#020 私の好きなレクチャー5 “The Moment of Truth” by Tony & Amanda

投稿者: | 2020年3月31日

これは2016年UKコングレスの映像です。撮影側のDSI社と交渉しダンスファン2017年7月号付録にして頂きました。UKコングレスは毎年、1年の最初に開かれるUKオープン選手権の前夜に行われ、私が知る所では、2本のレクチャー(各30分)と1時間半の対談 “Audience With” があります。今回のドックマンのレクチャーはそうしたもののひとつです。

私が海外のレクチャーを面白く感じる一つに、レクチャーする人たちが習ったかつての偉大なダンサーたちの話が出てくることです。今回はピーター・エグルトン(Peter Eggleton)やベニー・トルマイヤー(Benny Tolmeyer)が出てきます。さあ、トニーたちのレクチャーを通してピーター・エグルトンやベニー・トルマイヤーのレッスンを疑似体験しましょう! プロ、アマの競技選手は勿論、趣味で踊る人たちのリード&フォローにも役立つことでしょう!

 

 

 “The Moment of Truth”
by Tony & Amanda Dokman

※このレクチャー映像はYouTubeで非公開設定にしてありますので、ここだけでご覧ください
※Enjoy these videos only in this blog. Do Not Copy and Upload in YouTube or other SNS.

出典:ダンスファン2017年2月号付録DVD
翻訳/アフレコ:神元誠・久子

 

 

◇ ◇ ◇

 

日本語の書き出しを紹介します。文字で読むと、また別の発見があることでしょう。

 

The Moment of Truth”
by Tony and Amanda Dokman (from BDFI Congress 2016)
トニー&アマンダ・ドックマンの「決定的瞬間」(テキスト)

 

MC: みなさんこんにちは。BDFI主催、2016年UKコングレスへようこそ。さっそくボールルームのレクチャーから始めましょう。お話しして下さるのは、現役時代、世界のトップ・ダンサーとして活躍されていたカップルで、タイトルは、「The Moment of Truth(決定的瞬間)」。どのような展開になるか、興味津々ですが、分けの分からない話にならないことは確かです。では、トニー&アマンダ・ドクマンをお迎えしましょう!

 

Tony: こんにちは! そうです、これから The Moment of Truth の話をしますが、その前に、この機会を与えて下さったBDFIに感謝申し上げます。心から喜んでいます! 本当です。そして、私をアシストしてくれるのは素敵な妻と、小道具です。このF&M? Fool と Magic かな?

 これから(テニス)ボールを打ちますが、それは妻に「スマッシングなレクチャーにすること」を約束したからです(注: スマッシングには「素晴らしい」意味があります)。それと決定的瞬間の関係を考えておいてください。ボールをキャッチした人は、いつでもこのレクチャーを中座できる特権が用意されています。

(ボールを打って)ほらー! マーカス、君がキャッチすると思ってたよ。

 

バカな話はこの位にしますが、ボールを打った瞬間、それが、決定的瞬間(The Moment of Truth)なのです。なぜなら、ラケットのスピード、インパクト、私の態勢、タイミングなどなどの要素で、ボールの行方が決まるからです。それが、エースになるかも、あるいは、ミスショットになるかも知れません。

この決定的瞬間にはいろんな場面にあります。ゴルフでボールを打った瞬間――クラブを持ってくるのはアマンダに反対されました――。フットボールの蹴る瞬間。

 

ピアノもそうで、ピアニストが指を通してキーを叩くスピードや長さや。どのキーを、どのくらい強く叩くか、そうした様々な要因が、音色に影響を及ぼしますが、その一瞬に関わるすべてが 決定的瞬間となるわけです。

私は、スイング・ダンスにも、それがあると思います。スイングの瞬間に、もし、きちんとした体の使い方で、正しいタイミングでスイングを行っていれば、美しい動きを創り出すことができ、美しいスイングの継続が可能となります。コーディネーションが悪ければ、結果も良くないことでしょう。

と言うことで、ダンスにおける決定的瞬間を考察するための道具を用意しました。見えると理解しやすいことでしょう。私自身の経験を例に、この決定的瞬間をどう理解したかをお話したいと思います。「できた」とは言っていませんよ。

(経験の)中には、とても変なものがありましたが、そうしたものこそ役に立ちました。

 

 

■ピーター・エグルトンのレッスン

最初に紹介するのは、アマチュア時代、初めて偉大なピーター・エグルトン(Peter Eggleton)に習ったときのものです。私は17,8でした。彼が最初に言ったのは、

「バケツの中で立っていると思いなさい」でした。

 

まったく意味が分かりませんでした。今日はバケツを用意しました。彼は用意してくれませんでしたけどね。で、バケツの中で立ったつもりでいると、今度は、

「セメントが入っていると思いなさい」と言うのです。

 

これは、レッスンに来て欲しくないのだろう、と思いました。でも、彼の目的は、「セメントで固められた足なら、動かそうと思わなくなる」ということでした。そうしたら彼は、

「ヘッド・ウェイトも使いたくないよね。使うと倒れるから」とも言いました。

「そこで君がイメージするのは、バケツの外に出るくらい膝を使おうとすることだ」。

「それでも、バランスは取れているし、動きを起こせる。足はバケツの中だから、ベースから動き始めようとするんだ」と。

 

私は最初、彼が変だと思いましたが、5分後には、天才だと気づきました。それ以来、30年もこの練習方法を思い続けています。いまだに、うまくできないかも知れませんが、実に素晴らしい練習方法です。

 

