拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」の続編として、「読むだけでダンスが上手くなれば儲けもの」、そんな話を書いていこうと思います。当然、サークルレベルの話です。
魔法の言葉 Part 2
MA65 更にうまく20の話
(その2)”In Place”を知ってうまくなるルンバ
◇ ◇ ◇
ルンバを踊っていて、パートナー人から「引っ張らないで」とか「押さないで」と言われたことはありませんか? あるいは、特定のパートナーでなくても、パーティーなどで踊った人のことを「押したり引っ張ったりして踊りにくい」と思ったことはありませんか? 原因は相手にあるかも知れませんが、もしかすると、自分にもあるかも知れません。
そこで、今回はラテンにおける“In Place”(イン・プレイス)というステップの仕方を書いていこうと思います。この知識をポケットに入れておけば、あなたのラテンがガラッと変わるかも知れない ―― そんなことを願って。
さて、英語の表現“In Place”は日本語にすると「その場で」という意味です。それだけですが、読者の心を惹きつけたくて英語の表現を使っちゃいました。また、“In Place”はIDTAのテキスト表現で、ISTDでは“Transfer Weight to”(~に体重移動する)になっています。つまり、両テキストの意味するところは「その場で体重移動するだけ」です。
■Open Hip Twist
最初にオープン・ヒップ・ツイスト前半3歩の動きだけ見てみます。(カッコ)内はカウント。
- 男性左足前進、女性右足後退(2)
- 男性右足“In Place”、女性左足“In Place” (3)
- 男性左足を右足に閉じる。女性右足前進(41)
(*男性5歩目も”In Place”です)
男女とも2歩目が“In Place”ですから、2歩目は最初と同じ所にあり、そこへ「体重移動するだけ」という意味です。
また、そうする上での二人のホールドは、1歩目完了した時のままの形と考えましょう。なぜなら、この2歩目に体重移動(即ち、その場で体重移動だけ)するとき、男性が肘を縮めると女性を引っ張ることになりますし、女性が「出ていこう」として肘を縮めると、同じく男性を引っ張ることになります。女性が男性を引っ張っると、2歩目の上で前のめりとなり、3歩目で激しく突っ込むことになります。つまり、3歩目で突っ込む女性は、2歩目への体重の移動の仕方が原因であることが多くあります。
これまでクローズド・ヒップ・ツイストで踊りにくさを感じていた人は、2歩目を「1歩目完了した時のままのホールド」で「体重移動だけ」して踊ってみて下さい。きっと、ガラッと踊りやすくなることでしょう。
<参考>私たちが最初に勉強したISTDテキスト1983年版では、女性の2歩目は「前進」となっていました。>
■Close Hip Twist (=Closed Hip Twist)
頻繁に使われるクロース・ヒップ・ツイスト(=クローズド・ヒップ・ツイスト)にも“In Place”ステップがあります。
男女の2歩目が”In Place”です(男性は5歩目も”In Place”ですが)。
これを知ると、男性は2歩目で自分の体重を右足に乗せ換えるだけで良いこと、また、女性が2歩目に体重を乗せ換える瞬間まで次のリードをしないことが分かってくるでしょう。
女性は2歩目を前進の気持ちで出ていこうとすると、相手を引っ張りたくなります。相手を引っ張ると、オープン・ヒップ・ツイストの2歩目同様に、前のめりとなります。そうすると、2歩目の上のスイブルで左回転するときに軸が壊れてしまいます。自分のお尻が外を回りしていると思っている人は、2歩目に体重を移動させることに集中してみましょう。オープン・ヒップ・ツイストがガラッと変わることでしょう。アドバンスト・ヒップ・ツイストも同じ要領で踊ってみて下さい。
“In Place”の所は
ホールドはそのままで踊ってみましょう。
ハッピー・ダンシング!