質問40 「腰が引ける」原因はどこに?

投稿者: | 2020年5月28日

質問40 リーダーの腰が引けて離れることが多々あります。離れずに踊れたらいいなと思っているのですが、アドバイスをお願いします。(女性)

 

今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。お役に立てばうれしいです。なお、回答には現時点の考えに書き直していることもあります。

 

 

回答 実際の踊りを見ないと本当の原因は見つけられませんので、ここでは、一般的に考えられる主な原因についてお話をしましょう。

 

❶フットワークをチェック

腰が引ける大きな原因にフットワークの誤りがあります。例として、ワルツで予備歩から(女性のアウトサイドに)ナチュラル・スピン・ターンを踊ったとします。

 

この場合の男性の左足予備歩のフットワークは(TH)になります。続くナチュラル・スピン・ターンの1歩目右足はヒールか出てトウにライズしていきます。

  1. もし男性が予備歩を終えた時点で上半身が前傾していると、これも「腰が引ける」原因になり得ます。
  2. 上半身が前傾していてもしていなくても、スピン・ターンの1歩目右足のフットワークをトウで出ていれば、95%以上の確率で「腰が引ける」でしょう。

 

一方、女性はどうでしょう? 右足予備歩は(TH)ですから、右足トウからヒールへとロアーしてから1歩目の左足を後退します。

  1. この1歩目左足のヒールが床に付いた時点の(予備歩だった)右足を観察してください。もし、トウが床に残っていると、女性は既にバック・バランスで男性を引っ張っていることになります。
  2. 引っ張られた男性は自分のバランスを保つために腰を引くことになります。ですから、女性のフットワークの誤りも男性の「腰が引ける」原因の一つに考えられます。

 

 

「腰が離れずに…」=「コンタクトしたまま…」

コンタクトは、お互いに自分のバランスで近寄ったときに自然にできるもので、無理やりするものでないことを理解してください。

 

プロのレッスン動画を見ていると、女性が決めた形を作ってから男性に近づき、そしてホールドするシーンをよく見かけますが、もしその真似をしているようでしたら、即刻やめることをお勧めします。プロはお互いに長い練習と経験から「その形で良い」と分かっているので、そうやっているのだと思いますが、これをアマチュアが真似するには、とてもリスクの高い入り方だと思います。離れた所で二人が作る形がいつもいつも同じで、その二つを合体させたら、いつもいつも最高のホールドになる――そういう保証は得られないと思うからです。

 

では、私たちサークルで踊る者はどうすればよいでしょう? 二つの組み方で自分のバランスを探しましょう!

 

【方法1】

1.通常のの方法で、女性は男性に招かれ、彼のホールドにフィットするように入ります。それから男性のボディとフレームから伝わってくる「こういう形にしたい」というメッセージを体で聞きましょう(厳密には、手が触れ合った瞬間からリード&フォローがあります)。

2.次に組んだホールドを一度外し、互いに自分の「独立した」バランスにいるかどうかをチェックします。

 

【方法2」

1.女性が自分で作りたいシェイプで立ち、そこに男性に入ってもらいます。

2.ここでも、一度組んだホールドを外し、互いに自分の「独立した」バランスにいるかどうかをチェックします。

 

方法1と2の両方を行い、

①ホールドした感じが同じかどうか比較しましょう。
②一度ホールドを外した時、自分のバランスでいられたのはどちらの方法だったか、また、その理由は何かを話し合いましょう。

 

 

私の経験では「男性に来て貰う方が、バランスが良い」と話す女性が多いです。これは何を意味するでしょう? そうです。女性が男性の所に入る(方法1)では、「知らず知らずに足の位置が男性に近くなっている」ということです。

 

こうした点をチェックするだけで、お互いのバランスは良くなります。お互いのバランスが良くなると、パートナーの「腰が引ける」と感じる回数が減るかも知れませんね。そうそう、ステップをしているとき、脚部に力が入りすぎていると腰が引けることがあります。そこもチェックしてみてください。

 

ハッピー・ダンシング!