質問39 ダンスタイム中にちょっとしたアレンジを

投稿者: | 2020年5月28日

質問38 ダンスタイム中にちょっとしたアレンジを入れてくる方がいて、私はそれに上手く対応できません。ただでさえ人見知りなので、顔見知り程度でしかも殿方には自分の要望も出せずに悩んでいます。(兵庫県 女性)

 

今まで個人的に、あるいはダンスファン誌を通じて多くの質問を頂きました。中にはとても初級レベルのものもありましたが、初心者にしてみると切実な疑問や質問に違いありません。そこで、頂いた質問のレベルで選別することなく記録に残します。お役に立てばうれしいです。なお、回答は現時点の考えに書き直していることもあります。

 

回答

「いつもの仲間と決まったパターンなら踊れるけれど…」という意味合いを含んでいるのでしょうか? 

 

サークルによってはレベル毎に「ワルツの1」、「ワルツの2」のように一定パターンを教わり、そのパターンの繰り返しで踊り続ける所もあるようです。そうした場合には仲間同士で「決まったパターン」で踊れる安心感があります。例え男性が次のステップを忘れても、女性が覚えていればリードしてあげることもできますから、その点、男性も安心していられます。

 

「決められたパターンで踊る」踊り方は、シークエンス・ダンス(Sequence Dance)といいます。

 

シークエンス・ダンス(Sequence Dance)

1900年代初頭のロンドンに起源を持つ踊りで、典型的なものは16小節毎に決められたパターンを繰り返します。当然、全カップルが同じステップを同時に踊ることになります。クイックステップ、ワルツ、フォックストロット、ブルース、ソーンター、ジャイブ、ボサノバ、ルンバ、タンゴ、スイング、サルサ、チャチャチャなどの種類があります。シークエンスの英語の意味は「連続するもの、数列、反復進行」など。シーケンスとも書きます。(「熱心なダンサーへ贈る読むダンス用語集」より)

 

これに対して「決められたパターン」を繰り返さず、踊り手に次のステップや方向などの選択肢が与えられているのをノン・シークエンス・ダンスといいます。即ち、いま、社交ダンスとして広く踊られている踊り方です。

 

説明不要と思いますが、例えば、ワルツのウィスクの後にシャッセ・フロム・PPばかりを踊る男性がいるかも知れませんが、実はその男性にはウィングやウィーブ・フロム・PPなどの選択肢が与えられています。男性はフロアの状況やその時の雰囲気から「次」を考える訳ですから、判断力とリードの能力が求められます。一方、女性は次に何が起こるか分かりませんから、瞬時瞬時に対応できる能力が求められます。そこには、何が起こるか分からない不安もありますが、常に変化が起こる楽しみと瞬時に反応して表現できる喜びもあります。

 

社交ダンスの楽しみ方は人それぞれですから「決まったパターンで踊る」楽しみがあって当然ですが、そのパターンを知らない人と踊るのは困難になる恐れがあります。もしあなたが、多くの人とリード&フォローのある踊りを楽しみたいと思っているのでしたら、その「ちょっとしたアレンジ」を「楽しもう!」と思うようにしてみてください。

 

初めての人と踊るときには「次は○○のステップね」と予想しないのが上手にフォローできる秘訣です。1歩1歩男性のリードの強さや大きさを身体で聴く練習をしましょう。そうすると、ちょっとくらいのアレンジなんかなんのその、むしろ、どんどん楽しくなってしまうことでしょう。

 

ハッピー・ダンシング!