MT16 第3章 信念(その2)

投稿者: | 2020年2月26日

「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。

■目次

MT16 第3章 信念(その2)
Beliefs

 

1, 信念は未来へと向かう原動力だ。

2, 確信を制限するような要素は排除せよ。

3, 脳は現実と空想を区別しない。

 

感情レベルに投影される信念を定義すると、「何かについて確信する感覚」と定義できます。きっとそうなると深く信じていると、それが実現されるという心の中の強い思いとなって、成就されるのです。そう思っているときの感覚は、とても鮮明で生き生きとしているので、あなたの表情にもにじみ出てきます。瞳は輝き、ポスチャーもバランスも違ってきます。あなたのダンスは更に軽やかで、ゆったりとした踊りになります。実際、あなたは最高の踊りを表現できると確信するでしょう。

 

踊り出す前の私の感覚は、ほとんど無意識でした。これから踊るダンスが美しいかどうかが、踊る前に分かっていたのです。今振り返って分かることは、信念の持ち方が違ったということです。踊り始めたとき、結果について何の疑いも持たなかったのです。

 

・個人的な基準:「自分の目で見た」というような、自分の体験。

・ 外部の基準:「みんながそう話してくれたよ」、「ダンスニュースで読んだよ」、「先生が教えてくれました」といった、第三者の体験。

・イメージの基準:自分自身に対して抱くイメージが元になります。

 

 

テーブルを例に話しましょう。テーブルの平らな天板は、その下の脚に支えられています。それと同じように、あなたが抱く確信も何らかの確認が必要なのです。その確認とは、実際の経験から得られた証明とか、あるいは、製造元からの権威ある保証書のようなものです。テーブルの脚がしっかりしていればテーブルが安定するように、その確認が強ければ強いほど、信念は強固なものになります。

 

― 自分の信念の限界を尋ねてみなさい。

― 信念とは、あなたを丸ごと占領している確かな感覚です。

― 信念にいたる三つの基準とは、個人的なもの、外部的なもの、イメージ的なものです。

 

自分の未来に起こって欲しいことを具体的に視覚化することを学びましょう。他の人があなたに求めることではなく、あなたが何をしたいかを考えましょう。

 

私はダンサーの皆さんがあらかじめ限界を定めているとは思っていません。そうしたものを定めていたとしたら、限界のことを思うだけで、信念は限界に捕えられてしまうのです。特に、外部からの意見で築かれた限界の場合はそうです。

 

歴史上には様々な偉人が登場しますが、ミケランジェロの場合、彼がバチカンにあるシスティーナ礼拝堂(Sistine Chapel)の天井に水平に絵を描こうとしたとき、人々から不可能だと言われました。でもどうでしょう。できるという信念を持って4 年を費やし、それを証明したのです。もし、ミケランジェロが他の多くの人たちの考えに動かされていたなら、私たち現代の人たちは、彼の傑作を堪能することができなかったでしょう。そうした偉人たちの確信は困難を乗り越えてきたのです。彼らにはゴールが見えていたのです。自分が行なおうとしたことに対し、それが実現したところが見えていたのです。ですから、他人が不可能と思ったことも成し得たのです。

 

あなたも自分の限界を決めてはいけません。制限を設けたり疑いを持ったりせずに、自分の夢が叶えられることを信じなさい。夢が実現すると信じること ― それが成功した人に共通の基本原理です。

 

世界を転戦しているダンサーたちと話をするとき、彼らの言葉から、なんと自分たちに制限を設けているのだろう、と思うことがしばしばあります。そうした人たちは、期待した結果を得られないことに納得し、競争相手を破れないことに納得しつつも、そこそこの目標には到達したいと思っていることが感じ取られます。

 

しかし、ポイントはここにあります。もし、できないと自分を納得させてしまったなら、できなくなってしまうということです。ですから、夢を叶えるためには、できることは何でもやる覚悟を持ちなさい。強く自分の可能性を信じ、自信を失ってはなりません。できない責任を、決して他になすりつけないことです。

 

好結果を出しているカップルを観察すると、そこには競技の結果以外の共通項が見出せます。つまり、全員が自分たちのしていることを信じているのです。何をしていても、その重要性をしっかり認識できているので、そのことが誰よりも彼らを強くしているのです。そして、更に固い決意が作り出されるのです。

 

信念は態度を支配し、態度は具体的な行動となって結果をもたらします。ちなみに、良い結果であろうと悪い結果であろうと、それは自分の信念が結んだ果実です。私だって、何か目標を立て、それができると信じることも、できないと信じることもできます。どちらを信じようとも、同じ力が働きます。ですから、問いかけてみませんか?

 

「自分はどちらを信じようか」と。

 

あなたは、ゴールに到達するのに役立つと思われる信念を選択しなければなりません。それを選択すると、様々なチャンスが訪れ、結果という形に変わって現われます。

 

― こうありたいと思う未来を心に描き、そうなることを確信しなさい。

― ゴールを心に描きなさい。困難を描くのではありません。

― 実現したところを心に描きなさい。挫折したところではありません。

― 夢を叶えるために、すべきことはなんでもやる覚悟を持ちなさい。

― しっかり納得すれば、強くなれます。

― 確信すると振る舞いが変わり、結果がついてきます。

― 何を確信するか、それを選択しなさい。

 

信念を持ちなさい。信じなさい。貫きなさい。

情熱をもって取り組みなさい。

(M. ジョルジアンニ)

 


(「MT16 第3章 信念」つづく)