MA71 更にうまくなる20の話(その8) 体の中に芯を作る

投稿者: | 2020年12月7日

拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」の続編として、「読むだけでダンスが上手くなれば儲けもの」、そんな話を書いていこうと思います。当然、サークルレベルの話です。

 

魔法の言葉 Part 2
MA71 更にうまくなる20の話
(その8) 体の中に芯を作る

 

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MA69 更にうまくなる20の話(その6) リードは「足先」へ」では、カートの車輪を例えに「足先を狙う」イメージを説明しました。でも、車輪に行きつく迄のハンドルバーやその他の所が壊れていたらどうなるでしょう? 当然、まともな動きにはなりません。

カートを人間に置き換えると、ハンドルバーは私たちが踊るときのホールドに、そして車輪は「足」に相当します。しかし、カートの車輪が4つあるのに対し私たちの足は二本しかなく、しかも、片方ずつ動かすので不安定この上ありません! そんな二人の間でリード&フォローのやり取りをするのですから、二人の体の中に壊れた個所がないようにしなければならないことは、お判りいただけると思います。

 

そこで、次の実験を通して体の中に芯を作りましょう。

 

■実験1 真下に押す

ペアになり、押す人(A)と押される人(B)を決めます。

1.Bさんは手を下ろしたまま、でも、踊る気持ちでその場に立ちます。

2.AさんはBさんの後ろから両肩に手を当て、力を込めて「グッ」と真っすぐ下に押し、Bさんのボディを通して床まで感じられるか確認します。

3.押されるBさんは力で抵抗しないようにします。

4.交代してやってみましょう。

この実験には二つの目的があります。ひとつは、芯の通ったボディを作ること。

 

芯が通っていない人は両肩を押されると、たちまち「ヘニャ」っと崩れてしまいます。がっしりした男性でさえ、驚くほど簡単に崩れることがありますが、それは押された力が途中で、(主に)腰から外に抜けるからです。だからといって崩れないように力で抵抗するのは意味がありません。その状態で踊ることはないからです。

 

崩れてしまう人は、頭の先から足裏を抜ける「太い芯が通っている」とイメージしましょう。そうすると、体がそのイメージの通りになろうとして芯を作ってくれます。

 

もう一つの目的は、実験する人が相手のボディを通して床を「感じられるようになる」ことです。押す力で自分の体が崩れてしまったりすると、それが感じられませんので、真っ直ぐ下に押しながら、自分のボディの中の芯を意識していると、相手のボディを通して床を感じることができるようになります。

 

この「真下に押す」実験はラテンでも使えます。下図はファン・ポジションの場面ですが、サークル内でもファン・ポジションになって、女性は左肩を、男性は右肩を誰かに強く真下に押してもらいましょう。ここでも、「ヘニャー」と崩れないようにします。そのためには、力で抵抗するのではなく、体に芯を感じるようにしてください。

 

自分のボディに芯を通し、
相手の芯も感じられるようになりましょう。

 

 

■実験2

ペアになり、押す人(A)と押される人(B)を決めます。

1.Bさんはスタンダードのホールドの形を作ります。

2.AさんはBさんの後ろから両手で、図に示す2箇所を挟んで押して(=圧縮)、Bさんの形が崩れないかをチェックします。

【押す方向の例】

① A1(右肘)とB1(左肘)を挟んで押す。
② A1(右肘)とB2(左腰骨)を挟んで押す。
③ B1(左肘)とA2(右腰骨)を挟んで押す。
④ 最後はA1(右肘)とB3(左側頭頂)やB1とA3(右側頭頂)でも試しましょう。

押す人は初めに「こことここを押しますよ」と、両手で軽く押す場所をタッチして知らせます。それから両手で挟むようにして「グッ」と力を入れて押し込みます。

3.押されるBさんは力で抵抗しないようにします。

 

押されて「グニャ」っと崩れる人は「芯のない」ホールドになり、リード&フォローが難しくなります。では、どうしたらよいのでしょう? 魔法の言葉は「イメージ」です!

 

タッチされた2点に串が通っているとイメージ!
それだけで、崩れなくなります!

 

 

ハッピー・ダンシング!