2010年UKコングレスからアンドリュー・シンキンソン（Andrew Sinkinson）のレクチャー映像を紹介します。文字で読むと、また別の発見がありますので、日本語の書き起こしも記録として残します（English Text）。競技選手を対象にしたレクチャーですが、サークルで踊る人たちにも是非見て頂きたい秀逸のレクチャーです。
この映像は隔月誌ダンスウイング５５号の付録DVDです。当時、スタジオひまわりの海外部とダンスウイング編集部の両方に携わっていた私は、日本のダンサーたちにこうした良質のレクチャーを提供できることを心底嬉しく、また、仕事を誇らしく思っていました。
このレクチャーの中でヘンリー･ジェイクス（Henry Jacques）のテキストが取り上げられています。
余談ですが、私がヘンリー･ジェイクスの名前を知ったのはリチャード・グリーブさんからでした。グリーブさんと数日間の撮影の仕事をした話をこのブログ（#001 タンゴレッスン雑学１ グリーブさんは逆から… ）に書いていますが、撮影の合間に雑談をしていた時、こんな会話が起こりました。
グリーブさん：あなたはダンスのことを良く知っているね。いったい、どんなテキストを読んでいるの？
（私が数種類の英語の書物名をリストアップすると、その中には彼の知らないものがありました。そこで、それを翌日お見せする約束をすると……）
グリーブさん：じゃあ、ヘンリー･ジェイクスのモダン・ボールルーム・ダンシングは持ってる？
私：いいえ……。
グリーブさん：あなたは勉強しているんだから、あれは買ったらいいよ。
私：グリーブさんは買ったのですか？
グリーブさん：いや、知らない人に貰ったのさ。教室をオープンしたときに、その本と昔のLPを抱えた男ががやってきて、引越しするからあげると言って、置いて行ったんだ。信じられないだろ？ そこには、足の使い方も事細かに書かれてあり、７０年以上も前の本とは信じられない素晴らしい本だよ。数万円はするけど、買った方がいいよ。
という訳でネットで探して原書を手に入れたら、なんと１０万円近い高値！💀 そんな高価な買い物をしたことのない私は気絶しそうになりましたが、このレクチャーの日本語訳をつけていた時に、この本を持っていたおかげで、シンキンソンの話の内容確認が完璧に出来たので、グリーブさんのアドバイスに感謝したものでした。
お喋りはこの位にして、シンキンソンのレクチャーを覧下さい。あなたのダンスのお役に立ちますように！
2010 UK Lecture
“THE LOST TANG” by ANDREW SINKINSON
アンドリュー・シンキンソンの「失われたタンゴ」
出典：ダンスウイング55号付録DVD
英語翻訳／アフレコ：神元 誠
◇ ◇ ◇
日本語の書き出しを紹介します。文字で読むと、また別の発見があることでしょう。
MC: さて、今度はボールルームのレクチャーに移りたいと思います。ボールルームダンスに対する古典的なアプローチをとることで知られている人物にレクチャーしてもらいましょう。タイトル「失われたタンゴ」です。アンドリュー・シンキンソンです。
Andrew: 今日のテーマは、失われたタンゴです。「ひと昔まえ、新しいスタイルのタンゴが広まりました。しかし、その踊り方や技術は間違った印象のまま広まってしまい、現在のダンス界は、その新しいタンゴのスタイルから得た成果を充分活かすことができていません。残念なことに、多くのダンス教師はこの新しいスタイルを完全に理解できておらず、間違った理論にしがみついています」――ということがヘンリー・ジェイクス（Henry Jacques）の本に書かれています。
ヘンリー・ジェイクスは、３年連続の全英プロチャンピオン経歴を持ち、ＩＳＴＤのフェロー試験官であり、終身会員でもありました。それは遡ること１９３４年から３５年にかけての年で、新しいスタイルは５つのフィガーで構成されていました。
その５つとは、ハバネラ・チェンジ（Habanera Change）、アルゼンチン・チェンジ（Argentine Change）、コントラ・ツイスト（Contra Twist）、アウトサイド・リンク（Outside Link）、プログレッシブ・プロムナード（Progressive Promenade）です。現在は全く違う名前で呼ばれていて、
- ハバネラ・チェンジはフォー・ステップ・チェンジと名前を変えています。
- アルゼンチン・チェンジは、今のブラッシュ・タップ、
- コントラ・ツイストはプログレッシブ・リンクになり、
- アウトサイド・リンクは、現在はフォー・ステップに。
- 最後のプログレッシブ・プロムナードは現在のクローズド・プロムナードです。
これらをうまく踊るためには、今から話すタンゴの要素に関する知識と技術が不可欠だと思います。その要素とは、ホールド、アクション、脚部のパワーと上半身の安定、脚部のスタイリング、そしてパートナーを閉じたり開いたりする方法です。その前に、今日に於けるフットワークについて話したいと思います。最近のＩＳＴＤのテキストによると、プログレッシブ・リンクのフットワークはこのようになっています。１歩目、ヒール。２歩目は足（フット）のインサイド・エッジと左足ボールのインサイド・エッジ。
