2008年に行われたイタリアのキャンプ(Happy Training Italy)で行われたレン・アームストロング(Len Armstrong)によるスロー・フォックストロットのレクチャーの映像とテキストを記録します。
サークル活動をしているだけだと、「そうした競技選手対象のレクチャーは自分に関係ない」と考えてしまうかも知れませんが、決してそんなことはないことをありません。確かに私たちより参加者のレベルは少し(笑)上ですが、やろうとすることは同じなのですから。
- 音声は日本語が入っていますが、英語も聞き取れるレベルになっています。
- 映像はこのブログ内のみでの閲覧として下さい。コピー使用をしないようお願いします。
HAPPY TRAINING ITALY 2008
Slow Foxtrot
Len Armstrong
出典:HAPPY TRAINING ITALY ISCHIA-CAPRI OPEN 2008 / STUDIO HIMAWARI
Transcript, Translation, Voice-over by Makoto Kammoto
※このレクチャー映像はYouTubeで限定公開設定にしてありますので、ここだけでご覧ください。
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◇ ◇ ◇
HAPPY TRAINING ITALY 2008
SLOW FOXTROT (テキスト)
by Len Armstrong
自分の踊りを創造すること。製造しないこと。
こんにち、沢山のカップルで、女性が大きなポスチャーをとっています。一方、男性は大きなホールドを高く持ち上げ、たくましい体で練習していますが、そこにはダンスの創造性も魂もありません。
このように、私は創造性とか魂を信じる人間なのです。
さて、お手伝いしてくれる若いカップルにはまず踊ってもらいましょう。次に私のしたいことをお願いします。彼らは何をするのか知らされていません。ただ踊り、それから私の説明に入ります。
では昨年11月、ブラックプールで開催された世界選手権のプロ、スタンダード部門で輝かしい成績を残した若者を紹介しましょう。憧れのファイナル入りしたカップルです。ファイナル入りした、ドーメンとモニカにかに暖かい拍手を。
Okay ,okay
もう十分。レクチャーするのは私ですから。
では、二人には音楽に合わせ、フェザーからリバース・ターン、スリー・ステップ、そしてナチュラル・ターンを踊ってもらいましょう。
ジャッジはこういうのを見たいとデービッド・シカモアも言っていましたね。
「派手な振り付けに意味はなく、質が問題なのです。」
曲をお願いします。
Okay very good.
今度はすこしリラックスし、ボディを軽くした感じで踊ってもらえますか? 今のがリラックスしていなかったというのではなく、次にやってもらう、作られた競技スタイルと比較したいからです。
じゃあ、ここからスタートしてください。
リラックス。奇麗なホールドで、でもこんな風じゃなく、そしてダイナミックに踊ってください。
みなさん、見ていてください。いえ、音楽はいりません。みてください。素晴らしいホールド、ポスチャー、そしてここを通してのコネクションを。ボディを固めてはいませんが、競技用です。では脚部を使って踊って行きましょう。フェザーを見てください。パートナーを回り込んで、向きを変え、進行方向をみて、ゆっくりドライブかけて、おしまい。
戻ってもらえますか?
次は彼ら自身の踊り方ではなく、世界チャンピオンを目指す闘争心あふれる若者の踊りをやってみましょう。ドーメン、腕を張り大きなホールドをしてください。さっきと同じ場所から。ボディを張って、力一杯、さあ、踊って! いけー!
