AT19 動的な動き

投稿者: | 2020年2月3日

今回は連載4回目から最後の「動的な動き」の部分を紹介します。

 

私とダンスとアレクサンダー・テクニークと
AT19 動的な動き

ボディ・チャンスの7つの原理

1. すべての動きは相互依存の関係にある。
2. 有害な動きは概ね知らないうちに行われている。
3. 動きは健康や精神状態に大きな影響を及ぼす。
4. 頭部の動きは脊椎運動を支配する。
5. 動きは古い感覚に支配されている。新しい考えで動くことはまれである。
6. 動きは緊張を減らすことで変わる。増やしてではない。
7. 私たちの運動感覚は体内で調整される。

       7つの古典的な誤り

誤1.悩みの部分のみを考え、全体を見ない。
誤2.困った悩みだというが、実はあなたのベストフレンドです。
誤3.無意識のうちに自然な動きに反している。
誤4.どのように動くかは、何を食べるかと同じくらい重要だということを認識していない。
誤5.原因と勘違いして、症状を直そうとする。
誤6.前より頑張っても得る物が少なく、結果もついてこない。
誤7.「いい感じ」と思ってしていることが、実際には体を害していることに気づいていない。

 


ダンス――遥かにうまくなるための秘訣(Dance Wing 54,4回目記事より)


 

動的な動き

 

歩くこと―― この動的な動きでは、脚部はヒップの付け根で積極的に曲がり、膝も足首も体を運ぶために使われます。下の挿絵は、 一人ひとりの異なる歩き方が見事な個性となった姿を映し出しています。

 

ステップもフィガーもアマルガメーションも、ボールルーム・ダンスの動的な部分ではありますが、最重要という訳ではありません。ダンサーは動的な動きと同様に、協調運動を学ぶことも不可欠です。

即ち、あなたがダンスをしているとき、頭部と背骨が共に動き、手足は背骨と調和を取りながら動いているという、その調和した動きを学ばねばなりません。

 

動きを上手に調和させるとダンスが改善されますが、それを体感するには、頭部と背骨の動かし方を変えれば良いのです。ボディ・チャンスのレッスンではそうしたことを先生から学ぶことができますが、一人でもできないことはありません。

頭に入れておいて欲しいのは、今までとは違う調和の取り方をすることであり、そのベースにある考え方は、心理的には筋肉を長く使おうとすることで物理的に縮めることではない、ということです。それを最大限に引き出すには、自分自身に話しかけることなのです。

ダンスを踊るとき、協調運動があなたの動きにどのように影響を与えているでしょう。

 

* * * * *

 

次号(連載5回目)では、人間の意識が運動システムと相互作用の関係にあり、運動そのものだけではなく、健康にも大いに影響を及ぼしていることについて触れる予定です。

(「ダンス――遥かに上手くなるための秘訣」第4回記事から)

 

 

 

 

 

面白いですね。

「頭部と背骨が共に動く調和した動きを学ぶとダンスが改善される」。

つまり、

「今の踊り方の中にある調和していない部分」を探し出して調整することですが、

それには、

「頭部と背骨の動かし方を変えれば良い」。

けれども、

「自分の動きは、自分の中の感覚で判断しているの」ので、

「今までとは違う調和の取り方」をするには、

「それが見抜ける人に助けて貰う」か

「自分の感覚を変える」必要がありそうです。

 

ここで、AT14 当てにならない感覚 を思い出してください。

あの中で、「目を閉じて両足を平行にする」実験をしました。この「両足を平行にする」形はスイング・ダンスにおける効率的な動きと直結しているので、マーカスさんも同じアドバイスをして下さったと思いますが、ジェレミーさんは、「両足が平行でなければならない」と言っている訳ではありません。

自分が「やっている」と確信していることも、外から見れば、案外「やっている積りだけのことがある」ことを実感してもらうのが目的でした。

さあ、「新しい感覚を得る」ために、自分の体の中を観察し続けて行きましょう。

 

⬛第4回記事をPDFで!

  • Dance Wing Vol. 54に掲載されたこの記事をPDFで通して読むことができます。
  • 英語の原文も紹介しています。読まれる方はPDF最後のページから逆読みしてください。
  • English text is also available in PDF attached herewith. Read from the last page in reverse way.

 

 

(つづく)


「私とダンスとアレクサンダー・テクニークと」目次

 

📌BODY CHANCE – アレクサンダー・テクニーク