ビクター・シルベスターのモダン・ボールルーム・ダンシングからお届けします。
訳者のノート
訳者のノート
1.翻訳を補助する目的で、訳者自身のために作成したものとご理解ください。
2.後の検索を容易にするため、出典を明記しました。主なものは次の通りです。
【辞書】 広辞苑、ジーニアス英和辞典
【EN】 MSN Encarta
【SS】 StreetSwing.com.
【WP】 Wikipedia
【VT】 Virginia Tech Multimedia Music Dictionary
3.原書にある人名、地名、ダンス名、曲名などは、辞書やインターネットで検索し、既に日本語表記されているものを優先し、見つけられなかったものは適訳と思われるものを使用しました。
■5つの足のポジション: バレエの1番から五番の足。
■アルマックス(Almack’s): Almack’s Club。紳士クラブと集会場を備えたクラブで1765年に創立。クラブ名は所有者の名ウィリアム・マコール(William Macall)のマコールをひっくり返して(Macallà allmac)つけられた。上流階級の大舞踏会が開かれた場所で、そこに参加できることは社会的地位の高さを保証するものだった。【WP】
■アントルシャ(entrechat): バレエ用語。跳ね回る意味。
■ウエスト・エンド(West End): 英国ロンドンの中心部シティより西側の地域。裕福な人々の邸宅・高級ホテル・大使館が立ち並びピカデリー、ボンド・ストリート、オックスフォード・ストリートを中心に高級ショッピング街・劇場・レストランがある。 http://www2.alc.co.jp
■エンプレス・ルームズ(Empress Rooms): ロンドンのホテル。
■オーケソグラフィー(orchesographie): 音楽体系、舞踏記譜法
■カーニバル・クラブ(Carnival Club): 1926年、ロンドン、ソーホー地区ディーン・ストリート(Dean Street)にオープン。
■カドリール(quadrille): 4人が組になって踊るスクエアダンス。【SS】
■カブリオル(cabriole): バレエ用語。跳躍の意味。
■カミール・デ・ライナル(Camille de Rhynal): ヨーロッパで知られている最初のダンス競技会は1907年、ライナル氏がニースで開催したタンゴ・トーナメント。これはパリでも再演。振付師、ダンサー、作曲家であり、大ビジネスの嗅覚も優れていました。ニースの成功に勇気づけられ、1909年パリにて第1回ワールド・チャンピオンシップを開催。現在のものとの比較はできないものの、大変興味深いです。 http://www.danceuniverse.co.kr
■カルロス・クルズ(Carlos Cruz): 1923年のダンシング・タイムズに彼の書いた「ロンドンダンス事情」の記事が掲載された。1925年、「モダン・ボールルーム・タンゴ」を出版。 http://tango.club.fr/bibli_f.htm
■カレッジアット・ウォーク(collegiate walk): フォックストロットに非常に良く似ている踊り。 *カレッジアットは「大学生の」「団体の」の意味。【SS】
■ガウチョ(gaucho): 南米のアルゼンチンやウルグアイなどのパンパで野生牛を捕獲したカウボーイ。【辞書】
■ガボット(Gavotte): ルネッサンス・ブランに起源すると考えられている16~18世紀の踊りで、田舎の踊りと思われていりました。【VT】
■ガリアルデ/ガリアル(galliarde): パバーヌの踊りを追従、補足した生き生きとしたルネッサンス期の踊り。3/4拍子。この踊りの名はフランス語gaillar(陽気な、浮かれたの意味)から来ています。【VT】
■キャメル(camel): 主に1910年、20年代のジャズ世代の大学生や当時、服装や行動が型破りだった若い娘達の踊り。ゆっくりの曲で始めから終わりまでフォックストロットのウォーキングをジグザグ方向や回って動きました。【SS】
■キャルロ・ブラシス(Carlo Blasis):( 1795~1878)イタリア生まれ。フランスでバレエのレッスンを受けた。1820年、クラッシック・バレエの技術を編纂した。振付師、理論家としてその名を残す。
■キャンター(canter);シンコペーティド・キャンター、アパッチ・キャンターなどがあったようです。踊り方や踊りについての説明は見つけられませんでした((*77参照)。馬の歩き方が踊りにも使われているので、まとめて見ます。【辞書】
・ゲイト(gait): 足並み
