エクステンディド・リバース・ウェイブについて教えてください。(埼玉 男性)
今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。お役に立てばうれしいです。なお、回答には現時点の考えに書き直していることもあります。
❶エクステンディド・リバース・ウェイブ(Extended Reverse Wave)とは?
一般的なエクステンディド・リバース・ウェイブは次のような構成になっています。
- リバース・ウェイブの1~6歩(即ち、リバース・ターンの1~3と男性後退(女性前進)のスリー・ステップ)
- バック・フェザーの3歩
- リバース・ウェイブの4~6歩(即ち、男性後退(女性前進)のスリー・ステップ)
- リバース・ウェイブの7~9歩(即ち、ナチュラル・ターンの4~6)
■参考動画1
ルカとロレインの踊りのように、「リバース・ウェイブの7~9歩」をインピタス・ターンにして踊る人も多くいます。
■参考動画2
この動画のように「リバース・ウェイブ ~ バック・フェザー ~ リバース・ウェイブ」(最後はインピタス・ターン)と説明することもありますが、厳密に表現すると最初に書いたような形になります。
ここではフロアが狭いため、ヒルトン組が自由自在に回転方向を変える踊り方が見られます。サークルで踊るときは、全体的に緩やかな左カーブをイメージすると良いでしょう。
(出典:Simply the Best Part 1 / Studio Himawari )
❷フットワーク
とても見栄えのするアマルガメーションなので、これを使いたい男性はたくさんいると思います。上の二つの動画からフットワークは良く見えていますが、案外フットワークを混乱してしまいます。そんな時、下の話が役に立つことでしょう。
◇ ◇ ◇
ビル&ボビーが大好きだったバリエーションの一つに、エクステンディド・リバース・ウェイブがあります。これはリバース・ウェイブ(の6歩)にバック・フェザーとバック・スリー・ステップが加わったものですが、これが色々な問題を引き起こします。問題が起きてそれを解決しようとするとき、ダンサーは回転方向をしっかり理解しておくことが大切です。そして、そこが小節の変わり目だという事も。また、バック・フェザーでは右回転しますが、バック・スリー・ステップは左回転です。第5章で学習できていると思いますが、回転というのは常に同じタイミングで起こるわけではなく、バック・フェザーの右回転はその前のステップで始まりますし、バック・スリー・ステップの左回転はその1歩目の終わりに始まります。前者は積極的に、後者は消極的に行ないます。
エクステンディド・リバース・ウェイブでは男性がよくフットワークの間違いを犯しますので、間違わなくて済む大切なアドバイスをしましょう。男性は第1Qのステップではトウに踏みとどまります!
女性が男性のフェザー・ステップとスリー・ステップを踊るときのフットワークは男性のフットワークと変わらないのに、なぜ男性が女性のフェザー・ステップとスリー・ステップを踊るときは女性のフットワークと同じではないのでしょう? 簡単なことです。女性には高いヒールがあるからです。高いヒールは体重を常に前方へと運んでくれますが、男性が女性と同じフットワークにしてヒールを使ってしまうと、ポイズが後方へ動いて行ってしまい、女性の前進を難しくしてしまうからなのです。
訳者のノート:
エクステンディド・リバース・ウェイブは、(1)リバース・ターンの3歩(SQQ)、(2)バック・スリー・ステップの3歩(SQQ)(ここまではリバース・ウェイブの1~6歩目です)と、(3)バック・フェザーの3歩(SQQ)、(4)バック・スリー・ステップ3歩(SQQ)から構成されています。
男性は(2)と(4)で女性のスリー・ステップを、(3)では女性のフェザー・ステップを踊りますが、オリバーは男性に向かって、「第1Qのフットワークは女性と同じTHではなくて、Tですよ」、とアドバイスしてくれています。
女性は(2)と(4)で男性のスリー・ステップを、また(3)では男性のフェザー・ステップを踊るわけですが、男性が踊る時と同じフットワークで踊ります。
(IL13 第8章 踊りのヒント(前半)より抜粋)
◇ ◇ ◇
ハッピー・ダンシング!