質問56 テレスピンでカップルバランスが…

投稿者: | 2020年6月16日

テレスピンでカップルバランスが崩れてしまい、次のピクチャーポーズに上手く入っていけません。どのようにフォローしたら上手くいくのか、悩んでいます。(茨城県 女性)

 

今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。お役に立てばうれしいです。なお、回答には現時点の考えに書き直していることもあります。

 

 

■攻略法は内回りと外回りを理解すること

高度なフィガーですが攻略法がないではありません。私たちがサークルで話しているのは、まず「内回りと外回りを同じように踊らない」です。すなわち、

  • 後退する内回りの人は静かに踊り、自分で回転しようと思わないこと。
  • 前進する外回りの人は積極的に(女性は「リードを受けての」積極的)。これに気をつけるだけでも踊りが随分楽になります。

 

 

■女性は出ていけない

女性は前半のテレマークからPPぽい形から出て行くとき、(男性の)「左に出ていけ!」とか(男性より)「先に行け!」言われたり教わったりします。

それで、男性は女性を自分の左方向へ押しやろうとします。また、女性は急いで男性の左に出てこうとします。しかし、そうすると最後の形になるのが死ぬほど大変になります。つまり、ご質問にある「カップルバランスが崩れて」です。二人のボディ・ポジションが大きくずれてしまうからです。

実は、女性が男性の左に先に行くように見えるのは、単なる目の錯覚で、現実ではありません。LODに対しては、3歩目では男性が、次に女性が進行方向にいるので、そういう意味では女性は「先に」行ってますが、それは男性を置き去りにすることではありません。

 

 

■実験で誤解を解く

女性が男性の「左に行く」「先に行く」が錯覚であると理解するには、ゆっくり踊ってみることです。そうすると、女性はリードを受けて男性のボディを転がり、「元のスクエアのポジションに戻る動作をしているだけ」ということが分かります。練習法として、つぎのようにやってみてください。

 

① 男性は右手を女性の腰に回し、少しきつく抱きしめる形で踊ってみましょう。きつくするのはボディ・ポジションがずれないためです。

② 女性をきつく抱きしめても、テレスピンが問題なく踊れることが分かりますし、女性が左に行かないことも分かります。

③ 女性は最初からネックを左にキープしたまま踊ってみましょう。これも、女性が男性の左に行かなくて良いことが実感できる方法です。PPになると頭から出ていきたくなる心理が働きますが、頭の動きが先行すると、肝心のボディが遅れてしまいます。

 

この実験で女性は男性の左に急ぐ必要がなく、ポジションをキープして踊ればよいと納得できることでしょう。その上で、最初に書いた「内回り」と「外回り」の動きを実行します。「内回り」と「外回り」を同じ気持ちで踊らないことが大切です。

最後になりますが、女性の4~5歩目は前進する「外回り」ですが、5歩目で男性とスクエアになった瞬間からは、背中側に動いていく「内回り」に変わりますから、瞬時に切り替えて「静かに」踊りましょう。

 

以上のようにして踊るとカップルバランスの崩れが少なくなり、次のピクチャー・ポーズに入り易くなることでしょう。

 

参考動画は「G012 質問9 「テレマーク~テレスピン」と「テレスピン」は別?」を参照ください。

 

ハッピー・ダンシング!