フリー・アームは肩甲骨を使うのですか? 私はフリー・アームは肩を頑張って動かすんだと思っていたのですが、間違いでしょうか……。 (千葉県 女性)
今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。お役に立てばうれしいです。なお、回答には現時点の考えに書き直していることもあります。
■フリー・アームの考え方
お葉書には「ダンス歴2年くらい」とありましたが、私もダンスを始めた当初から「フリー・アームって何だろう?」と思い続けていました。プロのラテン・ダンサーなら「そんなこと」と、すぐに教えてくれることなのでしょうが、不思議なことに、私は先生に尋ねることもありませんでした。もしかすると、スタンダード中心にしか教わっていなかったからかも知れません。
それから30年近くたったある日、UK選手権の帰りの車で鳥居弘忠先生とご一緒する機会がありました。先生はジャッジ、私たちスタジオひまわりのメンバーは撮影の帰りでした。私のようなものにこんなチャンスは滅多にありません。そこで、失礼とは思いつつも質問させていただきました。
「先生、フリー・アームってどう考えればよいのですか?」と。
その時に教えて頂いたのが、
「英国でレッスンを受けていたとき『何をしても良い。ただし、受け入れられればの条件がつきますが』と言われました」 ―― でした。
話が長くなりましたが、フリー・アームの考え方は、確かにこの「何をしても良い。ただし、受け入れられれば」と思います。「何をしても良い」のですから、あなた「肩を頑張って動かす」のもOKになりますが、後の「受け入れられるかどうか」の問題が残りそうです。そこは教わっている先生に見てもらうのが最善かも知れません。
■本当に肩から動かしている?
肩と肩甲骨のことですが、あなたが「肩を」と思っている時、本当に「肩」から動かしているかも知れませんが、無意識に「肩甲骨」を先に動かしていることも考えられます。そこで、実験的に「肩」や「肩甲骨」を極端に動かして、自分が実際にしていることを確かめてみましょう。
■肩甲骨の話
最後になりますが、腕(アーム)が体のどこと繋がっているかのお話をします。これは案外多くの人が知らない気がしています。と言いながら、その実、自分が最近まで知らなかったので、他の人も巻き込みたいだけかも知れませんが(笑)。
じつは、腕の骨は肩甲骨の先に繋がっています。その肩甲骨は鎖骨に繋がっています。ボディからの動きが肩甲骨に伝わると鎖骨も動き、肩関節を通って腕にも伝わっていきます。
もうちょっとだけ詳しく「MA10 肩甲骨の話」に書いていますので、そちらも読んでみてください。
ハッピー・ダンシング!