・ウォーク(walk): 並足
・アンブル(amble): アンブル
・トロット(trot): 速歩。フォックストロットの略。
・ペース(pace): 側対歩(名時側の足を同時にあげおろしてスリー・ステップ駆歩法)
・キャンター/カンター(canter): 速歩と駆け足を混合した歩き方。
・ギャロップ/ガロップ(gallop): 馬が一歩ごとに四歩ともに地上から離してかける、最も速い駈け方。騎乗疾駆。
■ギャロップ(Galop): 19世紀初期から行なわれている馬の駆歩を模した2/4拍子の旋回舞曲。【辞書】
■クラッシュ・ダンス(crush dance): ブルースの別名。クラッシュは「押しつぶす、ぎゅうぎゅうに押し込む、ひしめく」意味。リズム・ダンスと同じで、リズムダンスはスローの曲で踊るスロー・リズム(ダンス)と速いテンポで踊るクイック・リズム(ダンス)があり、次の章で紹介されています。【辞書】
■クロッグ・ダンス(clog dance): この踊りはフォークダンスのさきがけと言われており、タップ・ダンスにも影響を与えました。最も難しいアイリッシュ・クロッグでは15秒間に70回以上床を打つものもあります。この踊りでは顔や列の表現は大切ではなく腕も動かしません。19世紀に行なわれたコンテストでは審査員達は舞台裏か、舞台下に座し、音のみで判断したそうです。もともとクロッグと呼ばれる木の靴が使われて、後には木底の靴に変わりました。【SS】
■グローヴ音楽辞典(Grove’s Dictionary): Grove’s Dictionary of music and musiciansの事。初版は1878年―1890年。12,000項目をカバーしている。【WP】 (日本語の復興版は10万円近い値段がします。)
■ケーキ・ウォーク(Cake Walk):
- 1850年頃、アメリカ南部の大農園で「チョーク・ライン・ウォーク」と知られていた踊りが1895―1905年にケーキ・ウォークとして流行。1915年に再燃。フロリダのアフリカ系アメリカ人奴隷がセミノール族インディアンのカップルが厳かに歩く姿からアイディアを得た。のけぞる等の特殊な動きがある。【SS】
- 最も上手にできたものには賞としてケーキが贈られた。【WP】
■ケイパー(caper): 英語の意味は(陽気な)跳ね回り、悪ふざけ。【辞書】
コクラン(Charles B. Cochran): (1872-1951) プロデューサー。多くの卓越したミュージカル・コメディアンを見出し、プロモートした。http://www.musicals101.com/who2b.htm
■サンシャイン・ガール(The Sunshine Girl): 1911年、ポール・アルフレッド・ルーベンス作。ロンドンのガイアティ劇場で開幕。主演のフィリス・デアは、エドワード(プロデューサー)時代における最も人気のあったピンナップ俳優でした。このミュージカルで初めてタンゴが英国に披露されました。【WP】
■サントス・カサニ(Santos Casani): ロンドンはオクスフォード・ストリートを走っているタクシーの上でパートナーとチャールストンを踊り、センセーションを起こしました。リージェント・ストリートに大きな学校も作り、どんな状況下でも最大の宣伝効果を得る賢い実業家でした。http://www.dance-.co.uk
■シミー(shimmy):
- 1920年代に流行したジャズダンス。上半身とシュミーズを震わせて踊る。【辞書】
- シミーは、歌うとき決して体をじっとしていられなかった歌手、ギルダ・グレイ 1901-1959)に由来するとも言われています。彼女は歌いながら肩を動かし、聴衆もそれを愛しました。彼女が肩を震わせるとシミー(シュミーズ)も震えました。ニューヨーク・タイムズは、見ていた後援者が歌の最中に「それはなんと言うダンスかね?」と叫ぶと、「私はシュミーズを震わせているのよ」と応えたと、伝えています。【SS】
■シャッセ・ア・トロア・パ(chassé à trois pas): スリー・ステップ・シャッセ
■シャッフル(Shuffle): 足を引きずって歩く意味。【辞書】
■ショティッシュ(Schottische): 1850年頃流行したドイツの演舞。ポルカより幾分遅い。正式な踊りはスコットランドのスコティッシュだが、ドイツの人たちはなぜかショティッシュと呼んだようです。【SS】
■シラバス(syllabus):「概要、要旨」の意味の英語。例えば、「ルンバ、ブロンズメダルのシラバスは、アレマーナ、ナチュラル・トップ、ファン・・・」などと、使用されるフィガー名を網羅して使います。