あれだけ頑張って変化なし。違うのは私のハンカチを踏んでるくらいだ。
ご覧のように、すごく頑張ってもらいましたが、その前よりも遠くまでいくことはできませんでした。ドーメンはこういうでしょう。最初の踊りでは特別なことをしたつもりはないのに、あそこまで行けたのです、と。
これは教訓です。ボディを固めなくても、頑張らなくても勝てるのです。
続けましょう。フェザー・ステップをしてください。さて、ボールルーム・ダンスで最も重要なことは、ホールド、ポジション、そしてポスチャーです。男性と女性が踊れるポジションは一つだけあり、それは、ここから下だけです。私の右足がパートナーの足の間に、そして彼女の足がここに前進できる所です。
このポジションが変わると、とたんに、動きに問題を起こします。彼女の足をリードしようとしても、うまくできません。
女性のポジションですが、女性から入って行きますが、本当は男性からいく方が良いのです。男性は女性を見せたいのですから、デービッドが先ほどピクチャーに入る時に女性を見せようとしない男性の話をしましたよね。それはボールルームでも同じことです。美しいのは彼女のほうですから、彼女を見せます。
そして大きなラインを作りたければ — もっともっと大きくしたければ、その情報を下から出します。骨盤のほうから。
踊るとき、私は女性のバランスを邪魔してはいけませんし、彼女も私の邪魔をしてはいけません。彼女には自分の床の上にいてもらい、私も自分の床の上。ここは簡単にパートナーのバランスを崩せます。彼女のバランスは既に崩れて、踊ることができません。まだ踊り始めてもいないのに崩れていたら、踊り始めたらどうなることでしょう。
男性は女性と組んだなら、満足できる形で女性を披露します。もし私が強そうな若者の競技選手だとしたらどうでしょう。
リラックスしてついてきてください。さあ、大きくて強そうです。踊れないことはありませんが、パートナーは大変です。ドーメンをみると手を挙げ、腕を上げ、モニカがここにポジションをとれるようにしています。今、踊り始めても二人はオン・バランスにいます。
ではフェザー・ステップを。その前に、よくある誤解を解いておきましょう。ワルツとの違いは、ワルツが3で足を閉じるのに対し、フォックストロットでは閉じません。ライズ・アンド・フォールも違います。
ワルツでは1の終わりでライズを始め、2、3とライズを継続、3の終わりでロアー。スローでは1の終わりでライズ、2、3とアップし、3の終わりでロアーですが、多くの人は1の終わりでライズ、2でアップ、3で更にアップ。それは違います。
フロアーを流れるように踊りダンスの特徴を表現しますので、1の終わりでライズし、2はアップ、3もアップ。それからロアーです。
ドーメン、その辺も見せてもらえますか。位置に着いたら、オン・バランスにあり、
Now, we try – and turn
Okay.
止まらなくてよかったのに…
もう一度。リバース・ターンして止まってください。ドーメンがモニカとひとつになって重心を送り出していますね。しかし、
俺はオーケー、俺は強い、首も胸も、と、やってもこれでは重心の位置が違います。オン・バランスでいるためには重心を低く保たなければなりません。だから、F1の車の車体はとても低くなっているのです。
センターは低く。なぜ? あのスピードに対応するためです。
相撲でも、こんな風にバランスを低くしています。なぜ低く? 相手が私を土俵の外へと押し出そうとしてくるからです。
胸を持ち上げ、重心を不自然な所へ上げてしまうと、もはや踊ることはできません。ですから、ここから始めるとすると、
Hayayaya!
うまく落ち着き、女性はあなたとひとつになります。
ダンスの特徴を表現するにはスウェイを使いましょう。スウェイとは? 頭から足先までを使って回転の内側にボディを傾けることで、バランスを取るために使います。競技選手は効果を大きくするためにも使います。ドーメンとモニカが踊る時もスウェイを使っているのが分かります。
ここもスウェイ。スウェイはバランスのため、そして地球上にいるから必要となるのです。回転では内側にスウェイを使わないと、倒れてしまいます。スウェイなしでフォックストロットを踊る人たちをみますが、あれは変に作られたファッションです。
ではフェザーとリバース・ターンを見せてください。 ライズ・アンド・フォールを通して彼がうねりを感じているのが見えますね。
That’s very good.
And turn and stop.
That’s okay.
