どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は第3章「スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話」から。「内回りは何もしない」は相手に「何もさせない」ことではありません。
MA32 第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話
(第10話)内回りは何もしない?
「MA19 ダンスの大原則」のページで、二人が組んで回転するとき、内回りの人と外回りの人がいる話をしました。後退する人が内回りで前進する人が外回りでしたね。
「それは分かってるけど、ワルツのナチュラル・ターンで、なぜか、ずれちゃうんだよね」
と悩んでいる人は、この先を読んでください。
ブランコを想像しましょう。
揺れているブランコでは、座板が一番大きく移動し、上の支点に近づくほど移動距離が少ないのが分かります。
上と下では移動距離があんなに大きく違うのに、同じタイミングで動いているのはなぜでしょう?
もうお分かりですね。それは、支点に近い場所ほどゆっくり動き、反対に、視点から遠ざかるほど速く動いているからです。そして座板は一番速く動いています。
この分かり切ったことがダンスでも起きています。
つまり、内回りは外回りよりも移動距離が短く、スピードは遅い。
つまり、大きく動かないのです。
反対に、外回りでは移動距離は大きく、スピードが速い。
もう分かってきたと思いますが、ナチュラル・ターンでのずれには、内回りの人が外回りと同じスピードの感覚で回転しようとするのが、ひとつの大きな原因です。
内回りのポイントを頭に入れておきましょう。
① スイングにおける支点の役割をしている。
② 軸足の上でいつでも回転・移動できる用意をしておき、外回りの人を先に行かせる。
③ 女性の内回りは、何もしないくらいの感じで大丈夫。何もしないと言うと誤解を与えますが、内回りの人のステップするタイミングは、少し遅くて良いのです。かなり上級レベルにいくまでは、何もしないで待っているくらいで大丈夫です。もちろん、自然に動いているのですが・・・・・・。
「何もしない」を試してください。グンと踊りやすくなって驚くはずです。
内回り・外回りの意識で踊りが変わります。
フレームの崩れも、ずれの原因になります。
(「第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話(第10話)内回りは何もしない」おわり)
ハッピー・ダンシング!