FL30 初恋は音楽 14-1. レアな「ライブ・コンサート」 バーバラ・ストライサンド

投稿者: | 2023年5月4日

今回は実際のコンサートについてです。このコンサートで、オリバーは亡き父を感じました。

 

目次紹介

“Music Was My First Love”
初恋は音楽

 

14-1. レアな「ライブ・コンサート」バーバラ・ストライサンド
Barbra Streisand (*24.4.1942)

 

曲の一部は、いや、もっと正確に言うと、大部分の曲は予定通りの曲順でした。何曲かは、聴衆のムードとその場の雰囲気から「Evergreen」、「People」や、ビージーズ(Bee Gees)のバリー・ギブ(Barry Gibb)と一緒に作った曲「Woman in Love」などが選ばれました。ストライサンドのヒット曲が歌われ始めると、彼女の声は私たちの心に突き刺さりました。バーバラの歌はガラスのように澄んでいて、バックパックのような鳥肌が立ちました!私たちは空いていた1000ユーロの席に移動しました。私の内なる願いが叶いました。

 

  

 

 

1983年、バーバラ・ストライサンドは「Yentl(イエントル)*」という映画を、基本的には一人で制作しました。主要なプロダクションでマルチタスクをこなした最初の女性として、彼女は脚本を共同執筆し、主演女優を演じ、映画を制作し、ミュージカル・ナンバーの振り付けをアレンジし、映画監督もしました。映画は多くのオスカーにノミネートされ、3つ受賞しました(注:音楽賞、作品賞、監督賞)。女性としてのバーバラ・ストライサンドは意図的に見落とされましたが、ゴールデン・グローブ賞で、彼女は「ハリウッド外国人記者」から最優秀監督賞を受賞しました。

*『愛のイエントル』(原題:Yentl)は、アイザック・バシェヴィス・シンガーの短編小説、およびそれを原作とし1983年のミュージカル映画。監督・製作・脚本・主演はバーバラ・ストライサンド、ミュージカルスコアはミシェル・ルグランが作曲。概要:ときは、女性がユダヤのタルムードを学ぶことが許されていない時代。ポーランドに暮らすユダヤ人女性イエントルは、タルムードを学びたいがために男装をする、その物語を喜劇的かつフェミニストミュージカルで描いた作品。(ウィキペディアより)

 

この映画の中で、私の幼少期の体験から、深く心に響いたシーンが2つあります。歌を通して、彼女は亡き父と2度の対話をします。最初の会話では、彼女が捜し求めている幾つかの質問の答えを、父親が必ず知っているだろうと心の中で思っていので、その答えを待ち続けています。その曲は、” Papa, can you hear me?“です。映画の終わりで彼女はその答えをはっきり見つけ、空を飛べるという感覚になります。その曲は “A piece of Sky “です。

歌詞アラン&マリリン・バーグマン(Alan and Marilyn Bergman)と作曲ミシェル・ルグラン(Michel Legrand)による二つの非常に重要な曲を彼女はメドレーで繋げました。やがて外が暗くなると、彼女はステージのかなり前方に出てきて星を見上げました。バイオリンのトレモロが始まると彼女の第一声が聞こえてきました。「パパ、聞こえる?」 

私は内なる震えに襲われ、固まり始め、顔を上げざるを得なくなりました。今、父は私が見えているのだろうか? 息子の体に何が起こったのか知っているのだろうか? 父は、私を生かしてくれる守護天使なのだろうか? 私は、こうした疑問の答えを求めました。

 

 

 

夜の雰囲気と、特にこの曲でのバーバラ・ストライサンドの比類なき歌声は、この瞬間がミュージカル映画でも求められているものであることを感じさせてくれました。私は今、父がとても近くに感じられ、「パパ、私の声が聞こえる?」と聞きたくなりました。

すると、かすかな声を感じたのです。「息子よ、諦めるな。きっとうまくいくよ!」。

そこには私の答えがありました。殆んどのことは自分と自分の取り組み方次第で、きっとうまく行くのだと。その時、歌の最後で張り上げたバーバラの声が、答えを手にした私をメロディーの翼の上に立ち上がらせてくれたのです。「パパ、私が飛ぶのを見ていて!!」。暗闇の中で、バーバラ・ストライサンドは私に希望を取り戻してくれました。

 

家では、サポートして貰っているにもかかわらず、一人に思える瞬間があります。一人の人と一生共にできることもあれば、一人で先に行くしかないこともあります。その瞬間が来てしまえばもっと楽になるのでしょう。

通常、私はスピリチュアルな影響を信じていませんが、今は私の傍に感じられるその父に、更に少し近ずいたことを確信しました。それは、父を十分近くに感じられる一方で、まだここに留まっていられると思える程十分離れている距離でもありました。バーバラ、この忘れられない瞬間をありがとう!

PAPA, WATCH ME FLY!!!!!

 


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