そのくらいでいいよ。ノーギャラだから。
ドーメン達が自然の原理を使ってスロー・フォックストロットを創造しているのがみえますね。無理に作ってはいません。次は女性のヒール・ターンの所です。 女性がヒール・ターンできないのは殆どが男性の責任です。
例えばこのフェザーからリバース・ターンで、男性が足を置いたところが女性のヒール・ターンの場所になります。男性はそこを回り込むので女性はヒール・ターンできるのです。ドーメンのは特に上手でした。
このごろ多く見かけるのは、こうやって力で踊りヒール・ターンの場所を示しておきながら、こっちに行って引っ張るものだから、女性はヒール・ターンできないのです。モニカに素晴らしいヒール・ターンをさせてください。 勿論モニカも上手なんですよ。
ドライブかけて、流れるように、回り込むと、女性は問題ない。いいでしょう。
フェザー・ステップを少しやりました。ドライブのことも — ところでフェザー・ステップで女性は何をすべきでしょう。ここでパートナーの回転を感じますが、まっすぐ下がってしまうとドーメンが回転する意味がありません。
この後退のステップで女性が、先生に言われたようにヒールを引いてくると、これもやりすぎているため、男性は何をすることもできなくなってしまいます。
女性はスタンディング・レッグでボディを送り出すだけです。この足を使い次の足へとボディを押し出し、これを繰り返すと、女性は自然にヒールを引くことになります。こんな風にしてしまうのはだめで、それだとヒール・ターンできなくなってしまいます。
もう一度やってもらいましょう。
モニカがスタンディング・レッグを使っいるのが見えます。同時にドーメンのフェザー・ステップのシェイプを助けています。それなしでは踊れないからです。
フェザーとリバース・ターンだけ。ここで回転、すごくいいです。次はフェザー・フィニッシュ、スリー・ステップ。それの踊り方は?
タンゴ以外のボールルーム・ダンスで共通のことがひとつあり、それはいつでもロアーしてから動くこと。
「いつでも」 — それがルールです。時に、動いてからロアーもありますが、決してロアーと同時に動きはしません。フェザーからリバース・ターン。もしここでロアーと同時に後退してしまうとヒール・ターンの女性を引っ張り倒してしまい、彼女はヒールではなくトウででてきてしまいます。
この形からここで女性をロアーさせると、彼女は奇麗なヒールを使えますが、私がアップしてロアーして動いてしまうと、女性は引っ張られてトウになってしまいます。そうやっておいて女性にフットワークが違うと文句を言う男性が沢山います。
フェザー・フィニッシュだけお願いします。そう、フェザー・フィニッシュだけ。
ドーメンのまっすぐな背中、高いカップル、見栄えがします。さあ、ロアーからスイングしてフェザー・フィニッシュに。
止まらなくてよかったのに
Right.
さて、ロアーしましたね。フェザー・フィニッシュで多く見かけるもう一つの問題があります。男性右足後退のフットワークを聞くと、沢山の人がこう答えます。TH、そしてTと。そうですよね。そのように本にも書かれています。どうしてそう書かれているのですか?
THTにする訳はスタンディング・レッグを使い、ヒップとショルダーをフェザー・フィニッシュの終わる方向へと押し出すことができるからです。
多くの人の踊り方は、まず、歩幅が大きい。ヒールは床につくものの、他の仕事はしていない。これだと正しいスウェイの位置にいられず、パートナーを前方へ投げ飛ばし、問題を起こしてしまいます。
もう一度フェザー・フィニッシュを踊り、男性はボディを投げ出してください。ロアーからダウンして、消す。
Excellent –
うまかったですね。始めてだよ。Ha ha ha! そんなことないね。
お分かりのように、男性がすること総ては女性に、そして女性がすること総ては男性に影響を与えています。もうひとつ — どの踊りにおいてもダンスはフロアーから生えてくるものです。デービッドもレクチャーの中で触れていましたが、フロアーを使わなければいけません。フロアーはあなたの唯一の友達です。
フロアーが滑りすぎると、ワックスで調整しますね。自分のパートナーは決して正しいと言えませんね。いつも問題を起こしています。ジャッジも同じ。チェックを入れてくれません。すると床しかいないでしょ。だから床と仲良くし、床を使い足と足首を使い、上半身を動かしていくのです。
フォックストロットを踊るには、ここを使う話しましたが、こっちにテンションはかけたくありません。
ドーメンのはいいですね。競技会に勝てる広いトップからこの形を作っています。ヒップとトップ、そして女性も同じです。女性のトップは更に伸びていきますが、トップがヒップの上にしっかりあるので、足腰の動きが伝わるのです。だからいつでもきちんと見えるのです。
ここから向こうに踊る時、上体を固めてスイングすると、それも問題を起こします。私が教えているカップルがうまいことを言っていました。正しく踊っていると、楽に感じる — と。
しかし、楽に踊ろうとしてはいけません。楽に踊ろうとすると崩れてしまうのです。しかも、皆さんは競技選手ですから。
So, Domen, can you do a Feather, Reverse Turn and Three Step.
