前回の「G071 離れている時どう踊るか/世界チャンピオンたちの考え方」はいかがでしたか? 私たちと同じようにサークルで踊るだけの人でも、あのような考え方があることを知ることで、よりコミュニケーションの取れた踊りができるのではないでしょうか。
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今回は英国DSI社制作のレッスン動画 “Champions Masterclasses”の中から、ブライアン・ワトソンの「フィジカル・リード」「アラウイング・リード」そして「シェイピング・リード」の話を紹介します。
2012年に妻とロンドン収録した日本語アフレコは消えていますので、ここでは最初にアフレコ部の書き出しを、次に動画(英語のみ)を紹介します。リードの仕方を知ることは、フォローの仕方を知ることに繋がると思います。
❶ブライアン・ワトソンの ” Physical Lead “
ブライアン:フィジカル・リード。
パートナーに行ってもらいたい方向を示したり、タイミングや程度を示したりするため、私は3種類のリードを実行しています。
一つ目のリード、それがこのフィジカル・リードです。これで行きたい方向や、タイミングをパートナーに伝えます。
例えば、既に皆さんはどうやってボディ・ウェイトを集めるかを知りましたが、スタンディング・レッグでのアクションが方向を変えます。
どの時点でそれを伝えるか、非常に的確な考えを持っていなければなりません。
前進したとすると、その先でボディ・ウェイトを集めなくてはなりません。それにより、スタンディング・レッグでの準備がはっきりできるため、自分のパートナーに次の方向をしっかり伝えることができます。
それを見て貰うために、カルメンに手伝って貰います。
2人のコネクションをしっかりさせるために、最初に少し動いて、同じ方向へボディ・ウェイトを移動し、共通のセンターを作ります。ボディ・ウェイトを外す事ではありません。
2人のスタティック・バランスをキープし、動く前の準備をします。
ここでの準備が非常に重要なのは、方向を示すからです。
カルメンは既に、次のステップで、私が彼女を動かしたい方向を感じ取っています。
実に多く見る男性の前進の仕方がこれです。ここに力を蓄えるために、本当に物理的に女性を動かしてしまっています。
フィジカル・リードは、本当に持って行くことではなく、彼女自身に動いてもらう事です。
私は、スタンディング・レッグで彼女に伝えたいので、そこから行こうとする方向へオフセット・バランスになると、女性は次の方向を的確にキャッチできるのです。
同様に、もし方向を変えたいときは、私が本当に体を使って方向を変えると、このように、私が彼女に動いて行って欲しい方向が きちんと伝わるのです。
*動画視聴はこのブログ内のみとしてください。
*Do not copy. View in this blog only.
❷ブライアン・ワトソンの ” Allowing Lead“
ブライアン:お話ししたい二つ目のリードは、アラウイング・リードです。
簡単に言うと、パートナーに方向を示した情報によって、その先、彼女がどこへ行くか、どうアクションを終わらせるかは彼女に任せるのです。
女性を力で前後にリードすることではなく、やることは、方向とタイミングを示すだけで、あとは彼女がアクションを終わらせます。次にまた、私のフィジカル・リードになります。
また、カルメンにお願いして踊って貰いましょう。やることは、フィジカル・リードを使って、カルメンに方向を示します。
次のステップで、彼女にはっきりとタイミングと次の方向を示し、彼女にボディ・ウェイトを終わらせる、これは、私が方向を変えるための準備になります。
実際には、この準備の段階で私の体の中で何かが起こっているわけですが、カルメンの動きを力で変えようとしているわけではありません。
私の中で、体の動きが起こり、それが次のボディ・ウェイトの準備とタイミングを取っています。
この時、カルメンは 私からセトリングを任されていると感じる訳です。次の動きの前に。
彼女にセトリングを任せ、その後、二人同時に動く必要はありません。彼女がアクションを自分で終わらせてから、方向を変えます。
彼女の前進も同じですじです。彼女からの情報を受け取りながら、カルメンが足に乗っていくのを許します。
彼女をもし、フィジカル・リードで止めてしまうと、彼女の動きは完了する前に止められてしまいます。
そうなると、彼女はこのコネクションを外し、ボディだけが前に来ることになりますので、女性がボディ・ムーブメントを完了させるには、このアラウイング・リードしかないのです。
ここから、私は体を使って方向を変え、カルメンはヒップをリリースする時間を感じます。
彼女の前進運動を止め、その先はカルメンに任せます。
パートナリングには二通りの働きがあります。2人のコミュニケーションの中で、彼女は足をどこに着くかを伝えて来、私は彼女がその足の上に体重を乗せるのを任せます。
もし、女性が自分のボディ・ウェイトの場所を教えなければ間違いなく失敗します。
パートナリングは二通りに働きます。フィジカル・リードの中でも、アラウイング・リード、フィジカル・リード、また、アラウイング・リードが使われます。
*動画視聴はこのブログ内のみとしてください。
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因みに私は「アラウイング・リード」を「余韻のリード」と訳して
使っています(「MA43 リードの形」参照)。
❸ブライアン・ワトソンの ” Shaping Lead “
ブライアン:さて、これで3つ目の話に入ってきました。シェイピング・リードです。
これは間違いなく最も丁寧なリードの形と言えるでしょう。なぜなら、リードが、女性が動き始める前に起きるのです。
例えば、女性の動いて行くスペースを与えることです。
踊りながら、私はシェイプをつくり、女性を招き、スペースを作って、女性にそこへ行って貰うのです。
いらっしゃい、カルメン。
そのシェイピング・リードで、最も分かりやすい例は、ジャイブのチェンジ・オブ・プレイスでしょう。
ここでパートナーに「おいで」といいますが、私のボディ・シェイプはカルメンの動きの前に作られています ― はっきりと。
はっきりとしたスペースと方向性。
だから、最も丁寧な、と話したのです。どうぞ、こちらへ、とお願いしているのですから。
女性の希望通りとは行かなくても、そこは男性として、こちらへと、方向を示さなくてはなりません。
シェイピング・リードは同時にやりません。
私のシェイピング・リードは、女性のモーションの前 ― 充分反応時間を与えます。
シェイピング・リードは女性のモーションの前に起こし、彼女に進んでもらいたい方向をはっきりと示します。
*動画視聴はこのブログ内のみとしてください。
*Do not copy. View in this blog only.
ハッピー・ダンシング!