ヘンリー・ジェイクスが書き、ＮＡＴＤから１９３９年に出版されたリバイズド・テクニック・ブックにも同じステップがありますが、それにはこう書かれています。１歩目、ヒール～フラット。まず足の外側をプレスし、次いで、足のインサイド・エッジをプレス。２歩目はフラット。ここは、足のインサイドをプレスし、左足インサイド・エッジをプレス。
ここから、当時はフットワークに重点が置かれていたとことが分かります。より細かく、正確に、明瞭な足の使い方が重要視されていたことが。
では、先ほどご紹介した五つの要素について話していきましょう。まずはホールドについて。私はよいホールドを作るための６つのアイディアを、ダンス人生の中で教わってきました。
１番目。他の種目と同じように背筋を伸ばして真っすぐ立ちます。でもタンゴではほんの少し低くなります。正しいポジションに立っていたならウエイトを変えることなく左足を持ち上げられます。これがポジション１です。
ポジション２は、頭とボディをほんの少し左へ持っていきます。
そして３は、左腕の形。この左腕に関しては、肘をシャープに曲げる感覚です。そして床のほうへ少し角度を倒します。ワルツでは、ここは９０度の角度、この部分は４５度、そして手の角度も４５度です。しかしタンゴではもっと鋭く、手は床と平行に近いポジションとなり、手首はこんな風に角度をつけます。以上が１～３番です。
女性と組みます。パートナーとはコンパクトにフィットするようにしましょう。女性が両手で男性の肩を押し下げ、男性が優しく女性の腰に手を回すと、それがコンパクト・フィットと呼ばれる形になります。横から見ると、頭と頭の間に程好いスペースがあり、二人の肩は平行になっています。女性の腕の形をよく見てください。女性の肘は床に向いていなければいけません。肘を後ろに向けるのも、まっすぐ伸ばすのもいけません。
タンゴでは男性の右腕はより深く女性を包み込みます。スイングダンスでは女性の肩甲骨の辺ですが、タンゴではもっと内側まで手を回します。女性がブラジャーをしているなら、目安はブラジャーのちょうど上、手はホックより先に置くとよいでしょう。
女性の左手は男性の腕とつながります。３つのアイディアを紹介します。肘と肘を合わせ、高すぎないように。女性は自分の方に向かってほんの少し力を入れ、男性の脇の下の角度をつけた手にはトーンを感じるようにします。ワルツでの両腕はボディと左右にバランスのとれた場所にありますが、タンゴではバランスのとれた場所にはなりません。しかし、女性とホールドすると、二人の形として、バランスが取れているように見えるようになるでしょう。
以上をまとめると、まずは１、２、３。女性が入ってきてかみ合い、腕を横に、平行に、男性の腕、女性の腕。この段階で、タンゴらしい形とタンゴらしい雰囲気を作ろうとしてください。きっと同意していただけると思いますが、そうすることで綺麗なラインとスペースをバランスよく作ることができ、余計な力を相手に与えないで済みます。
次の要素はアクションです。アクションに関して私たちが期待するものは、フロアにしっかりと降りること、同じ高さを保ち、足を床から離してステップすることです。考え方としては、次の足に移動する際、ウエイトが中間に置くことです。スイングダンスでは、ウエイトは足の前の方にかけるよう教えられるかも知れませんが、タンゴではウエイトは中間です。
タンゴ・ウォークを前後に四歩ずつ踊るとこのようになります。１、２、ウエイトは中間、３，４，５，６，７，８。
後ろへ。≪& 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 and 8.≫
タンゴではよく「スタッカートに」と言われますが、タンゴ・ウォークでは滑らかに前へ後ろへと動きます。もちろん、特定のデザイン、たとえばクローズド・プロムナードはもっとシャープに踊りますが、タンゴ・ウォークは前へ後ろへと滑らかに動きます。≪1 & 2 & 1 & 2.≫ 後ろへ。≪1 & 2 & 1 & 2.≫
パートナーと一緒に。綺麗ホールドし、前後に行きます。≪& 1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2≫
ホールドなしで。≪& 1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2.≫
＜会場：拍手＞
タンゴ・ウォークのコツは、抜き足差し足でウォークすることです。タンゴのもう一つのキーワードは土台をコンパクトに、小さくします。ライズ＆フォールがなく、フラットなままであること。滑らかに進み続けないこと。次の要素は、脚部のパワーと上半身の安定について。クローズド・プロムナードを使ってご説明しましょう。すべてのパワーは中間から下、そして脚部から生まれ、上半身はできるだけ静かに保ちます。以前、有名な先生が、とても有名な表現をしています。「上半身は記念碑のように静かに」と。
では、ナターシャと一緒に片方の手だけ組みましょう。上半身は静かに、手は柔らかく、≪S QQS ≫ PPからもう一度。≪S &SQQS.≫
練習用に細かく８つのポジションに区切ってみましょう。このように、≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8. 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8.≫
