質問45 音楽 4/4拍子でブルースが踊れるのは?

投稿者: | 2020年5月31日

スロー・フォックストロットとブルースは同じ曲をで踊れます。スローではSQQ(Qが4つ)で4/4拍子と理解できますが、ブルースはSSQQ(Qが6つ)。ナチュラルターンはSQQですが、ちゃんと曲内で踊れてます。SQQでフェザーを踊り、同じ曲でSSQQとブルースが踊れてしまうのはなぜ? (大阪府 女性)

 

今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。なお、回答は「個人的にこう考えます。こういう方法・考え方もあります」というものです。また、現時点の考えに書き直していることもあります。お役に立てばうれしいです。

 

ご質問が、もし、「なぜ、1小節や2小節区切りで収まらないフィガーが考案されたのか」という主旨でしたら、残念ながらそれに対する答えは持ち合わせていません。ただ想像するには、次の小節にまたぐことで、踊りの面白さや流れを表現できるからではないかと思っています。

 

お役に立つか分かりませんが、一応私の知っている範囲の音楽の説明をします。

❶フォックストロットとブルースは、そして他の多くのダンス音楽は4/4拍子です。4/4拍子の音楽は1小節に1/4拍子が4つ(♩♩♩♩)入り、Sは2拍(♩♩) Qは1拍(♩)の長さがあります。

 

多くの音楽は基本的に2小節構成になっており、4/4拍子の(SQQ)を(1234)と数えると、(1234)(5678)で一組になっており、それが4組(8小節)集まってひとつのストーリーの前半が、そして、次の8小節でストーリーの後半になっています。何か好きな歌を歌ってみるとこの説明が分かることでしょう。

 

❸スローの基本アマルガメーションを見てみると、

①フェザー・ステップは(SQQ)SQQは1小節。
②リバース・ターン(SQQ SQQ)は2小節。
③スリー・ステップ(SQQ)は1小節。

ここまでは音楽の小節数と一致した踊りが出来ます。

次にナチュラル・ターンを踊ると、ナチュラル・ターン(SQQ SS )は2小節半あります。そこから再びフェザー・ステップに続けようとすると、1小節の前半は既に使われている(赤字の)ので、1小節の後半から始めるため音楽と踊りが合わなくなります。そこで、ナチュラル・ターンでエキストラ・スローを使い、フェザー・ステップを1小節の頭から踊れるようにする人が多いのです。

 

❹次にブルースの基本アマルガメーションを見てみましょう。

①クオーター・ターンズ(1歩目は男性右足。SQQ SS QQS)は3小節。
②ナチュラル・ターン(1歩目は男性右足。SQQ SQQ )2小節半。ここで1/2小節ずれが起きています。
③リバース・ターン(1歩目は男性左足。SQQ SQQ)は2小節。

ここ迄で1/2小節のずれが起きていますが、次に再びクオーター・ターンズに入る場合はウォーク(予備歩)の(S)が入るので、音楽と踊りのずれが解消されることになります。

これに対し、次にチェックに入ると、チェックは(SS QQ)で1小節半なので、先程の1/2小節のずれは解消されますが、次にナチュラル・ターンに入るにはウォーク(予備歩)の(S)を入れるので、再び1/2小節のずれが起こります。

ブルースは歩く踊りなので、このずれはさほど気にならないと思いますが、音楽を感じて踊りたい人の中には、この1/2小節のずれを、どこかでエキストラ・スローを使ったり他の方法で調整しようと考えるかもしれません。

 

最後に余談ですが、ルンバを踊るとき2小節構成(1234 5678)の(1)で始めないで(4)で踊り始めると違和感があります。「音を外す」と言われる多くの場合の原因はこれになります。そこで、デモの振付を考える人は、こうした音楽構成と使うステップの小節数を考えて作る人が多いと思います。また、ダンス音楽のCDでも、必ずしも8小節構成の連続でないことがあります。

 

この位の説明しかできませんが、少しでもお役に立てば幸いです。

 

ハッピー・ダンシング!