G070 笑顔はうまくしてくれる

投稿者: | 2020年10月23日

「ちゃんとやれよ!」「そっちこそ!」 ―― 勿論、ダンスでの会話です。

 

◇ ◇ ◇

 

「ちゃんと踊れよ! 」
「リードが悪いからでしょ!!」

 

練習会場でよく見かける口論。

 

競技会に向けてルーティンを練習する競技選手。憧れていたデモ出演をパーティーに向けて練習するカップル。口論は「競技会で勝ち上がりたい!」「デモを成功させたい!」と真剣に取り組む証と言えるかもしれません。

 

そうした世界チャンピオンたちの話を「G039 質問23 パートナーとうまくやっていく方法は?」で幾つか紹介していますが、それはひとまず置いておいて、競技会に出ている人も出ていない人も、あなたも私も、これからパートナーとぶつかったときは、

 

思いっきり、大声で喧嘩してよいです。

 

ひとつだけ条件があります ―― 「笑顔でやること」。
いくら怒鳴り合っても結構。ガンガンやりましょう。でも、必ず「笑顔でやり合うあうこと」。

 

 

「は? あんた、何言ってんの? 笑顔じゃ怒れないでしょ!」

 

そんな声が聞こえてきそうですが、実はその通りで、笑顔にすると怒ることが難しいです。なぜか顔の筋肉のみならず「心」の筋肉もほぐれ、溢れる怒りの感情までしぼんでしまいます。どうやら怒りを表すには筋肉の緊張が必要なようです。

 

 

G067 頑張らないでうまくなる方法」の最後に

新しいステップを習うときは誰でも緊張するものです。緊張しているところに「その緊張が習得の邪魔をします」と言われても、更に緊張して負のスパイラルに陥るかも知れません。そんなときは、深く呼吸をして、無理にでも笑顔を作ってみて下さい。案外、効果的です。(完全に自分を棚に上げた話ですが…)

と書きました。「無理にでも笑顔を作ってみて下さい」と。

 

笑顔を作ると、なぜか「心」の緊張がほぐれます。心身ともに解放されるので、緊張していた時より、より自分が望む動き(=踊り)ができるようになります。

 

パーティーで初めての人や苦手な人と踊ることがあります。そうしたとき、実は、誘う人も誘われる人も互いに緊張しています。男性は「自分と踊るのを嫌がっていないだろうか? リードは通じるだろうか?」と緊張しますし、女性は「この人は苦手だわ」とか「踊りやすいだろうか?」と不安に思っているかも知れません。でも、そうした時の緊張が顔に出てしまうと、お互いに警戒し、嫌な思いをするので注意が必要です。

 

最も注意しなければならないのは、無表情になっている場合です。無表情は相手に対する「拒否」の意思表示となります。もし自分にそうした積りがなく、誤解を与えたくないなら、無意識のうちに無表情になっていないか観察しましょう。それが良く分からない場合は、「笑顔」に登場してもらうのがシンプルでベストな対処法です。踊り初めに意識的に「笑顔」を作るのです。

 

「笑顔」には多くのメリットがあります。

  • 第一に、自分の踊りが軽く、楽しくなりますし、
  • 第二に、相手への「楽しんでいます!」のメッセージとなります。
  • そうすると、相手も楽しい心になりますから、自然と生き生きした踊りになるでしょう。
  • それを見ている人も巻き込まれて、楽しい気持ちになるでしょう。

 

「生き生きした踊り」になると、それは間違いなく、あなたも私も誰もが望んでいる「もっと上手な踊り」です。つまり、笑顔にするだけでダンスが上手くなってしまうのですから、これを使わない手はありません。使わないと大損します。

 

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レッスンを受けるときも笑顔にしていると、レッスン内容がよりスムーズに体の中に入って行きます。

 

「だから私は、ものすごく努力してネタを考えて、みんなを笑わせるようにしているのです」
と説明するのですが、サークル員は笑って、遠慮なくスルーします。

 

それはさておき、笑うと免疫力が高まるそうですから、笑顔にして、笑って、楽しく踊っていると、健康に良いこと間違いなしです!

 

ハッピー・ダンシング!