拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」、今回は最終話です。
MA63 第6章 知って得するあんな話こんな話10話
(第10話)基礎の考え方
【質問】
基礎をやりたい私と、もう基礎は十分と言うリーダー。ありがたいことに昇級はできたので基礎も身についてきたのかなと思っています。けれど、まだ足りないと思う私。基礎のゴールはどこでしょうか。いくら練習しても納得できずスランプに陥らないかと不安です。(女性)
◇ ◇ ◇
ある程度踊れるようになると、「基礎は覚えた」からベーシック・ステップをやってもしょうがないと考える人がいます。そして、もっと複雑なアマルガメーションをたくさん習わなければ上達しないと。
気持ちは分かります・・・・・・。
でも、もしそうなら、なぜ世界のトップ・ダンサーたちがフェザー・ステップやルンバ・ウォークを繰り返し練習し続けるのでしょう? 元世界チャンピオンは、スローのレクチャーで、「フェザー・ステップはもっともお金がかかっているフィガーでしょう」と話しているくらいなのに・・・・・・。
基礎は初心者の段階で終わったと考える人は、基礎をピラミッド型と捉え、「基礎=土台」のように考えているのかもしれません。
小学校で算数を覚えたら、中学や高校で勉強する必要がないように、学問の分野ではそのような考え方ができます。でも、体で表現する分野には向きません。世界で活躍するバレリーナが、「バーレッスンは初心者のときに終わっている」と言わないように。
ダンスの基礎をコイルのように考えてみましょう。「技術」と言うコイル線が「基礎」と言う軸をぐるぐる巻いているのです。
軸の下の方は初心者の基礎、上の方はトップ・プロの基礎と……。だから、私たちのベーシックとトップ・プロのベーシックは違うのです。
基礎はいつまでも練習を要するダンスの要。
一度覚えて済むピラミッド型ではありません。
(「第6章 知って得するあんな話こんな話10話(第10話)基礎の考え方」おわり)
ハッピー・ダンシング!