どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。ここでは第5章「女性のための10の話」を紹介します。
MA49 第5章 女性のための10の話
(第6話)踊りの本質
ダンスの目的や楽しみ方は人それぞれ違うと思いますが、あなたにとってのダンスはなんですか?
「健康に良いから?」
「人と交われるから?」
「楽しいから!」と言う理由しか思いつかなくても、それも立派な答えです。むしろ、それが一番本質的な理由ではないでしょうか。
「楽しいから踊る」、
「だからもっと上手になって、もっと楽しめるようになりたい」。
そう思って私たちはレッスンを受けに行ったりパーティーに出かけたりします。
この「楽しいから」の主語は「ダンス」ですが、それを楽しむのは踊っている私たちですから、あなたが楽しくて、相手も楽しくなければ意味がありません。
誘う立場にある男性には、自分が楽しむ以上に女性に楽しい思いをしてもらえるよう、常に気を配ってもらいたいと思いますが、誘われる立場の女性はどうでしょう? 知らず知らず、「踊らせてもらって当たり前」の考えに陥っていないか、時々振り返ってみましょう。
ダンスは相手がいるからこそ成り立つ訳ですから、相手にも楽しんでもらおうとする気持ちが大切です。自分の踊りの上手下手は関係ありません。
そうした気持ちを持つことがあなたのダンスを豊かなものにしてくれることでしょうし、そこがダンスの本質ではないかと思います。
自分が楽しいだけでは踊りじゃありません。
相手のことを考える余裕を残す――
技術的にも質的にもダンスが向上する秘訣です。
(「第5章 女性のための10の話(第6話)踊りの本質」おわり)
ハッピー・ダンシング!