「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。
MT31 第5章 言葉の力/⑥心の中の会話
Inner Dialogue
心の中の会話とは、私たちが自分の中で繰り広げている会話です。誰かに話しかけているとき、あなたの心の中からあなたに語りかける声が聞こえてきます。現在起きている問題に対するコメントだとか、こうなって欲しかったというコメントだとか、いま話をしている会話そのものに対する判断だとかの、声が聞こえてきます。
私自身もかつては、自信を失うような会話を心の中でしていました。しかし、その悪癖を直し始めてからは、数えきれないほどの恩恵を受けています。本当です! 自分を良くするのも、他の人を良くするのも、単に、どう考えるかという習慣の違いからきているだけなのです。自分に対しても他人に対しても、使う言葉に注意を払い、話し方に気をつけていると、たいていの場合は関係が良くなります。目標に到達するのも早くなりますし、何よりも、建設的ではありませんか。ですから、
「君にはできない」
「不可能だよ」
「難しい」
といった表現は、目標に向かって進む上で何の役にも立たないどころか、そうした言葉を使うことは、拡声器で心の中に向かって自分たちをダメにするよう、目標に到達しないよう、叫んでいるのと同じことなのです。
そんなことをしてはいけません。心の中の会話には、自分が作ってしまった壁や疑惑を取り払い、自分を励まし、望んでいることを手に入れられるようにしてくれる力が潜んでいるのですから。
― あなたの心の中で交わしている会話は、あなたの感情に積極的に働きかけ、エネルギーを与え、あなたをゴールに導いてくれるのだということを悟らなくてはなりません。
(「MT31 第5章 言葉の力/⑥心の中の会話 」つづく)
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