アウトサイド・チェンジについて勉強したことを記録しておこうと思います。
■原型はバックワード・チェンジ
若い頃に購入したK・アクリル氏の資料(*1)に「アウトサイド・チェンジは、今では廃れたバックワード・パッシング・チェンジの発展形です」と書いてあります。当時はどんなステップかわかりませんでしたが、後年に購入した1938年発行のH・ジェイクス氏の本(*2)が解明してくれました。下図がそれです。男性は3歩後退(女性は3歩前進)してリバース・ターンの4~6を踊ります。
私たちもこれを使ってみようではありませんか! 単に使われなくなっただけで、使っていけないことはないのですから! この本にはフットワークは出ていませんが、「1の終わりでライズし、3の終わりでロアー」の説明がありますから、通常のアウトサイド・チェンジで3歩後退してリバース・ターンの4~6に繋げれば良いわけです。チラッと使えばお洒落だと思いませんか?
■アウトサイド・チェンジは結構新しい!
ジェイクス氏の本には下記フィガーが出ています。
- ①フォワード・チェンジ(クローズド・チェンジ)2種
- ②バックワード・チェンジ2種
- ③ナチュラル・ターン
- ④ヘジテイション・チェンジ
- ⑤ナチュラル・スピン・ターン
- ⑥リバース・ターン
- ⑦(リバース)コルテ
- ⑧ダブル・リバース・スピン
- ⑨アウトサイド・スピン
- ⑩オープン・テレマークが出ています。
A・ムーア氏の古い本(*3)には上記の他に、
- ⑪オープン・インピタス・ターン
- ⑫クロス・ヘジテイション
- ⑬ウィング
- ⑭ウィスク
- ⑮ドラッグ・ヘジテイション
- ⑯バックワード・ロックスが加わっていますが、やはり、アウトサイド・チェンジは出ていません。
ダブル・リバース・スピンやアウトサイド・スピンのように複雑なフィガーが古くから考案されているのに、こんなにシンプルなアウトサイド・チェンジがまだ登場していないのです! しかも、ウィングやウィスクの方が古いなんて、ちょっと意外で、同時に楽しくなってきます。
■壁斜めはお薦めでない?
アクリル氏の本には「先行のナチュラル・ターンを壁斜めに始めるのはよくない。LODに始める方が遥かに良い」とも書いています。実は、ムーア氏の Ballroom Dancing のアウトサイド・チェンジは、その形で足型図が描かれています(下図)。
この踊り方も使ってみましょう。もっとも簡単な方法は――
(男性)
- コーナー付近で壁斜めにナチュラル・ターンの6歩を踊り、後半の回転量を少なくして新LODに面して終わります。
- ナチュラル・ターンの前半を踊り、3/8回転して中央斜めに背面します。
- アウトサイド・チェンジを踊ります。
この入り方は普段見かけない分、かえって新鮮に見えることでしょう。
◇ ◇ ◇
●参考文献
(*1) AN ANALYSIS OF THE MODERN WALTZ TECHNIQUE TO ASSOCIATE LEVEL
(*2) Modern Ballroom Dancing
(*3) Ballroom Dancing 1951年発行第6版
※この項はダンスファン2017年4月号連載記事を一部変更してお届けしました。
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