フルスピードでお見せすると、こうなります。≪&SQQS. S.≫
目立った動きは女性のヘッドのターンだけです。≪&SQQS. S.≫
＜会場：拍手＞
自分が踊っていたときに気をつけていたことは、自分の頭をこの手の方に保ち続けることでした。つまり、女性の頭から手のコネクションがあり、頭はここです。左腕よりも外側は向かないようにと教えられました。プロムナード・ポジションでは、脚部のスタイルを見て欲しいのですが、膝からVの字を形作ってます。
前足にはプレッシャーがかかっています。プロムナード・ポジションでのウエイトの配分は、右足７０％と左足３０％が良いのではないでしょうか。
ここを１とすると、１、 ここで右足にもう少しウエイトを載せるようにしています。このサポーティング・レッグに。そこから、送り出します。技術的な話として、プロムナード・ポジションでは、つま先は壁斜めに向けたままで、ＬＯＤに向けるものではありません。
＜会場：拍手＞
もう一度お見せしましょう。≪&, SQQS S &SQQS S.≫
上半身の静けさについてでした。次は、脚部のスタイリングについてです。タンゴでは滑らかに進み続けない、コンパクトな踊りですが、脚部のスタイルに集中するにはファイブ・ステップが便利です。ざざっと、ファイブ・ステップとクローズド・プロムナードでのポジションをお見せします。このように、≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.≫
今度は女性と組んで。ヒップに手を置いて、一緒にいきます。≪1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.≫
二人で練習するときは、ワン・アクション毎に小さく前後に動き、ウエイトのコネクションを確認したりリード＆フォローを練習したりしましょう。このように、≪1, 2, 3, 4, 5 turn 6, 7, 8 and 9, 10, 11 and 12.≫
＜会場：拍手＞
ファイブ・ステップはテキストでは１と２の間で回転し、３はＣＢＭＰ、今は書かれていませんが、４で絞って５で回転します。ファイブ・ステップのタイミングは、≪QQQQS SQQS.≫ やってみましょう。良いフレームを保って、良いアクションを作ります。≪ready…& QQQQS& SQQS≫
もう一度。≪Ready…go & QQQQS&SQQS.≫ このように、上半身はずっと静かなままです。
＜会場：拍手＞
タンゴは大きなテーマですが、できる限りこの３０分間にすべて言い尽くせるよう頑張ります。ここでちょっと、先ほどのタンゴ・ウォークの話に戻りたいと思いますが、直線的にウォークするという風には考えて欲しくありません。本来タンゴ・ウォークは左足前進でＣＢＭＰなのでカーブしていきます。次の一歩は左足が示す方向に出ますから、右ショルダーリードとなります。だいたい２歩で１／８回転します。つまり四歩で１／４回転し、１６歩で円を描きます。
ご存じのように、最近の踊りでは、より複雑で、よりターンのきついステップがたくさんありますから、回転量を８歩や４歩のタンゴ・ウォークスで円を描けるように調節することもできます。このように・・・
≪So 5678 &1&2&3&4 5&6&7&8 9&10&11&12 13, 14, 15, 16, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 1, 2, 3, 4.≫
＜会場：拍手＞
私がダンスを習っていた頃、先生は、タンゴではこのタンゴ・ウォークがとても大事な要素なのだと、強調していました。それを教えられた時、私は「これさえ完璧にできれば、タンゴではなんでもできるんだ」と思うようになりました。タンゴ・ウォークスはこの種目におけるすべての基本となるアクションですし、同時に、二人の完全なタイミングを計る最初のチャンスでもあります。
よりよいタンゴを踊るための最後の要素は、パートナーを開いたり閉じたりする方法です。今まで、ホールド、アクション、脚部のパワーと上半身の静かさ、脚部のスタイリングをやりましたので、そして今度はパートナーを開いて閉じる、です。この右腕の位置は、見た目のためにだけではなく、パートナーを開いたり閉じたりする方法を身につける一番よい場所です。まずはナターシャをプロムナード・ポジションにリードしたいと思います。
≪and ready &≫
もう一度。 ≪&≫ 頭の動きなしで。今度はゆっくりと。≪＆≫
ＰＰになる方法を身につけるだけでも大切なことです。
次に、プログレッシブ・リンクを覚えましょう。プログレッシブ・リンクでは回転量が増え、もっと巻きあげる感覚があります。テキストのタイミングはＱＱですが、私は≪Ｓ＆.≫を使います。もう一度。≪Ｓ＆.≫
他にも練習に役立つのはセイム・フット・ランジ（Same Foot Lunge）からスイブル・アクションです。このように、≪SSQQS ≫、セイム・フット・ランジ、≪＆S≫、ファイブ・ステップ、≪QQQQS≫。腕を下ろしてからもう一度組みます。
＜会場：拍手＞
