KD06 北国ダンサー物語 1章 第6話 ジルバ

投稿者: | 2023年10月10日

 

2回目はジルバなのだ

  2回目にはミッチが東山幸子さんを連れてやってきた。同時に、ヤスが奥さんを連れてきた。

 

【人物紹介】
・東山幸子:3年F組の連中からすると2年下。趣味はマラソン。目下、ミッチが目を付けている。
・内山玲子:ヤスと奥さんは高校時代の演劇部仲間だったが、ヤスがどうしてこんな素敵な奥さんを貰えたのか、黒池町の七不思議の一つになっている。

 

よって、今回は男女5人5人となったのであった。 
●男性:さとし/ヤス/加藤/ミッチ/河合
●女性:恵美/美和/佳澄/幸子/玲子

 

寿 美: 今日からヤスさんの奥さんの玲子さんと東山幸子さんが参加してくれます。男性のみんなさんはとても嬉しそうね。じゃあ、一言お願いします。

玲 子: 前回旦那がすごく生き生きして帰ってきたので、怪しいなーと思って監視しに来ました。

ヤ ス: バカか。

さとし: チャミちゃん先生、この二人は演劇部で出来ちゃったんであります。

(笑)

寿 美: あら、素敵ね。

幸 子: 私は、ミッチさんからお話を聞いて、やってみたくなりました。よろしくお願いします!

ヤ ス: チャミちゃん先生、ミッチの酒が減りそうな雰囲気であります。

寿 美: いちいち、情報ありがとう。じゃあ、ミッチさんは頑張らないとね。

(笑)

さとし: ミッチは手が速いのですが、東山さんは足が速いのであります。

(笑)

千 葉: そうなの?

幸 子: 趣味で走っているんです。もう10年くらい。

寿 美: じゃあ、安心ね。

ミッチ: 何が安心か、全然分かんないすよ。

(笑)

寿 美: とにかく、平均年齢が下がりました。画期的ね。では、あと7回のレッスンを楽しくやりましょう。

千 葉: 前回は何やったかな?

全 員: クオーター・ターンズ、チェック、ナチュラル・ターンとリバース・ターン。

千 葉: よく覚えていたね! じゃあみんな適当に組んで踊ってみよう! 東山さんと玲子ちゃんと組んだ男性は、教えてあげてね。わかんなかったら、声かけて。

 
 全員、案外上手にできたので、パートナ―・チェンジしながら音楽に合わせて踊る練習を繰り返した。みんな、楽しそうである。
 
千 葉: すごい、すごい。良くできてる! ではお楽しみのジルバをやりましょう!

気持ちもイメージもあの日のままなのです。

 
 

 

 やがて終わりの時間が来ると、誰かが「あーあ、もう終わりかー」と叫んだ。みんなが笑った。

 

 余談ですが、簡単そうに見えるジルバも、初心者には結構、ステップの仕方に戸惑う踊りです。従って2時間あっても、多くのことはできません。
物語には書いていませんが、今回「黒池ダンサー」が練習したのは次のステップです。
 ・ベーシック・ステップ
 ・チェンジ・オブ・プレイス(右から左)
 ・チェンジ・オブ・プレイス(左から右)
 ・リンク
 ・チェンジ・オブ・ハンド
 ・ストップ・アンド・ゴー
 

下に貼り付けた動画には、こうしたステップの他、これだけ踊れればジルバは十分というステップも入っていますので、参考にしてください。

話をサークルに戻しましょう。

 

 

寿 美: 驚きよ。最初っからこんなに上手くできる人は少ないわよ。

河 合: なー、俺たち運動神経いいべ?

千 葉: 上手い、上手い。教え方が。

全 員: そっちかよ!

千 葉: では、来週はワルツをやります。この時間この場所でお会いしましょう。

全 員: はーい!
 

公民館を出るみんなの後ろ姿を見ながら、

寿 美: 背中が、踊ってるって感じね。

千 葉: それにしても良くできてるなぁ。なんでだろ?
 

不思議がる二人でした。

 

北国ダンサー物語」(作:神元 誠)

 

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