おっともう一つ、フェザー・フィニッシュですが、フェザー・フィニッシュでボディを投げ出して行きますが、ここでロアーしたときの自然なスイングがボディを運んで行ってくれ、私の足は外に向けて伸びています。それを見て多くの人は「なるほど」と思い、その形をわざとらしくまねするが故に、後ろに残しすぎ、結果として踊りを損ねています。
フェザー・フィニッシュを奇麗に行えば、それは自然にできることなのです。
So, can you do the Feather – Reverse Turn –
ゆったりと足の裏を転がして、
turn –
頑張らなくても足がのびて行くのが見えますか。ヒール・ターンも美しいです。
That’s very good.
上手でした。
本日のレクチャー総てで言われてきたことですが、ラテンでも同じで、踊るのは足から上。そしてジャッジが見たいのはダンスの特徴。そして質の良い踊りです。さて、男性はいつも前進、女性はいつも後退ばかりですから、リバース・ウェイブを踊ってもらいましょうか。こんどは男性が後退 — ここから始めましょう。
君たちは大きく動けますね。ゆったりと大きなトップをしたグランド・ファイナリストだ。
そのまえに — 失礼、すぐ終わるよ。ひとことだけ。こんな風にはしないと話しましたね。ドーメンは背が高いですが、彼がフロアーに立ったとき決して小さくは見えませんでしたね。
彼は中心を低くし、持ち上げていません。また床から外れて踊ってもいません。両足を通したバランスの良い所にいて、そこからリバース・ウェイブに回転して行きます。それが重要なポイントです。ここから踊ってはいけません、こっちです。
Now rotate – and do your back feather
では、ちょっとしたお話をしましょう。
いまのは上手でしたね。素晴らしいトリプル・リバース・ウェイブでした。
リバース・ウェイブからバック・フェザー、それからレディ・アウトサイド。でも、ドーメンはここでパートナーを見ていましたね。これが、私の言う、踊っている時の一体感、二人で一つということです。彼が彼女の方を見る。
リバース・ウェイブの話を聞きたいですか?
これが女性の頭。彼女は美しい。ここで回転し、右足後退で女性を見ます。美しい。でも男ですから、彼女よりもあっちの女性も気になり、その女性を見るために私は顔を返します。彼女の顔も返ります。つぎにロアーするとき、はて、どっちがいいだろう。そこで、もう一度彼女を見つめ、100%確信します。あっちの女性が良い、と。
ドーメン、こんな風に踊ってごらん。なぜ彼女を見るかというと、そこでラインが作れるからです。男性はボディ・ウェイトを次に後退する方にではなく、来た方向に残します。バランスを保つためです。
Right, Rev. wave.
ここで他の女性をちょっとみて、また彼女に戻り…、男になれ、他の女性を選ぶんだ。やつは弱虫だ。モニカと一緒がいいらしい。
さてフォックストロットらしい動きをするための原理がわかりましたか。他のダンスよりも低く保ち、足と足首をつかうこと、ボディ・ウェイトと重心を一緒にし、パートナーにしがみつかないこと、など。
次は、音楽を使ってこれを踊ってもらえませんか。
feather – rev. turn – feather finish to rev. wave.
踊りの質を見てください。二人はグランド・ファイナルに入ったと話しましたが、そこを見てください。あの方法でリバース・ウェイブをして欲しいけど、君はハッピーだね。音楽をお願いします。
You see – thank you.