こうしたフィガーはみなさんがよく踊る人気のフィガーです。最近の振り付けも基本的にはこういうものから成り立っています。もう一度セイム・フット・ランジを ＆、 少しゆっくり、もう一度、下ろして。ここで一旦腕を下ろしてから上げると、バランスやポスチャーのチェックができますし、手のテンションを解放することができます。
もうひとつ、手の込んだステップをご紹介します。セイム・フット・ランジから今度はリバース・ピボット、そしてコントラ・チェックです。このコントラ・チェックでもやはり、強いＣＢＭＰのアクションが求められ、ウエイトは中間に置きます。これが男性の形で、女性はこうなります。男女の脚部は左右対称で、ウエイトも中間。ここでは練習として、女性を見つめてシェイプしてみましょう。４５度の角度から女性を見つめます。
もう一度やってみましょう。ウエイトは中間、強いＣＢＭＰ、女性を見て、４５度の角度で見つめます。では、セイム・フット・ランジからコントラ・チェックに入りますが、コツはセイム・フット・ランジで安定した形をしたところから、右へ少し絞ると左脚部が入ってくるので、そこからリバース・ピボットに入ります。この時の脚部はＣＢＭＰのままで、膝が絞まったる状態で、そのまま同じステップであるかのようにコントラ・チェックに入ります。余分に一歩出すのではありません。これは大きく右に回転してから左に・・・すみません。左に大きく回転して大きく右に回転してＰＰになります。
<dance>
＜会場：拍手＞
もう一度、≪ready ＆≫ ３度目の正直・・・最初のが一番良かったね。
昨年もこの場で、ビルとボビーの思い出話をして楽しみましたね。これは、彼らにまつわる話ですが、私がまだユースだった時代、自分の前にジョン・ウッド（John Wood）＆へレン・スチュワート（Helen Stuart）ようなダンサー達がいました。彼らを見て、なんてパワフルで素早い動きなんだ。どうしたらあんな風に出来るんだ、といつも思っていました。そして自分が踊る番になり、こんな風に、いつもの形で。
よっしゃ！
ご存知のように、ブラックプールではクイックステップが最後の種目なので、もはやエネルギーが残っていなく、ハチャメチャなスタイルでひどい踊りでしたが、なんとか切り抜けることができました。そんなわけで、ロンドンにレッスンを受けに行くと、ビルとボビーが言ったのです。「タンゴは一番簡単」と。「冗談でしょ？一番しんどいよ」と思いましたが、つぎに、「踊るのに手も必要ないのだ」と言ったのです。「不可能だ」と思いました。
でも、何年かかけ、手の余計なテンションやプレッシャーを和らげることができるようになったと思っています。これをご覧ください。女性をプロムナード・ポジションにリードする、ちょっとしたアイディアです。
腕を下ろして上げて。
ビルもよくやっていました。私たちや他のカップルのレッスンで女性をバシッとプロムナード・ポジションにし、手をおろしました。同じことを手の平を合わせるだけでやってみます。
指だけで。
手も使わないで。
＜会場：拍手＞
こんにちの踊り方は、とてもパワフルですが、女性のヘッドをどうやって開くかを身につけることは、とても大切なことです。
次に、このタンゴのレクチャーのために、かつての選手たちはどういうステップを使っていたのかを調べてみました。ボールルーム・ダンシング・タイムスで調べると、過去の競技ダンスの振り付けを掲載されているのを見つけました。まずお見せしたい一つ目の振り付けはこれです。
基本的にウイスクから女性のスイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジです。このようになります。ごめん、ツー・ウォークスから入ります。ツー・ウォークス、ゆっくりとウイスクをし、スイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジ。
もう一度。まずはツー・ウォークス、ウイスク、スイブル、リバース・ピボット、フォー・ステップ・チェンジで終わります。いかがですか？
＜会場：拍手＞
これは１９５２年にＩＳＴＤフェロー試験官のアレックス・ムーア（Alex Moore）が作ったものです。明らかに現在も競技会で広く使われています。次もアレックス・ムーアのもので、フォーラウェイからフォワード・ロックで、これには少し驚きましたが、そして彼がスネークと呼ぶステップからフォー・ステップ・チェンジです。まずはご覧下さい。
ツー・ウォークスから、ウォーク、ウォーク、フォーラウェイ、フォワード・ロック、フリック、フリック、フォー・ステップ・チェンジで終わります。
＜会場：拍手＞
最後にお見せするのは、その前に、今のは１９５９年に作られたものです。最後にもう一つ選んでみたのはＮＡＴＤのフェロー試験官だった、ジョージ・ホールデン（George Holden）が１９５２年に作ったものをご覧になってください。
プロムナード・ポジションから、プロムナード・リンク。≪SQQ≫ オープン・テレマークを踊りフォーラウェイ、カウンター・ポイントからツイスト、そして、カウンター・プロムナード、クローズしてブラッシュ・タップです。
＜会場：拍手＞
さて、これらを音楽に合わせて踊りますが、みなさん、余り期待しないでください。
