どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は足首の話。ほんの少しだけ追記しました。
MA04 第1章 体に関する11の話
(第4話)足首を意識してライズ!
その日のレッスンが終わり仲間と話をしていると、一人の女性が、
「私、トウを外に向けて開きにくいのです」
と、話してきました。トウを開くと股関節が広がり、ラテン・ダンスではバランスが良くなりますし、スポット・ターンのような回転時にボディのオーバーターンを回避できます。
私たち夫婦は整体師ではないので、彼女の足首・膝・股関節を直接広げてあげることはできませんが、考え方のヒントは示せるかもしれないと思いました。
そこで、ひとつの例として、トウに上がってもらうと、彼女のヒールはほんの少ししか床から離れません。しかも、上がり方が重そう。
この原因は、本当に「ヒールだけ」を上げてライズしようとしていたからで、それだと、上半身が休んでいるので、上がるのが大変なのです。
「まず、頭が上がろうとします。
その上がろうとする頭を助けるようにヒールを上げる――――
そんな気持ちでやってみて」
と言うと、少しヒールが上がりました。でも、体がまだ後ろにあります。
原因は、ヒールの真上に脚部の骨が付いているイメージを持っているに違いありません。そこで、
「足の甲を前に出すようにしてみて」
と話すと、「こうですか?」、なんてダジャレを言う暇もなく、次の瞬間、叫び声を上げました。
「人生で初めて! こんなに上がったことない! ありがとうございます!」
そこには足首が伸び、トウに高くライズをしている彼女がいました。周りの人たちも大喜びです。
このように、考え方を変えたり、アプローチの仕方を変えてみたりするのは、とても良い方法です。そして、楽しい結果が待っていることがあります。
ダンスでライズするときは、
「足首や甲を前に」と思ってみましょう。
(「第1章 体に関する11の話(第4話)足首を意識してライズ!」おわり)
■追加の話
ライズするときは「頭から上がろう」としてみましょう。でも、頭は頭だけで上がることはできないので、頭の下にある首から足先に至るまでのあらゆる筋肉に出動願います。脚部にある大きな筋肉だけに頼ろうとしないことが大切です。
頭がツルツルと上に上がる過程で、ヒールが上がりますから、そのときに「足首や甲を前に」と思ってみましょう。
ハッピー・ダンシング!