見えたと思いますが、トップを無理に固めずある程度リラックスしていてもトップクラスの形になっています。二人には狭すぎましたね。こうした所からもダンスがうまいかどうかが分かります。フロアーを流れて行く様子からも。
私が話したライズ・アンド・フォールはこのようなものです。
まだ若かったころ、ある先生に、「フォックストロットはトウモロコシ畑の中にいる感じだよ」と言われたことがあります。風が吹きわたり、風に揺れるトウモロコシを見つめる、そんな感じだと。
それを聞いて私は、なんて馬鹿なことを言うのだろうと思いましたが、教師経験を積みダンスの理解が深まると、その言葉が再び思い出されました。彼は正しかったと。
そういう感じでフェザーからやってもらえるかな?揺れるトウモロコシ畑。美女が腕の中に、君の望みは何でも聞いてくれる — ダンスでは。
さあ、踊ってみてください。音楽があった方がいいので、音楽お願いします。
競技会では聞いていなくても、これはレクチャーだから。私の言うことを聞いていてくださいね。
足の裏を転がしてというのを聞きながら踊ってください。モニカはフォックストロットの特徴がでているか、気をつけてください。勿論、女性は男性と反対の動きをしますよ。
<Dance>
OK, thank you Domen.
皆さん、素晴らしい踊りでしたね.
今の踊りからドーメンとモニカが作り出すボディ・ランゲージがみえますか。二人はだんだん気持ちよくなってきています。音楽性も一体感も表現できたのは、それを妨げるストレスや無理がないからです。ところがストレス、イコール、エネルギーと考える若者が沢山います。それは違います。ストレスは問題を起こすだけです。
二人は素晴らしかったです。
Thank you very much.
二人に暖かい拍手をお願いします。
踊りの質について、そして特徴についても話してきました。私たちが今していること、それを頭に入れることです。
こういう女性が、男性と組んで大きな形を作る女性がいます。男性がここにいると知らせなければいけない程の。
もし女性が、あるいは男性が女性の方に行くこともあります。こんな風に右手を使わない男性もいます。女性のことを考える余裕がありません。自分のことで精一杯です。
ここに立ち、ついにホールドして踊り始めます。
どこいくの?
実は私が何も彼女に指示をしないからこうなったのです。
かわいそうな女性は、何度こうした経験を — 君が男性。
幾度、女性は男性の所に入ったときに、昨夜の練習でも同じことをし、男性が「それは正しくない」といいましたね。よくあることです。
女性はリードを待ちますが、男性のリードとは適切なポジションにいて、掌でコンタクトすることです。決して踊りながら手や腕を使うことではありません。時として手を使うこともあります。それは、相手が問題を起こし、首を絞める時。
決して手は使わないこと。女性の手をしっかり受け止めていれば、何をしようと、ポジティブであれば、それがリードになります。女性は男性の考えがはっきり分かるとハッピーなのです。女性が男性の所に入り、ここ? ここ? と探すのは意味がありません。はっきり女性のポジションを知らせてあげればハッピーなのです。何を行うにも男性はポジティブに、そして女性はフォロー。二人がそれぞれ勝手に踊ると、フロアーでぶつかりあったり、問題を起こすだけです。
お話が多くなりましたね。残り20分ありますから、ここで言う所の「ステージ」にしましょう。やってみたいですか? ああ、もう残り16分。ではフロアーにどうぞ。パートナーと組んでください。ドーメンに説明したようにして。
ではボールルームのホールドをして。
モニカ、来てくれる? ホールドするときは、こんなに高くしません。高くすると、自分の方においでと言うことになります。
男性の右手は女性の左肩甲骨のあたり、ブラのあるあたり。ブラつけてないの?