■シリル・ビューモント(Cyril Beaumont): 世界的に名高いダンス歴史家。
■シンク・ペース(cinq pace)/シンク・パー(cinque pas): ガリアル、トルディオン、サルタレーロのようなエリザベス朝の踊りに見られるベーシック・ステップのパターンを指す。また、ガリアルの踊りの同義語としても使われる。【VT】
■シンコペーション(syncopation): 1小節内の弱拍あるいは弱部を強調するリズムの取り方。ひとつは同じ高さの弱拍の音と強拍の音が音符やタイで結ばれ、本来の拍の強弱が入れ替わったもの。もう一つは、1拍内で起こるものも含めいろいろな種類がある。ジャズではスウィング感を出すために多用される。 http://imion.jp/
■ジタバグ(Jitterbug): スイング音楽にあわせて踊る奔放なダンス。ジルバ。【辞書】
■ジョージ・エドワーズ(George Edwardes): (1855-1915) ミュージカル・プロデューサーとして実に多くの作品を残し、英国ミュージカル・コメディの牽引役。作品タイトルには通常‘ガール’の言葉が入っており、「ショップ・ガール」、「ゲイシャ」、「ザ・ガール・フロム・ユタ」などがある。 http://www.musicals101.com
■ジョージ・グロースミス(George Grossmith): 1910年頃、パリ人のダンス・インストラクター、カミール・デ・ライナルはタンゴの隠し立てのない性的表現に変更を加えた。1916年頃ロンドンでは、グロースミスとデアの英国人ダンスチームが新しい形のタンゴを、ヒット・ミュージカルの“サンシャイン・ガール”で披露。一夜にして、ヨーロッパ全土はタンゴで埋もれました。 http://nfo.net/usa/tango.html
■スイング(Swing): ジャズ演奏における躍動的調子やリズム感。特に、1930年代のベニー・グットマンらの演奏様式を指す。【辞書】
■スケーティング・ワルツ(Skating Waltz): イナモラータの曲で一人で踊るワルツ。しかし他のワルツの曲でも踊ることができます。【SS】
■ソーンター(saunter): ぶらつく、のんびり散歩すること。【辞書】
■ソン(Son): 多くの音楽歴史家はキューバのソンが現代のサルサのバックボーンであること、そしてまた、20世紀初頭において、キューバ発祥のダンス音楽ジャンルの中で最も人気があることに異論は唱えないでしょう。ソンは1800年後期、キューバ東部に位置する山岳のオリエンテ州で生まれました。アフリカ系キューバ人の農村労働者に人気あるダンスとして始まり、打楽器のみで演奏されました。また、ソンはドラムに素手を使った最初の音楽ジャンルとも考えられています。音楽歴史家のバーノンボッグスは、ソンには数多くのアフリカ音楽の影響が(シンコペートのリズムや基礎を成すパーカッションとなんら脈絡のないメロディー・ラインなどを含む)残っているといいます。 http://www.salsacrazy.com/salsaroots
■ターキー・トロット(Turkey Trot): 1909年頃サンフランシスコで作られたというのが定説。大衆受けを狙った動物をもじった最初のダンスと思われている。あまり品が良くありません。踊りの途中でしばしば七面鳥のように手をパタパタさせるよう推奨されていた所からその名がつきました。多くの人は退廃的な踊りとして禁止しようとし、キャッスルもダンス界からこの踊りを消し去ろうとしましたが、皮肉にも、彼らの人気はこの踊りででました。【SS】
■タンゴ・ティー・パーティー(Tango Teas): 1913年までにタンゴはパリ、ロンドン、ニューヨークで人気を博す国際現象と化ししました。タンゴ・ティー・パーティーやタンゴ列車旅行が催されタンゴ・カラー(最も知られているのはオレンジ色)まで出ました。http://www.tejastango.com
■ダイアゴナル・ワルツ(Diagonal Waltz): ダイアゴナルは「斜めに」の意味の英語で、現在私達が踊っているワルツの原型。例えば、ナチュラル・ターンは壁斜めに始めて中央斜めに終わる。これ以前のワルツはこの形を取っていませんでした。
■ダッチ・ロール(Dutch Roll): オランダで生まれたスケート滑走術が。両腕を前に組み背筋をそらしぎみにし、片足のアウトエッジで氷上に弧線を描きながら、もう一方の足を後方に伸ばしてバランスを保つこの滑走術は、芸術性のある優雅なフォームが特徴的だった。 http://www.jsports.co.jp/tv/skate/history.html
