質問34 ラテンのターンについて

投稿者: | 2020年5月25日

質問34 ラテンのターンについて、その場で軸足に体重を乗せてターンするときはどこに一番力を入れるべきですか? 毎回バランスを崩してしまい、綺麗に回れません……。(長野県 女性)

 

回答

■内回りと外回り

スタンダード同様、ラテンの回転にも内回り回転と外回り回転があります。ルンバを例に挙げると、スポット・ターンは内回り回転ですし、女性のスリー・スリーズの最初の右足で行うのは外回り回転です。では、内回り、外回りとは何でしょう?

 

●「内回り回転」とは、スポット・ターンの様に「出した足の親指側」に回りるのが「内回り回転」です。

●「外回り回転」とは、女性のスリー・スリーズの最初の回転の様に「出した足の小指側」に回るのが「外回り回転」です。

 

どちらの回転の場合でも、片足だけで回転しようと頑張らず(勿論、それが出来れば凄いですが)、もう片方の足も上手に使いましょう。また、回転している間、ボディは上昇気流に乗る感じを続け、回転完了後に体重を軽く乗せてみてはどうでしょう?

 

 

誰?(ある意味ラテンの極意)

(拙書「パーティーはおまかせ」(入門・初心者向け)のルンバ編⑥スポット・ターンで書いたコラムを掘り下げます。)

踊っていて、いつもいつも実感するのが、この「誰?」の威力。この「ちょっとしたこと」を実行するだけで、ラテン・ダンスが上達するのですから是非覚えて使ってください。何時間も頑張って練習をしなければならないような話ではなく、「こんなことをやってみたら?」とか「こんな風に考えてみたら?」という、思っただけで直ぐに実行できる、練習時間の少ない人にピッタリの話。それが、この「誰?」です。

 

即ち、「スポット・ターンを踊るとき、1歩目前進した所で、誰かに声を掛けられたと思って『誰?』と振り返る演技をしましょう」という話です。たったこれだけ。ただ振り返るだけ。それだけで、美しく切れのあるスポット・ターンが出来てしまうので、ある意味、ラテンの極意ではないかと思っています。是非「誰?」と振り返るのをやってみて下さい。

 

 

■もう少し詳しい話をすると

❶上に「1歩目前進した所で」と書きました。これは、「2歩目に戻ろうとしながら1歩目に出て行かない」ということです。「2歩目に戻ろうとしながら1歩目に出て行く」と、体も出て行く足も回転を始めているので、切れの悪い踊りに見なります。そこで、1歩目は前進し、前進した足に体重が乗り切った瞬間を狙って、この「誰?」をします。

 

 

❷日常生活で誰かに後ろから声を掛けられた場面を想定しましょう。あなたはどんな風に振り向きますか?

1.最初に顔だけ振り返る。続いて体が回って相手の方を向く。

2.回転台に乗った蝋人形のように、体ごと全部一緒に回って相手を向く。

 

きっと1ですね? 2だと薄気味悪いです(笑)。このように、振り向くときは「顔」が相手の方を向こうとするだけで、顔もおへそも同時に向けようとしなくて良いのです。

 

「回転」の説明を受けると、入門・初心者は顔も、おへそも、足裏も「全部一緒に回る!」と思い、体ごと回す人が続出しますが、最初に「顔だけ」向けてみて下さい。すると、ある程度、ボディも靴裏も回りますから、それ以上に頑張って、つま先とおへそも顔と同じ方向まで回そうとしなくて構いません。そこは次のステップをする間に、自然な形で向きますから「放っておいてよい」と考えましょう。

 

 

❸相手がどんな感じで振り返ってくれると嬉しいですか?

1.怪訝そうに、下から見上げる感じで。

2.目を見ず、知らん感じで。

3.喜びや、楽しい表情で。

 

答えは聞くまでもありませんが、1だと「自分が嫌がられている」とはっきり分かりますし、2だと「いったい誰と踊っている積りだろう?」と疑ってしまいます。こうした態度を取られると踊りが楽しくありませんから、最低自分からはしないようにしましょう。

 

一方、3は踊っていて楽しくなります。お互いに楽しさを感じていると、それは踊りに現れますし、見ている人にもそれが伝わります。あなたも、色んな表現を考えて振り返ってみましょう。「誰?」と振り返るだけで、踊りの質が高まることを約束します。

 

 

❹スポット・ターン以外の場所でも

「振り返る」技術を手に入れたら、アレマーナの6歩目、ニュー・ヨークやハンド・トゥ・ハンドの3と6歩目、ホッケー・スティックの最後でも応用しましょう。勿論、チャチャチャや他のラテン・ダンスでも使えますよ。サルサならクロス・ボディ・リードの最後も、振り返る方法を使うことが出来ます。

 

ラテンで上手になる方法をひとつだけ教えるとしたら、間違いなくこの「誰?」です。やってみて!

 

 

 

■参考動画

 

サークルだけで踊る機会の少ない人は、家の中で上手になってしまいましょう! 今回は、ルンバのオープン・ヒップ・ツイス奇麗に踊りたいと思っている女性に向け、ラテンの回転についてお話をします。自分の足を見ながら、家の中で練習してみて下さい。

 

ハッピー・ダンシング!