ちょっとだけ低めにして、自分のポジションを女性に知らせます。こんなに上ではありません。ここです。勿論、やろうとしているでしょうが、こんな風に大きなホールド、これはやめましょう。練習ではこのようにホールドし、こんな風にしたりすると思いますが,それはなぜですか? それは二人のボディを一つにするからです。
ホールドして男性はすこしだけ左に伸びる感じに、女性も同じような感じにちょっとだけなりましょう。ではまず、その形になってみてください。
みんな同じ方向に。そう。全員こっちの方に。もう少し広がってください。フェザーとリバース・ターンを踊れるだけのスペースを取って。いいみたい。
男性諸君、右手が女性の背中に置いていない人たちをずいぶん見てきていますが、私のレッスンでそんなことをすると、握手して「おめでとう」と言っています。あなた達のことではありませんよ。
右手は女性の背中におき、吸盤のように — 手の下の方に少しだけ圧力を与え女性に動きの指示を与えます。
おお、いい感じじゃないか。
無理に背を高くせず、自分の高さでいいということを忘れないで下さい。皆さんのこの形を見て、素晴らしいと感じています。フェザーからリバース・ターンを踊ってもらいますが、この形をキープしてくださいね。
始めますよ。男性は左足前進から。「アンド」の後から、
Ready ‘and’ Slow – turn – and swing down – and stop,
そうですね、悪くないですよ。私の今日のパートナーはどこかな?
ほとんどの人が一般的な間違いを犯しています。ドーメン達を見ていませんでしたね。皆さんはフェザー・フィニッシュでこんな風に腕を使っています。こんな風にやって良い形になっていると思っているかもしれませんが、女性を置き去りにしてしまいます。
私のフェザー・フィニッシュの教え方は、右肘を前に持って行くことです。前方に持って行くことを意識しつつ、同じ所に置いておきます。逆に、右肘を同じ所において踊ろうとすると、女性を取り残してしまい、次のスリー・ステップでめちゃくちゃになってしまいます。
もう一度やってみましょう。今日は気分がいいので、もし、上手にできたら、100ユーロ貰えるようにしましょう。 全員が — ジェリーとカテリーナから。
では左足前進から — いや右足からにしましょう。
Ready ‘and’ Slow QQ – turn QQ –
肘を前に、男性、
And three step. And turn, yes.
いまのは本当に良かったので、今度ジェリーとカテリーナに100ユーロをせがんでください。私がいっていたと言って。皆さん実にうまかったです。今度はトリプル・リバース・ウェイブです。先にちょっとやって貰いましょう。先ほどの小話を思い出しながら、
turn –
ここで彼女をみつめ
ここで浮気して
もう一度彼女をみつめ、
良くできました.
じゃあ全員こっちからやってみましょう。広がって。女性はヒール・ターンがありますから、男性はその周りを踊りますよ。美しいパートナーを見るのを忘れないで。
男性は後退の動きに入ったら、ボディ・ウェイトは行く方向にではなく、来た方向に残しますよ。
OK, here we go.
Ready ‘and’
Turn QQS QQS QQS QQ Wow,
That was good.
That was super.
全員の踊りを見ていましたよ.皆さんの動きをみて、何を思ったか分かりますか? 一人一人の踊りを見、素晴らしい男性達、美しい女性達をみて私が深く思ったことは、なんて素晴らしい — 先生なんだ。
Ha ha ha
さあもう一度やってみましょう。女性の皆さんは前進運動に入るので、リバース・ウェイブでヒール・ターンでは、トウに素早くライズしましょう。それをすると、骨盤が持ち上がります。そこからロアーしたら、いつもスリー・ステップで男性にドライブかけて欲しいと思っている、それを、女性が行います。
ここから始めて、ここに。ロアーして、ドライブして抜けて行きます。
Right. Let’s try.
トウに早くあがってくださいね。
Ready ‘and’ Turn QQ – drive him ladies, and drive him and drive him and stop.