■ダンシング・タイムズ(Dancing Times): 1894年創刊のダンスを記事とする最古の月刊誌。
■チャールストン(Charleston): 長い歴史があると思われる。ブランもこの踊りに似ている。ダンス歴史家はアフリカの、シャンテ族が創ったと考えている。チャールストンはラグタイム-ジャズの時代に世界的になった。一連のステップは南カリフォルニア、チャールストン近くの小さな島に住んでいたアフリカ系アメリカ人が考案したと考えられています。【SS】
■チャビー・チェッカー(Chubby Checker): 60年代に新種のダンス、”ツイスト”を世界中で流行らせた張本人。ブームの火点け役となった「The Twist」(60年)を始め、「Let’s Twist Again」「Twistin’ USA」「Slow Twistin’」などなど、ヒット作はほとんど”ツイスト”尽くし。ツイスト物の映画も2本撮っているというから、いかにその人気が凄まじかったか想像できるだろう。http://music.goo.ne.jp/artist/
■ツー・ステップ(Two-Step): オリジナルのツー・ステップは1891年、ジョン・フィリップ・サウサの“ワシントン・ポスト・マーチ”の発表と共にやってきた。ツー・ステップは“バルセ・ア・デュ・テン”から派生し、前方や横への一連のシャッセから成り、一歩一歩をスキップした。音楽は2/4か4/4(基本はクイック・クイック・スロー)。ラグタイムの突然の台頭でツー・ステップは衰えたが、幾つかのパターンが今日のフォックストロットに残っている。【SS】
■デイリー・スケッチ(Daily Sketch): 全国版タブロイド紙。サー・エドワード・ハルトンが1909年マンチェスターで創立。1971年、デイリー・メールに合併されました。【WP】
■トゥインクル(Twinkle):(踊る人の足などの)軽快な動きの意味。【辞書】
■トドゥル(toddle): 戦利品を振るダンスだった初期のトダロ(toddle)から派生したかも知れません。1917年に入り非常にポピュラーになりました。フォックストロットの滑らかで優雅な踊り方より、少し弾みをつける方が易しいことに気づき、(コルテとダブルズと呼ばれるステップを除き)ステップする毎にボールにライズし、横方向へ出ました。*よちよち歩く、ぶらぶら歩く意味。【SS】
■トラップ・ドラム(Trap Drum): ドラム・セットのこと。
■ドラッグ(Drag): 足を引きずる、のろのろした動きの意味。【SS】
■ドロップ・スリー(Drop Three): アイスダンスにドロップト・スリー(Dropped Three) と言うのがあり、それでは「ほとんどずぐ次の足に乗り換えるスリーターンで引き寄せられたフリーレッグは、そのままの位置で氷上に降ろされる」との説明がありました。これと関係あるのだろうか? http://www.geocities.co.jp/
■ニーズ・アップ・マザー・ブラウン(Knees Up Mother Brown): 同名のわらべ歌にあわせて踊るようです。意味は、「膝を上げて、ブラウンお母さん」【SS】
■バーン・ダンス(Barn Dance): 1860年代にスコットランドで発生。田舎の人やや貧しい人たちが踊ったアメリカのフォークダンスの総称。通常小屋(バーン)の棟上や、結婚式、誕生日、訪問客があった時に行なわれ、後にアメリカのスクエアダンスと一緒になった。【SS】
■バタフライ(Butterfly): 牒の意味。踊りに関する情報は見つけられませんでしたが、英語の意味として「次々と移動する」の意味があります。踊りに関係有りませんが、単語の前半に「バター」が含まれていますが、これは「バターのようなものを排泄する虫」が語源とあります。)【辞書】
■バッセ・ドンス(basse danse): 優雅で荘重な宮廷ダンス。西暦1400―1600年頃の初期ルネッサンス期における。当時他の踊りに見られた早いステップや跳び上がることがありません。パバーヌの踊りの前身。【VT】
■バニー・ハグ(Bunny Hug): 1911年頃サンフランシスコで作られたといわれており、雄と雌のうさぎの交尾を真似た踊り。かなりエロチックに押し付け、揺り動かし、くねくねさせながら、スロー・テンポのブルースで踊るため、上品な社会層では大騒動となりました。*バニーはうさぎ(ラビット)の幼児語。ハグは抱き合うこと。【SS】
