ずヒールから。女性は1歩目右足後退のとき、前の左足はヒールになっているかチェックしましょう。
男性がこの1歩目をボールから出ると前進運動を止めるため、上半身は女性に「バックして!」とリードしつつも、脚部は「バックしないで!」とリードするという矛盾が生じます。
女性も同じで、左足のボールやトウが床に残っていると、上半身は「後退しましょう!」といっているのに、脚部は男性に「来ないで!」と主張する羽目になります。
1歩目のフットワークを間違えると、このフィガー全体を確実に難しくしてしまいます。練習では男性も女性も、まずここをチェックしましょう。
2.難しくしているもう一つの原因は、スリップ・ピボットにある。
フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットを踊っている時、「1歩目、2歩目の勢いに乗って3歩目も4歩目も元気にドンドン行きましょう!」と考えたくなりますが、実は、4歩目のスリップ・ピボットは移動というより「男女が入れ替わる」ところです。
スイング・ダンスの場合、女性は3歩目右足をバックしたらトウを軸にその場にまっすぐライズし、次に必ず男性とスクエアに戻ります。男性も3歩目のフォーラウェイで左足に乗ったら、その場でライズする気持ちです。決して次のステップへなだれ込まないようにします。以前、ヒルトン組のレクチャービデオを観ていたら、 「スリップ・ピボットは進んでいくステップではなく、入れ替わるだけ」と説明していました。
この2点に注意して練習すると、フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットはかなり楽になると思います。
入り方の工夫
私が目にする限りでは、このフィガーを中央斜めに使っている人が多いように思えます。それは全然間違いではありませんが、スリップ・ピボットした後で適切な進行方向を確保できず、フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットに嫌気を指している人はいませんか? そんな人に提案したいのがコーナーに向かって踊る方法です。
この方法は見栄えが良いことに加え、スリップ・ピボットで少しくらい回転量が足りなくなった場合でも、逃げ切りやすいと思います。勿論、きちんと計算通りの方向に踊っていければそれに越したことはありませんが、次のワルツの踊り方を試してください。
①(コーナーに向かい)フォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボット(123&、または、12&3)
②(逆壁斜めに)オープン・テレマーク(123)
③(新LODの中央斜めに)クイック・オープン・リバース(1&23)
④(LODに沿って)左へのシャッセ(12&3)
これは、世の中にレッスンビデオ(VHS)が出始めたころに英国から輸入したマイケル&ビッキー・バー組のビデオです。上の踊り方ができるようになった人は、ダブル・リバース・ウィングやクイック・オープン・テレマークなどが入った次のレベルのアマルガメーションに挑戦してみましょう。
(from “Dance World no1” by Michael & Vicky Barr / Colorite Mobile Video 1983)
タンゴの踊り方
スイング・ダンスとは雰囲気が違うタンゴでのフォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットの踊り方を、マーカス&カレン・ヒルトン組が説明しています(日本語)。
(from “Simply the Best Part 2” by Marcus & Karen Hilton MBE / Studio Himawari)
(Limited Release only/限定公開)
ハッピー・ダンシング!