会場の女性: アンドリュー、ヒップアクションについて説明してくれない？ タンゴを踊り始めるとき、お尻を引くので、プロムナード・ポジションでお尻が落ちちゃうから。
Andrew: ヒップアクションはアルベルト（Arberto Pregnolato／ラテン・レクチャー）がやったと思うけど（注：と、柔らかく断る）。音楽をお願いします。
＜音楽がかかり踊る＞ ＜会場：拍手＞
まとめに入りましょう。伝統は素晴らしいものです。でも、それは未来へ進歩するための踏切り板にすぎないのです。肝心なのは、進歩してきたかです。もちろん、あらゆるところで進歩を遂げてきました。けれども、美しく大切な伝統が失われてしまわないよう、ダンスの歴史的背景を教え伝えていくことはとても大切なことだと思います。
テキストには情報がたくさん詰まっています。過去のクオリティや受け継がれてきた数々の美しいステップを追体験できるのがテキストなのです。
今日の私のレクチャーが未来を振り返る、小さなきっかけをとなったなら嬉しく思います。ありがとうございました。
◇ ◇ ◇
出典：ダンスウイング55号付録DVD
英語翻訳／アフレコ：神元 誠
2010 UK Congress
THE LOST TANGO
by ANDREW SINKINSON
MC: We switch now to the ballroom style, and the first lecturer of this afternoon is renowned for his purist and classical approach to the ballroom dances. So his lecture is very aptly entitled, The Lost Tango. Mr. Andrew Sinkinson.
Andrew: Good afternoon everybody.
Today’s lecture, the Lost Tango.
Some years ago, a new style of Tango was introduced.
But a wrong impression of its execution and technique resulted to the present day of today’s… the world of today’s dancing cannot reap the full benefits of that new style.
Unfortunately today many teachers are unable to achieve the perfect understanding of this new style. And still hold on to incorrect theories.
Now that was written by Henry Jacques, former triple undefeated British Professional Champion and fellow examiner and life member of the Imperial Society of Teachers of Dancing.
Now the new style consisted of five figures, and the year that he was talking about was the dance season of 1934 – 35.
Those five figures were the Habanera Change, the Argentine Change.
The Contra Twist, the Outside Link, and the Progressive Link.
Today they are commonly known as the Habanera Change, the Four Step Change, called four steps in Change.
The Argentine Change, is called the Brush Tap today.
The Contra Twist, is called our Progressive Link.
The Outside Link is… today called the Four Step.
And the last one, the Progressive Link, is called the Closed Promenade.
To dance those figures well, I believe that we should have knowledge and the skill of the following Tango components.
Those being, Hold, Action, Power in Legs, Stillness in the Top, Styling with the legs, and Learning how to close and open partner.
Before we go on further, I’d also like to speak about the footwork today.
