どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」の公開を始めます。
MA00 「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」まえがき
まえがき
私たち夫婦のサークル活動は1979年に始まりました。二年目に入ると、若手青年6名に声をかけ、アレックス・ムーアの「ボールルーム・ダンシング」の一部を自分たちで翻訳する勉強会を始めました。土曜のサークルが終わった夜9時過ぎから我が家に集まり、真夜中過ぎまで(時には徹夜も)続けました。
みんな英語が苦手だったので、一人が一週間に受け持つ翻訳箇所は僅か数行でした。この勉強会は13か月間休むことなく続きましたが、ダンスを「学習」した若者たちのダンスレベルは群を抜いて高くなり、「学習」が上達に不可欠なことを証明しました。
別の話ですが、何かのきっかけで買った合気道の本には、「思う」とこんなことができるという例が出ていました。それは、床に寝ている人を二人で持ち上げるものでした。一人が両手で寝ている人の頭を持ち、別の人が両足を掴んで持ち上げるというものでした。肩も持たなければ首に手を当てることもしないので、かなり危険な感じがしましたが、サークルで私が実験台でやってもらうと、本当に棒のように持ち上がりました。私はただ、自分の足先から頭の先まで芯が通っていると「思うこと」だけでした。この実験を通して私たちは、「イメージ」と「思うこと」をダンスに積極的に取り入れるようになりました。私たちの中には「思う」だけで何かが「できてしまう」力が存在しているのです。
「学習した知識」、「イメージする」、そして、「思うこと」の最大の特徴は、一人でできることと劣化しないことです。そして、どこにいても頭の中から取り出せる利点があります。
本書には私たちがこれまでにダンス雑誌やブログで書いたものを整理し直したものがたくさん含まれており、そうした話題のほとんどが、知識、イメージの持ち方、考え方などについてです。また、「ナチュラルな動きをするにはこんなことを思ってみましょう」と言うアドバイスも入れましたので、ぜひ実行して上手になってください。
もう一つ、非常に役立つと信じていることに「頑張らない」があります。本書でなんらかのアドバイスを読んだときは「頑張らないで」やってみてください。きっと、その方が上手くできると納得されることでしょう。
平成29年4月 所沢市にて 神元誠・久子
(「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」まえがき、おわり)
ハッピー・ダンシング!