MT17 第3章 信念/①自らつくる限界

投稿者: | 2020年2月27日

「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。

■目次

MT17 第3章 信念/①自らつくる限界
Limiting Beliefs Of Dancing

 

世界中を回り沢山のカップルにお会いしていますが、そうしたときに彼らが話してくれた、彼らが耳にしたという言葉を書き出して紹介しましょう。実に興味深いのは、彼らの考え方が非常に共通しており、まるで、ダンス界全体がウイルス感染したかのような印象です。

 

では、そうしたカップルたちは何を言われたり、何を“又聞き” したりしたのでしょう。読者のあなたは、何を信じるべきかをよく確かめながら読み進み、そして自分の信念へとつなげてください。

 

断定的な表現をいくつか見てみましょう。

 

― ファイナリストになるにも優勝するにも順番を待たなければならない。

― チェックを入れてもらいたければ、ジャッジたちのレッスンを受けなければならない。

― 踊っているときに何を感じているかは重要じゃない。重要なのはどう見えるかだ。

― 成功するには、誰かの後押しが不可欠だ。

― 背の低い人はタンゴとクイックが良い。背の高い人はワルツとスロー・フォックストロットが有利だ(しかし、そうなると、ヴィニーズ・ワルツに有利なのはどっちだ?)

 

 

16 才のときでした。熟練したプロの人からこう言われたことがあります。「君はスタンダードでは成功できないね」と。なぜなら、彼が言うには、私の体つきはボールルームには小さすぎるので、ラテン・アメリカン向きだというのです。それを聞いて私はこう思いました。「ラテン向きとかスタンダード向きの体つきとか、どこにそんなことが書かれているのだろう?」と。

 

ダンサーたちはエキスパートたちから言われる様々なことを、そのまま受け入れてしまいます。君の足はセクシーじゃない・長すぎる・短すぎる、君は胴が長すぎる、肩幅が広すぎる・狭すぎる、足が太すぎる、鼻が長すぎる、額が広すぎる、君の胸は小さすぎる・大きすぎる、君は男らしさに欠ける、君は女らしさに欠ける…などなど。誰も完璧ではないので、それは欠陥でも限界でもありません。言われたことを信じたときに、それが欠陥になり限界となるのです。でも、ちょっと考えてみましょう。もし私が、あのプロの言葉を信じていたら、私は現役時代に、あのようなゴールに到達することはできなかったことでしょう。

 

残念なことに、ダンス教室やボールルームの周りにはそうした否定的なことを言う人たちがまだまだたくさんいます。私は、皆さんを心から招き入れ、彼らや彼らの言葉から守ってあげたいのです。最も大切なことは、将来について妥協するような、信念に限界をつくる道を選んで欲しくないということです。

 

成功のカギとなる要素は心底信じることであり、

真の成功は自身の中に信念を抱くことから始まる。

(コリン・ターナー)

 

コリン・ターナーの言葉から学ぶことがあります。私たちの中には大なり小なり、自分の成功は外的要因によって左右され、考え方も環境に影響されると信じる部分がありますが、その考え方を許してはなりません、ということです。

 

いいですか、外的要因は私たちに影響を与えないのです。影響を与えるのは、そうした誤った考えに自分が意味を持たせてしまうからなのです。人から言われたことを受け入れるも受け入れないも、それは自分次第なのです。

 

私自身に関して言えば、自分がラテンに向いていると言われたことに、むしろ感謝しているくらいです。なぜなら、その言葉が私に拍車をかけ、それが正しくないことを100%の集中力をもって証明しようとする力を与えてくれたのですから。当然ながら、証明しました。

 


(「MT17 第3章 信念」つづく)