Presently in the current technique book, the Imperial Society of Teachers of Dancing, on a Progressive Link, the footwork is
Step1, heel.
And step 2, inside edge of foot. Inside edge ball of left foot.
In 1939, the Revised Technique Book, written by Henry Jacqes, of the National Association of Teachers of Dance, for the same step, he has written “heel then flat, pressure outside of foot, finishing pressure inside edge of foot.
Step 2, flat, inside pressure of foot, pressure inside edge of left foot.”
That suggests to me, ladies and gentlemen, that there was a greater value of footwork in that era.
And it suggests to me there’s a greater value on detail, accuracy, and articulation of the feet.
Now we’ll go back to those Five Components, and first of all may I speak about the Hold.
It’s six ideas that I was taught through my dance career to create a good Hold.
And number 1, is to make sure as in all dances, we stand tall and straight. But in the Tango, we’re slightly lower to the floor, if we’re in correct the position you can lift the left leg off the floor without changing weight. That’s position number 1.
Position number 2, which is slightly head and body to the left.
And number 3, it’s styling of the left arm.
In the case of the left arm, may I suggest it is a sharp elbow.
The arm is angled lower to the floor.
And in the Waltz, it might be suggested the angle is 90 degree angle at this point, 45, and 45 degree angle of the hand.
And in Tango it’s a lot sharper and the hand, this placed closer to a parallel position to the floor and angle of the wrist.
So it’s position, 1, 2, and 3.
With the lady, what you’re looking for is to try to find a compact fit with partner.
If the lady presses down on my shoulders and the boy softly puts his arms around her hip area, you create what called a compact fit.
Onto the side now, and look for the good space from head to head and shoulders being parallel to each other.
Notice the styling of the lady’s arm.
May I recommend that the lady’s elbow should be pointing to the floor.
And not to be angled up, and also not to be straightened.
The right arm is further around the girl in this dance.
In the Swing Dances, it could be close to the lady’s shoulder blade, but in the Tango, it is further around the girl.
If the lady wears a strap, the good reference point is be-on that strap and the hand placed past the clip.
Lady’s left hand connects the boy’s arm. And three ideas here.
Elbow to elbow, not too high, lady has slight pressure towards herself, and tone on angle of the hand that is placed under the man’s armpit area.
In the Waltz, we’re looking for the arms to be balanced to the body, when in Tango the arms are supposed to be not balanced to the body,
But when the lady places her arms into place hopefully we give an image of balanced with each other.
So just put all together, this is 1, 2, 3. Lady walks in, connect, arms to the side, parallel, boy’s arm, and lady’s arm.
And the first idea if I may say, is to try to create look of Tango and right feel of Tango.
And I hope you might agree that that is acceptable.
And hopefully the reason being is, that creates good line, good space on balance and no official stress.
The next idea is the Action.
When it comes to the Action, what we’re looking for is, again to be lower to the floor, try to keep it to the same level, take the feet off the floor in this dance, and the idea is that have the weight centered from foot to foot.
In the Swing Dances, it might be suggested that the weight is on to the front foot, but in Tango the idea is to be centered.
If I do four Tango Walks Forward and four Tango Walks back, it should be the image of position 1, 2, again weight’s centered 3, 4, 5, 6, 7, 8.
I’m moving back, & 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7 and 8.
Musical term for the Tango is commonly used as being “in Staccato”.
But in the Tango Walks, the idea is to be smooth forward and smooth back.
Whereas in another particular design for example, the Closed Promenade, it can be said try to offer more sharper action.
So Tango Walks forward and back smoothly now it goes, 1 & 2 & 1 & 2.
And back, 1 & 2 & 1 & 2.
We try that with partner now.
Creating good hold, forward and back, & 1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2.
And no arms now, & 1 & 2 & 1 & 2, close &, 1 & 2 & 1 & 2.
In the Tango Walks, the idea is try to produce stealth in those walks.
Key word for the Tango is also to be compact in base. There should be a small base. The idea is not to have any Rise and Fall, try to keep it flat. The idea is not to be progressive.
The next idea, is Power in the Legs and Stillness in the Top.
And the figure that I use as an example for this is the Closed Promenade.
We try to make sure that all the power is from center down, and in the legs.
And the upper part of the body, you try to keep that as still as possible.
And from well-known previous teachers in the past, a very famous expression is try to have “monumental stillness in the upper body”.
So, with Natasha, we just try that with the hand, keeping the upper part in still, softness in the hands, so we’ve got S QQS, Promenade again, S &SQQS.
