G004 スージー・キューの語源にまつわる話

投稿者: | 2020年2月19日

G004 スージー・キューの語源にまつわる話

2017年、別のブログで3回に分けて取り上げた話を 、一つに整理して残します。

 

■その1 メレンゲの中に

2001年、都内でサルサを習い始めてすぐに教わったのがシャインで踊るこの「スージーQ」。今回、この話題を上げた理由は、「社交ダンスの踊り方」(玉置真吉著/大泉書店 昭和33年発行)を読んでいたら、メレンゲの項に出ていたからです。

あの頃の日本のダンスの本にメレンゲが紹介されていたことにも驚きますが、シャインでしか知らない「スージーQ」を組んで踊っているのです! これは記録しておかなくては!と思いました。そして、もしかしたら、このブログの読者にスージーQに関心を抱いている人がいるかも知れないと思い、記録してみました。

 

 

 

■その2 曲名から
「私のダンス用語ノート」(神元誠・久子著/自費出版/2010年)を準備していた頃、「スージーQ」の由来を調べましたが、まるで分かりませんでした。友人の英国人が「俺の友達は調べるのがうまいぞ」とすぐさま電話してくれましたが、やはり、何も得ることができませんでした。

ところが昨日(2017年7月)、玉置真吉氏の本についてブログに記録しておこうとしながら、一瞬、ネット検索すると、「スージー Q の名はこの曲名に由来する」と出てきたのです。それが、この “Doin’ The Suzie Q“!

一歩前進した気持ちでうれしいです。

 

 

■その3 彼女がその人!

ステップ名が “Doin’ The Suzie Q” から来ているらしいことが分かりました。
では、スージーは誰のことか、’Q’ は何を意味するのか……?

こうした疑問の答えが新聞の死亡欄にありました。

2008年9月21日のアメリカの新聞「The Salt Lake Tribune」紙の死亡欄に、スージ-・ジェーン・ドワイヤー(Susie Jane Dwyer 4/24/1915 – 9/17/2008)さんが17日に他界したとあり、「Doin’ the Suzie Q’」は彼女のために書かれたと書いてあります。そして、彼女の旧姓がキューリー(Quealy)であったことも! 

つまり、この曲はスージーがまだ独身だった頃に書かれたので、旧姓の Q を使ったのです。遂に「スージーQ」の疑問が解けとても幸せな気分です!

(Susie Quealy  写真は死亡欄から転載)

 

年頃の金髪で青い目のスージーはとても美しくサンフランシスコでは憧れの的だったようです。彼女にはやはり美人の半姉妹がおり、夜な夜なホテルで踊り過ごしていたとのこと。

 

  出典:
https://en.wikipedia.org/wiki/Suzie_Q_(dance_move )
・http://www.legacy.com/obituaries/sfgate/obituary.aspx?n=susie-jane-dwyer&pid=117734314

【追記 2021/11/07】今日死亡記事にアクセスすると以前のものから形式が変わっていました。万が一のことを考え、今日見た記事を貼り付けることにします。

 

■その4 ”Doin’ The Suzie Q” の作曲者は

最後に ”Doin’ The Susie Q” の作曲者  Lil Harding Armstrong についても知ったことを記録しておきます。

 

ハーディンはルイ・アームストロングの2番目の奥さんで、1920年代、二人は数多くの作品作りに関わりました。1971年、ルイ・アームストロングが亡くなると彼女は大いに動揺し、翌月、ルイ・アームストロングの追悼コンサートがTV中継されたとき、ハーディンはピアノ演奏の最中に倒れ1時間後に亡くなりました。そして、彼女の葬儀が終わると、彼女が保管していた手紙や自叙伝の原稿が自宅から消え失せていたということです。

もう少し詳しくはこの音楽を投稿した人のコメントを参照ください。

 

”スージーQ” についてはこれで終わります。

 

ハッピー・ダンシング!