■バルセ・ア・デュ・テン (Valse à deux temps ): (duexは仏語で2の意味ですが)このステップは2歩ではなく3歩。当時のギャロップと同じ踊りでしたがワルツの音楽で踊るためアクセントの置かれる位置が違いました。このワルツは1830年代にウィーンの宮廷でデビューを果たし、1850年代にとても流行しました。【SS】
■パバーヌ(pavane): 16世紀に流行した優雅な宮廷舞踊。【VT】
■パレイ・デ・ダンス(Palais de Danse): 仏語でダンスホールのこと。このホールはハマースミス・パレイという名前でした。
■ヒービー・ジービーズ(Heebie-Jeebies):
- 非常にナーバスな気持ち、極度の神経過敏、ビクビクした状態、イライラした状態、おじけ【語源】米漫画家 Billy DeBeck の連載漫画「Barney Google and Snuffy Smith」からの新語。 http://www2.alc.co.jp
- 1926年頃ダンスと歌がありました。この言葉はアメリカ・インディアンが人身御供の前に歌った歌と言われています。*踊りについては不明でした。
■ビギン(Beguine): ルンバを遅くした踊りに似ていて、1930年代に僅かに流行しました。グアドループ島とマルチニク島で発生。マルチニク・ビギンはゆっくりとした、密着型のダンスでヒップをロールさせます。もしコール・ポーターがビギン・ザ・ビギンを作曲しなければカリブ海を越えた所の人々は思い出すことはなかったでしょう。
■ファーラナ(Furlana): 踊りの間カップルはいちゃついたり、説得したりの求愛のまねをします。最後に二人してひざまずきハンカチを上げます。【SS】
■フィッシュ・ウォーク(Fish Walk):
- フォックストロットは、それ以前のダンスとしては‘ホース・トロット’や‘フィッシュ・ウォーク’との名で知られていました。 http://nfo.net/usa/dance.html
- ビクトリア女王が1901年に亡くなると、多分に社会全体はより自由を感じ、よりエネルギッシュなダンスに没頭しました。そしてシンプルな一連のダンスが白人社会でも流行し始めました(ヤンキー・タングル、グラインド・アンド・ムーチなど)。動物の名前を付けたものもおおくありました(クラブ(蟹)・ステップ、イーグル(鷲)・ロック、フィッシュ(魚)・ウォーク、バニー(うさぎ)・ハグなど)。現在のジャイブにもバニー・ハグはスタンダード・ステップとして残っています。こうした踊りは全部、2拍目と4拍目にストレスをつけ、シンコペーションしたラグタイム音楽で踊りました。こうした踊りには、皆同じ要素がありました。それは、カップルでウォークし、ロックし、スウープし、バンスやスウェイをしたのです。多くの人はクローズド・ポジションは」とてもみだらと考えていたため、ボディ・コンタクトを防ぐため、バンパーのような防御服を身につける女性もいました。 http://www.colleenmurray.com/latin.html
■フランク・フォード(Frank Ford): 1922-1929年の間、ジョセフィン・ブレイドリーとデモをし、スロー・フォックストロットのベーシック・フィガーの開発を行ないました。そうした技術を用いモリー・スペイン(Molly Spain)と出場した1927年のスター選手権に優勝。彼が使ったフィガーの多くは今日の競技会でも使用されています。 http://www.danceuniverse.co.kr/style.htm
■ブーンプス・ア・デイジー(Boomps-a-Daisy): ①二人向かい合って手を合わせ ②自分の膝に手を置いて ③お尻をぶつけ合う ④それぞれにキックしてからターンする - こうした歌と振り付けを解説したステップシート(1927年)をインターネットで見つけました。【SS】
■ブギウギ(Boogie-Woogie): ビアノによるブルース奏法のひとつ。もとアメリカ黒人音楽。4分の4拍子で書かれた曲の1小節を8拍にとって演奏する。【辞書】
■ブラック・ボトム(Black bottom): 基本的に一人で踊るダンス。主にオフ・ビートで踊り、現在のタップ・ダンス音楽のフレーズ構成はこれが原型となっている。踊りの特徴は前後にホップしながらお尻(ボトム)を叩いたり、両足を踏み鳴らしたり、ホディと腰を旋回させたりします。時としてヒールからトウを使いすくい上げる、当時としてはとてもエロチックな動作を使いました。【SS】
■ブラン(branle): 4/4拍子の明るいオールド・ダンスで通常、ルネッサンス期に人気のあった宮廷ダンスをさす。たくさんのカップルが参加し、あるもの達は列で、またある者達は輪になって踊りました。【VT】