In practice, I can offer you eight positions here, so this is 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8. 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8.
And now at full speed, and ready so we have…&SQQS. S.
The only, the only motion there is the turn of the lady’s head.
&SQQS. S.
Also in my… in my personal dancing, it was often influenced to me to keep the head on this side of the hand.
So from lady’s head to the connection of the hand, this is where the head should be placed.
And I was taught never on this side of the arm.
In promenade position, if you look at the styling of the legs here, the ideas to have try to create a “V” from…from the knees.
The idea’s to have a pressure in this front foot.
The weight distribution in Promenade Position, a good idea is to have maybe let’s say 70 and 30%.
At this point, I say to you “1”, and “1”, I’ll try to get a bit of an extra load up onto this right foot here, we’re gonna call this the supporting leg, we drive out of that foot.
Also in a technical point of view here in Promenade Position, the feet are still pointing diagonal to wall, they are not pointing down line of dance.
Let’s try one more time very quickly, &, so we’ve got &, SQQS S &SQQS S. Stillness in the top.
Next idea is styling of the legs.
If I may show you now, again in the Tango, non-progressive, compact, a good example to concentrate style in the legs is a Five Step.
So just quickly now, I’ll offer a stationary position for each points on the Five Steps Close Promenade, this being 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.
We’ll try that with the lady.
And…hand on the hip, this is together now, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10, 11 and 12.
With partner, a little rocking action on each of those numbers now, to find a good weight connection with each other, and start to learn how to lead and follow.
So this is, 1, 2, 3, 4, 5 turn 6, 7, 8 and 9, 10, 11 and 12.
On the Five Step, technically written, turn between 1 and 2, CBMP 3, not necessarily written now but wind up 4, and turn 5.
Time in the Five Step that we use is QQQQS SQQS.
So we try that.
And again we’re trying to keep good frame, good action, ready…& QQQQS& SQQS
One more time. Ready…go & QQQQS&SQQS.
Is the idea. And again trying to keep stillness in the top.
Now… The Tango, of course is a huge subject and I’ll do my best for you as quickly as I can in a 30 minute period.
And, I just would like to go back to the Tango Walks because I wouldn’t like you to think that those Tango Walks danced in a straight line.
Those Tango Walks should curve and that is left foot forward in CBMP.
And the next step follows the direction of that left foot, and so right shoulder lead.
And approximately it’s an eighth of a turn on those two Walks. A quarter for four Tango Walks.
And 16 (Walks) for one complete circle.
You know, dancing today we have many steps that are a little bit more complicated and the turn is tight.
And so I can also change that amount of turn to eight Tango Walks and also to four Tango Walks.
So ready? So 5678 &1&2&3&4 5&6&7&8 9&10&11&12 13, 14, 15, 16, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 1, 2, 3, 4.
Now when I was learning how to dance, the teacher emphasized Tango Walks was very important component of this dance.
And when I was taught that idea it was influenced to me that “if you can do it perfect you can do anything in the Tango”.
The Tango Walks is the basic action of everything we do in this dance and also it’s the first chance that we can try to achieve perfect timing with each other.
Now, the last component that is to make a Good Tango is to try to learn how to open and close partner.
So we did the Hold, we did the Action, we did Power in Legs and Stillness in the Top, Styling of the Legs, and now this Open and Close Partner.
Now this right arm is not only in this position for styling but this is the best position to learn how to open and close partner.
So, what I’m gonna do first of all, is a lead Natasha to its Promenade Position, and ready & <action>
One more time & <action>.
Without the head…<action>
And slowly, <action>
Very important just to learn how to do Promenade Position.
Next one we could learn is the Progressive Link.
On a Progressive Link we have little bit more turn, little bit more wind up, timing being technically QQ, but the timing that I used would be S&.
One more time, & S&.
Another good step to practice would be Same Foot Lunge into the Swivel Actions.
So it goes, SSQQS, Same Foot Lunge, &S, Five Step, QQQQS.
Put the arms down, and the arms up.
Well, these are all popular figures that most people dance.
And this is basically the make-up of today’s choreography.
So Same Foot Lunge one more time, & slowly, and…and again, and…and drop.
At this point here, put the arms down, arms up, normally it’s a good chance to find balance, check posture and position, and release tension in the hands.
And… the other one, the last one, a bit more tricky, Same Foot Lunge, we’re going to do Reverse Pivots this time, into the Contra Check.
And in the Contra Check, we, may I say, what we’re looking for this try to find strong CBMP action, again weight centered, there’s the boy’s position and there’s the lady’s position.
