MA69 更にうまくなる20の話(その6) リードは「足先」へ

投稿者: | 2020年11月23日

拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」の続編として、「読むだけでダンスが上手くなれば儲けもの」、そんな話を書いていこうと思います。当然、サークルレベルの話です。

 

魔法の言葉 Part 2
MA69 更にうまくなる20の話
(その6) リードは「足先」へ

 

◇ ◇ ◇

 

サークルには色んなレベルの人が混在しており、「踊りやすい人」もいれば「そうでもない人」がいますが、それは飽くまでもあなたが「相手」を判断する話。もし、あなたが相手の立場で踊るとしたら、あなたは「踊りやすい人」でいられる自信はありますか?

 

 

■相手のことを知りましょう

そこで、男女を入れ替えて踊る機会を作りましょう。

 

男性が女性の、女性が男性を踊るのです。これをすると、途端に「ステップが分からない」という話が出てくるでしょう。それ以前の話として、「組み方はどうするの?」の話が出てくるかも知れません。

 

それを何とか克服して動き始めると、次に、そこら中に

どうリードするのか分からない
どうフォローするのか分からない

の言葉が溢れ返ることでしょう。

 

こうして相手の役割の難しさが分かると、安易に誰かを「踊りにくい」と言ったりできない気がしませんか? 相手がどれだけ踊りにくても、問題は常に自分にあると思うのが自分が上手になる近道です。

 

 

■リードは「足先」に

リード&フォローは実に奥深い話です。その上、一人一人のレベルも違えば、理解力も違うので、説明が難しいです。ですから、これからお話しする説明も、通じる人と通じない人が出てくると思いますが、私がお勧めする男性のリードの考え方は、

  「女性の足先に向けてリードしようと思う 

―― です。理由は単純です。女性が足を使ってくれなければ、動いて行かれないからです。

 

 

 

■なぜ「足先」に?

皆さんにも、スーパーでピックアップしたカートがきちんと動かなくて、選びなおした経験があるのではないでしょうか? 

 

ハンドルバーを握ってい動かすだけで、カートの車輪にゴミが絡まっているとか、車輪が緩んいるなどと感じ取ることができるのは、ハンドルバーを通して床に接している車輪の動きを感知しているからです。そこで、私たちの「カートを押す」行為は「車輪」に向けて行われていると考えることが出来ます。

 

 

そうだとすると、男性はスタンダードで組んでいても、ラテンの片手ホールドしていても、そのホールドを通して、自分の「リードというエネルギーを、女性の体内を通して次にステップする足先に向けて流す」とイメージすることで、より的確なリードになるのではないでしょうか。男性の皆さんは是非やってみて下さい。

 

 

 

■フォローも「足先」に

一方、フォローする女性も、男性から来るリードは、「ホールドを通り、体内を通り抜け、自分の足先に流れてくる」とイメージしながら踊ってみてください。リードの上手な人もいれば、あまり上手じゃない人もいますが、それでも、「この人のリードは自分の上半身ではなく、足先を動かそうとしている」とイメージしていると、かなりスムーズに、かつ、美しく動けることでしょう。

 

 

 

■リード&フォローはコミュニケーション(会話)

前回の記事に「リード&フォローはコミュニケーション(会話)」の一文がありました。コミュニケーションですから、お互いに会話を発しなければ成り立ちません。そこで例えば、こんな会話のキャッチボールをしましょう。

 

男性:次のステップはこの方向に、このスピードで、この歩幅でお願いします。

女性:分かりました。これでいいですか? 

男性:ありがとう、完璧です! 今度はこんな感じで踊りたいです。

女性:こんな感じですか?

男性:少し違いました。リードがまずかったんですね。では、このリードでどうでしょう?

女性:良く分かりました。次に動く準備も出来ていますよ。

 

こうした無言の会話の練習は相手に言わなくても、自分だけでそう思って練習することができますので、人知れず上達する楽しみもあります。

 

ハッピー・ダンシング!