■ヘジテイション・ワルツ(Hesitation Waltz): 1880年頃のボストン・ワルツの変種で、音楽の途中で休止するヘジテイションが使われた所からその名が付いた。このヘジテイションに加え、背骨や脚が折れそうなひねりがどんどん加わり一般の人には難しくなりすぎ、長くは続かなかった。
■ベレータ(Veleta): アーサー・モリス氏が考案し作曲もした。1800年後半最も人気のあったスクエアダンス。1929年のブラック・プール大会ではアマチュア種目としてもあがった。
■ペルギニ/マーク・ペルギニ(Mark Perugini): ダンスとバレエの野外劇(Pageant of the Dance and Ballet)1935年初版
■ホース・トロット(Horse Trot): 1910年代に流行、1914年頃には人気が落ちました。2/4拍子のラグタイムで、非常に元気な曲を使用します。ベーシック・ステップはケーキ・ウォークに非常に良く似ており、足は飛び跳ねるように持ち上げます。前進、後退と左右への回転を伴い、静止ステップとして、足を横にカットし、右足後退する一連のディップが頻繁に使われた。
- キャンター・ムーブメントはホース・トロットで使われました。これでは、男性が左足で飛び上がり(1)、右足後退してディップ(2)、左足(3)、右足(4)と後退のトロットをします。これを何回か繰り返すと、キャンターにかなり似たものになります。
- カンガルー・ディップも良く使われたステップのひとつです。男性後退、女性前進の一連のディップを行ない、これがカンガルーの動きに似ていました。
*ディップとは何かをちょっと下げてまたすぐ上げる動きです。【SS】
■ホップ・ワルツ(Hop Waltz):(1820年代に一時流行し1856年に再び流行)この踊りはレドワという踊りに変更を加えたもので、1歩目と4歩目は滑って行かず跳び上がります。1歩目ではバレエのジェテやフェッテのように跳ね上がり、2、3歩目は走ります。【SS】
■ボカ(Boca): 鮮やかなペインティングの家々があるカミニートで知られ、アルゼンチンタンゴの発祥の地と言われている。世界の強豪サッカーチームボカのスタジアムもある。
■ボストン(Boston)/ボストン・ワルツ: もともとボストンと呼ばれていたアメリカのワルツ。1834年、ダンス教師のロレンゾ・パパティノがボストンで始めて紹介した所からその名が付きました。彼はオティス・ビーコン・ヒル嬢に雇われ、彼女の邸宅で踊りを披露するよう依頼を受け、当時使われていたものよりずっと緩やかなテンポで滑らかな動きのワルツ(1小節で3歩)を踊って見せました。【SS】
■ボリウッド・ダンス(Bollywood Dancing): インドはアメリカに劣らず映画産業が盛んで、なかでも、ミュージカルがその中心となっている。産業の中心地、ボンベイは、ハリウッドとひっかけてボリウッドと呼ばれる。そのボリウッド発のダンススタイル。アメリカで受け入れられているのは、インド映画に見られるエキゾチックで感情表現的な動きや、伝統的なインドのフォークダンスのステップをジャズ、ヒップホップ、ファンクなどの西洋音楽にミックスさせていて、新しさを感じさせているからだという。 http://www.amurecords.com
■ボルタ(volte): プロベンスで発生したルネッサンス時代の宮廷ダンス。踊りの特徴は3/4回転をし、ジャンプをしたり男性は女性をリフトとしたりします。ガリアルに似た踊り。【VT】
■ポール・ホワイトマン(Paul Whiteman): (1890―1967)クラッシック音楽のバイオリンとビオラ奏者としてスタート。1920年後半から1930年前半、ジャズの王様とみなされました。
■ポルカ(Polka): ボヘミア生まれの陽気なボールルーム・ダンス。19世紀に大人気を博した。【SS】
■マクスウェル・スチュワート(Maxwell Stewart):
- ダブル・リバース・スピンの発案者。1922年から始まったワールド・ダンシング・チャンピオンシップにおいて1924年、1925年と優勝。この時のパートナーはミス・バーバラ・マイルズ(Barbara Miles)。1926年はミス・パット・サイクス(Pat Sykes)をパートナーに三度優勝。1回目の優勝者は著者のビクター・シルベスターでパートナーはミス・フィリス・クラークとなっています。