オーケー、今のは良いと思いますよ。今、私は「ドライブ・ヒム」「彼の方に押し込んで」といいましたが、ドーメンを使ってのレッスンで言い忘れたことがあります。スロー・フォックストロットでドライブをかけるとき — 今は男性 — 始めのスローでドライブをかけ、続くクイックは放っておきます。フェザー・ステップの始めのスローは、これではないですね。
これは予備歩で、ボディをそこに持って行くだけです。 若かった頃 — もう200年も前、競技会でのフォックストロットはテキスト通り、右足からでていたんですよ。そのうち、突然動き始めるのは無理がある感じ始めました。
動き続けなければ行けません。そこで、ここではボディを動かし始め、それからこのスローでドライブかけるのです。ところが予備歩までも踊りに組み込まれ、いまでは皆、左足でもドライブをかけていますが、こそは、ボディの動きを開始するだけです。次にドライブをかけます。
さてフェザーからリバース・ターンで、次の二つのことをして踊ってもらいましょう。一つ目は、ドライブをかけたら、その勢いを使ってQを踊ります。二つ目は、ドーメンとモニカにもスウェイについて話しましたが、ここではこんな風に考えてみてください。スイング、シェイプ、ホールド・ザ・ポジション、つまりその形を保つ、と。ホールド・ザ・ポジションは止まることではありません。
ベーシックでお見せしましょう。
We going to, swing – shape – hold – swing – shape – hold – swing – shape – hold – swing
さあ、やってみましょう。スイング、シェイプ、ホールドを忘れないで。
Ready,’and’ Swing, yata, swing yata, swing –
リバース・ウェイブをしてしまったお馬鹿さんはいなかったかな? 一組だけ — それをやってもらいましょう。
女性の皆さん、練習では、まず男性がひとつ目のホールドをしてきます。二つ目はコネクション、三つ目は男性の右手、最後に、こことここ。男性の腕に対してしっくりいてください。もし男性が締め付けたり、きちんとホールドしなかったなら、「踊れない」と男性に伝えましょう。それで彼が言い返してきたら、アームストロングの話を思い出して、と。
もう一度ホールドし、男性は女性が常に安心していられるように。女性は安心していられると、男性のために何でもしてくれます。
安心で? 何でもしてくれる??? 私の立場も考えて。
相手が誰であれ、私がなにをしようと、自分に対してしっかりしていれば、女性はフォローしてきます。それは二人のポジションが正しいからです。こりゃ楽しい。もう一度。何踊りましょうか?
じゃあフェザー・フィニッシュでもやって、タンブル・ターン。私がきちんとホールドしていなかったので、彼女が私の腕から滑り落ちてしまいました。
今度はきちんとホールドして踊ると、彼女は何をされてもついてきます。男性が正しいポジションで自信を持ってやれば。私は彼女にだけ教えていたのではありませんよ。こんな風にやれば、女性は待っているのです。
ドーメンを見てください。さっきのリバース・ウェイブでは、にこやかでしたね。競技選手になってから笑ったことがなかったのに。でも今日は良いですよ。では、もういちど。男性のホールドが悪ければ動かなくていいですよ。
彼女をお返しします。
広がって。
レッスンではこれを覚えておきましょう。先生から指示を受けたら自分が考える2倍のことをする、と。先生の指示通りにやったとしても、不十分なことがとても多いからです。だから言われたことの倍行うのです。
さて最後にもう一度やってみましょう。もし誰か一人でもうまくできなかったら、さっきの100ユーロはありませんよ。
素晴らしく良いと思います.カテリーナから貰ったら、私に10%お願いしますね。
さて、今日のレクチャーでお伝えしたポジションのことは、ボールルーム・ダンス総てに共通しています。タンゴも含めて。2、3日後に行うワルツでも触れる予定ですが、ボディ・ウェイトも何もかも共通しています。理解して、使っていただければと思います。
私の前に行われた3つのレクチャーは素晴らしい内容のものだったと思います。私も私なりの方法で行い、皆さんの踊りが良くなったと感じます。自然な形で上手になったと。前の形には戻らないでください。大きく見せよう、強く見せようと。踊りに力強さに欠けると感じたなら、それは上半身でも女性の問題でもなく、自分の脚部の問題です。脚部を使って床を動いて行くのです。
出典:HAPPY TRAINING ITALY ISCHIA-CAPRI OPEN 2008 / スタジオひまわり制作
翻訳/アフレコ:神元誠
◇ ◇ ◇
楽しんで頂けましたでしょうか? 翻訳ミスがありました時はご容赦願います。
ハッピー・ダンシング!