So the legs are symmetrical to each other, weight centered, and just for practice right now, look at girl and now shape, and it’s a 45 degree angle, looking towards partner.
So one more time, weight centered, strong CBMP, look at lady and 45 degree angle looking towards partner.
Now we’ll do the Same Foot Lunge now, into that Contra Check.
And the idea is find the stability in the Contra Check, a little bit wind up to the right, left leg comes in, and this is a Reverse Pivot and the legs remain in what’s called CBMP, knees tight to each other, and we arrive in the Contra Check as the same step as one step.
There is not an extra step.
So this is going to be big turn to the right and big turn to the left, sorry, big turn to the left big turn to the right and Promenade Position.
And…<dance>
One more time, ready, &…. <dance>
Third time lucky, <dance>,
I think the first one was the best one.
Now, it wasn’t that long ago, that we were here, reminiscing about Bill and Bobby.
And… I’ll tell you a little story.
When I was a youth competitor, the guys in front of me were people like, John Wood and Helen Stuart.
And I use to watch them and think, “oh, my god, they’re so powerful and so strong and so fast, and I’d think how do you do that?
So when it was my turn to dance, I used to dance with my partner <funny action>.
Yes!
As you know the Quickstep is the last dance in Blackpool, and I had no energy left for the Quickstep, and just through, brute wild dance around with no real style, no real line, but survived it basically.
So we went to London and the first thing that Mr. and Mrs. Irvine said, “Tango is the easiest dance”.
I thought, “you must joking, it’s killing me this dance”.
And the next thing they said is “you don’t need hands to dance”
I thought “that’s not possible”.
But anyway over the years, I believe that I was able to soften up a lot in the tension and the pressure in the hands.
But let’s just have a look at this, just a little an idea, just to lead lady to Promenade Position now.
And arms down arms up.
We used to see Bill do that
Many times in his lessons with us and with other couples just try to flick the lady to Promenade Position, but not use the hands.
We’ll just do that again now just with the palm of the hands, <action>,
with finger, <action>, and now, no hands, <action>.
But a… today’s dancing, very powerful, but I think that is important that you learn how to open lady’s head. Very important.
Now next thing that I researched for this Lost Tango lecture, was I was thinking about what do…what do the competitors of yesterday dance.
And I was able to look up some Ballroom Dancing Times and they showed several competitive figures of yesterday.
And this is the first one that I’d like to show you
Basically, it’s a Whisk, into a lady’s Swivel, Reverse Pivot, into a Four Step Change.
And it goes something like this, &…I’ll just do two Walks, sorry.
&.. so we’ll go two Walks, and now we’ll just do it slowly into the Whisk, into the Swivel, Reverse Pivot, into Four Step Change.
So one more time.
Ready and… two Tango Walks, into the Whisk, into a Swivel, Reverse Pivot and Four Step Change, and finish.
How’s that? That was made in 1952 by Alex Moore, a Fellow Examiner of Imperial Society of Dancing. And apparently that was commonly used in competitions.
Next figure, again by Mr. Alex Moore, it’s a Fallaway into Forward Lock which I was surprised that, into what he calls “snakes” Into a Four Step Change.
So let’s look at that now.
So two Tango Walks, walk walk, Fallaway, Forward Lock, and Flick Flick and Four Step Finished.
And the last one I chose to use was… that’s also, that one was in 1959, and the other one that I’ve chosen that was chose from Mr. George Holden also a Fellow Examiner of National Association of Teachers of Dance in 1952.
And this was from Promenade Position, Promenade Link, SQQ.
Into Open Telemark, into Fallaway, and…Counter Point, into Twist, into (UHaa), Counter Promenade, and Close into a Brush Tap.
Now, I’m going to try to dance that to music, don’t expect too much, though, OK?
Lady: Andrew, would you describe and explain about hip action :::? When they start Tango they all sit back and sits in Promenade????
Andrew: I thought Alberto did the hip action.
Okay, with music please.
So, if I may conclude.
Tradition is fantastic.
But surely that is our spring board for our progress for the future.
And the key question is, “Have we?”
And, “Of course we have”, in many areas of our dancing today.
But I think it’s important that we remind ourselves and teach others of our historical background, so we’re not in danger of losing our most beautiful and precious heritage.
The technique books of old and new are a research of great information and the past of quality and beautiful steps that last through time and allow us to relive forms eras.
I hope in my lecture today I’m able to influence as in a small way in some ways back to the future.
Thank you.
Happy Dancing!
ハッピー・ダンシング！