- 彼もシルベスター同様に楽団を持っていたようです。下のサイトにアクセスすると、 彼の楽団の演奏に合わせ、簡単なクイックステップを踏む彼の姿が見られます。また無声になりますが、同じサイトで、1925年優勝直後に撮影されたワルツ(現在のよりかなり速いテンポ)やチャールストンを取り入れたフォックストロット(今のクイックステップ)、やフォックストロットも見る事ができます。当時のダブル・リバース・スピンがみられます。 http://www.itnarchive.com/britishpathe/
■マシューシュ(Maxixe): 別名ブラジリアン・タンゴ。1870年代にリオ・デ・ジャネイロで生まれサボテンのとげからその名がつきました。ポルカやハバネラにルーツを持ち、マシューシュの原型はツー・ステップとタンゴのある種のステップの混合で、それにつなぎのパターンが入っていた。キャッスル夫妻は自称ブラジリアン・マシューシュを踊り、それはサンバに似たものでしたが、タンゴのように踊るダンサーもいました。マシューシュを踊るには、頭と腕を静かにし、特にバウンスをしないよう注意が払われました。【SS】
■マズルカ(Mazurka): 陽気なポーランドの踊りで3/4か3/8拍子の曲で、通常2拍目か3拍目にアクセントがくる。18,19世紀に人気があった。【SS】
■マチネ(Matinée): 仏語。(演劇、恩沢などの)昼興行。【辞書】
■ミー・アンド・マイ・ガール(Me and My Girl): このミュージカルは1937年、ロンドンのビクトリア・パレス劇場で公演された。主演はルピノ・レーン。1646回の公演を行ない、ショーの間に行なわれたランベス・ウォーク(歌と踊り)は演技を中断させるほど長い喝采をうけた。踊りの最後にコックニー(ロンドン下町の人)の言葉で「オイ」と叫びますが、観劇されたジョージ国王とエリザベス女王も他の観衆と共に「オイ」と叫びました。【WP】
■メヌエット(Minuet): ゆっくりとした3拍子の踊り。フランスで発生し18世紀終わり頃まで貴族達に最も好まれた踊り。【VT】
■ラグ(rag)/ラグタイム(Rag-time): 19世紀末から20世紀初頭にかけアメリカで流行した音楽のジャンル。19世紀、ミズーリー地方の黒人ミュージシャンがブルースを基本に独自の演奏法を編み出し、これが従来のクラシック音楽のリズムとは違う「遅い」リズムと思われた事から 「ragged-time」略して「ragtime」と呼ばれるようになった。リズム的特長としてはシンコペーションと呼ばれるリズム構成が主体で、これは拍の弱部を強調する事によって、従来のクラシック音楽とは異なる印象を与える事ができる。音階的には音階が上がるとき(アップビート)よりも下がるとき(ダウンビート)のときに拍が強調され、これは「裏拍の強調」とも呼ばれ、聴く者に意外感を与える効果を持つ。また「シンコペーション」の別定義では「中間音の省略」といった記述もあり、これは小節の間、もしくはその終わり、あるいは小節から小節へ移るとき、休止符を置く、または音符そのものを省いてしまうことにより、リズムにスピード感が増し、それが結果的に曲そのもののスピード感を増すことにもつながる。この「裏拍の強調」はその後の「ジャズ」にも受け継がれ、今日のロックやポップスなどのポピュラーソングの基本として、その手法は健在である。http://www.ragtime-betty.com/001a.htm
■ランサー(Lancer): カドリールの一種。【SS】
■ランベス・ウォーク(Lambeth Walk): 踊り方はボールルーム・ダンシング(アレックス・ムーア著)にあります。同名の訳本が白夜書房(中村茂之氏翻訳)から出ています。
■リチャードソン(P.J.S. Richardson): ダンシング・タイムズの編集者。【WP】
■リュリ(Lully): ジャン・バティスト・リュリ(1632-1687)。フランスのオペラを確立した作曲家。
レントラー(Ländler):通常3/4か3/8拍子の素朴なカントリーダンス。もともとレントラーはゆっくりとした踊りで、ホップしたり足を踏み鳴らしたりしていましたが、更に早いテンポでさらにエレガントなボールルーム・ダンスへと発展しました。ワルツの前身。 【VT】
■ロータス(Lotus)、シロズ(Ciro’s)、400: 踊る場所の名前。400の場合、店の番地をそのまま使っている可能性があります。
■ロイヤル・アルバート・ホール(Royal Albert Hall):1871年創立。ビクトリア女王の夫君アルバート公に捧げられた芸術開催のホール。クラッシック音楽やロックコンサート、会議、ダンスなどの他、ボクシング、テニスなどのスポーツも行なわれます。ロンドン中央部サウスケンジントンにあります。【WP】
■ロンデジャン(Ronds de jambs): バレエ用語。脚の長さ一杯に片足を回転させる動き。
■ロンピング(Romping): ロンピングは跳ね回る、走り回る意味。【辞書】
■ワシントン・ポスト(Washington Post): ツー・ステップで踊るアメリカのフォークダンス。【SS】
■ワンステップ(One-Step): 覚えるのも踊るのも簡単なワンステップはアメリカが起源と言われています。ターキー・トロットやグリズリー・ベアなど1910年代の多くのダンスはワンステップに合うよう変更され、時としてウォーキング・ステップと呼ばれることもありました。このアメリカスタイルのワンステップはドッグ・トロット(足のボールを使って踊る)のスタイルで踊られたと言われています。そして徐々に、もともと殆ど同じ踊りだった現代のクイックステップに道を明け渡したのでした。
英国のワンステップ(アメリカのより大人しいタイプ)は1911年にアメリカに紹介され、新しいラグタイムの音楽で踊り、大いに人気を博しました。ワンステップは1912年頃、ヴァーノンとアイリーン・キャッスルにより紹介されたと繰り返し報道されており、彼らは、キャッスル・ウォークでの名の方がよく知られていると言っています。【SS】
暗黒時代(Dark Age):西ローマ帝国の滅亡(476年)から紀元1000年頃までのヨーロッパ中世前期を知的暗黒時代と考えて呼んだ語。ルネッサンスまでのヨーロッパ中世全体を指すこともある。【辞書】
■英国ダンス教師協会(Imperial Society of Teachers of Dancing): 1904年7月25日、ロンドンのコベントガーデンにあるセシルホテルで組織された。1906年に第1回のコングレスが開かれ、8日間に及ぶ技術研修には42名のメンバーが参加。以来今日に至るまで、1915年-1917年の戦時を除き、コングレスは開催されている。ISTDと略されています。
■丘歌: 英語のhill songsを直訳しました。ウィキペディアには中国の客家山歌(Hakka Hill Songs)がでており、参考になるかも知れないと思い書き留めます。
小山の多い地域のため、遠方の人とのコミュニケーションとして使われ、遠方に高音が使われました。詩の内容は恋心を歌うものから、個人的なことや遊びのクイズもあり、応える人は同じようなメロディーを使った歌で応えました。【WP】
■抗議の嵐: 宮廷の踊りはおおむね列をなし、離れたポジションに立ち、堂々と威厳を持った踊りをして農民たちに自分たちの優れた行儀作法や高貴な身分を示しました。ところがワルツでは男女が組んで踊るクローズド・ポジションをとったため、これを見た当時の女性達は、女性に取って恥ずべき(俗悪わいせつ)ことときめつけました。人々は、公共の面前でダンス用の仮面をかぶり、お互いが触れあう踊りに眉をひそめました。こうした背景の中、抗議の嵐が起こり、各地でワルツの禁止令がでたりしました。【SS】
■植民地博覧会(Colonial Exhibition in Paris): 国際植民地博覧会とも。植民地の重要性を認識させるための博覧会で、フランス本国と植民地との貿易の振興と一体感の醸成強化をめざした。
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp/tenjikai/tenjikai2003/chrono.html
■水夫の舟歌(sea shanties/chants): 18世紀から20世紀初頭にかけて、帆の上げ下ろしなどの作業中または休息の間に歌われた。http://www2.alc.co.jp
■絶対音楽(absolute music): 標題音楽に対する用語で、歌詞を持たない音楽の中で、物語その他文学的な何ものか(標題)を音楽で表現しようとする音楽でなく、音楽そのものを表現しようとするような音楽をいう。標題音楽か絶対音楽かでよく話題になる楽曲は、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」である。この曲の各楽章には、文学的なタイトルが付けられているので、一見標題音楽であるが、実際の情景を描写しようとしたのではなく心のあり方を示したものだとされ、絶対音楽であるとされる。【WP】
■中世(Middle Age): 狭義では西洋史における12~15世紀、広義では6~15世紀。 【辞書】
(この項おわり)
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