では、(私はバケツの中で)アマンダにはバケツの外でやってもらいましょう。

基本動作は4つ。

左足体重で右足の前進運動。右足体重で左足の前進運動。

後退もほぼ同じで、片足だけバケツの中。

その足は前進運動で、外に出した足は後退運動。

足を入れ替えて、片足は前に、もう片方は後ろへ。

5番目の練習はプロムナード。 私はバケツの中。アマンダは外。 PPになると、その形から出たくなりますが、最初に起こすアクションは、やはり、膝になります。

 

この、練習は非常に役立ちました。彼は他のヒントもくれました。

それは、「膝でリード、あるいは、膝が先に動き出す」と言うことです。

おかげで、私は、膝を最初に使うことが しっかりとイメージできました。

 

彼は、「膝は前だけではない」とも言いました。 「回転にも、斜めにも使う」と。

確かに、この練習をすると膝が回転し、ほら、CBMが起きます。

CBM――コントラリー・バケツ・ムーブメント。今日だけの話ですよ。受けましたか? 誤解のないように――CBMは、コントラ・ボディ・ムーブメントですからね。

 

それをご覧いただくため、アマンダとフォックストロットを、サイド・バイ・サイドで踊ってみます。音楽で。

足元から創り出される動きが 見えると思います。

両膝を使い、回転を起こし、アクションとなります。

体重を集約し、同じことを ―― 繰り返します。

 

こっちからも・・・・・・。そうだ、君には見栄えする側で踊ってもらおう。予期しなかっただろ?

<ダンス>

これが最初に教わった 決定的瞬間でした。

 

例えばボールを打つと、ボールには戻れないポイントが生じます。もう一度、やってみましょう。サイド・バイ・サイドで。

ここで、膝の動きを充分に発揮させ、ボディが動き始めると、もはや後には戻れないところに来ます。Point of No Returnです。

レッスンでは別の話もありました。彼は「バケツの水を投げる」という話もしてくれました。それは用意していないから、心配しないでください。

 

Amanda: 用意していたのよ(笑)。

Tony: 確かに、そうだったね(笑)。

Tony: それはさておき、膝をバケツの外まで使い、バケツの水を投げるようにすると、美しいフル・スイングが生れます。頑張らないけれど、パワフルです。

このレッスン効果は4~5日続き、本当に素晴らしく踊れました。少なくともそう思いましたが、その2,3日後に、おかしくなり始めました。そこで分かったのは、決定的瞬間をうまく捉えるには、他にも意識すべきことがある ということでした。

その一つに、それまで気付かなかった ポスチャーがあります。つまり、私は膝にすべての自由を与えようとして、ポスチャーが壊れていたのです。頭の位置は定まらず、ヒップも崩れて・・・・

 

■ベニー・トルマイヤーのレッスン

ピーターのレッスンから1年後、ベニー・トルマイヤー(Benny Tolmeyer)のレッスンを受けました。

 

ところが、ベニーの説明は、控えめに言ってもかなり意味不明でした。例えば、彼の説明を理解するのに、別の説明が必要と。そういう感じなのでした。そして、私のボディ・ラインが崩れると、

「君、膝を緩めるのは、前進の為であって、沈むためじゃないよ」と言われました。

 

想像して下さい。バケツの中で膝を緩め、お尻が抜けているような私の姿を。ベニーは、膝を緩めたらヒップを前に使えと、指摘したのです。このときも私は、膝とヒップのことを十分理解できませんでした。

 

 

■ボビー・アービンのレッスン

暫くして、この素敵なアマンダと初めての一緒のレッスンを受けにボビー・アービン(Bobby Irvine)のところへ行きました。お気に入りのネクタイで行ったのに、ボビーはたちまち私のヒップ・ラインが気に入らなかったとみえ、私のネクタイを外して、何をしたと思います?  股にくぐらせ、ネクタイを引き上げたのです。一番高かったネクタイで!

 

Amanda: タイだけじゃないわ(笑)。

Tony: それがあってからネクタイをつけないようになりました。また別なコーチから、パンツを頭の上まで引き上げろと 脅されたこともあります。それ以来、私はパンツを…。 それはともかく・・・・・・このデモで・・・・・・二つのことをやります。ひとつは、頭を浮かせておくこと。カップとソーサーとがあれば最高ですが、今日はありません。

 

Amanda: 持ってくる話はしたんですよ。

Tony: でも、高いやつだから、壊れるとねえ・・・

Amanda: 勇気がないのね。

 

Tony: (股に掛けたベルトをアマンダに持ち上げてもらい)これは、皆さんたちのためにやるんですよ(笑)。わかってください。考えることは頭を浮かせ、センターラインを持ち上げることです。

それから、膝を緩め、前方へとダイナミックに動き出すように使います。ですから、ヒップはそれ程、落ちないし、当然、後ろには行きません。(アマンダに)ありがとう。楽しんだでしょ?

 

Amanda: Yeah

Tony:  両膝を使い続けスペースに身を投げ出して 決定的瞬間をうまく捕まえるには、良いポスチャーが必要 ということに気づくことが とても重要です。

頭を浮かせ、ヒップ・ラインに気をつけ、尾てい骨をを持ち上げて、膝を使うと、素晴らしいポスチャーと、自由を享受できる世界が広がります。

これからお見せするのは、顔より先にベース部分が動き始める所です。ベースは 顔を動かす前に使います。分かりますね。これで、大分いい感じと思います。

顔を静かにしたまま ベースを動かしていくいと、決定的瞬間が現れます。トップは静かでしょう?

 

Amanda: レクチャーを準備しながら二人で要点を話し合いましたが、私にとって重要なのは、センターでした。

私たちが膝を使っているときも、センターが長くあり続けることです。お腹が折れたり、お尻が出ないことです。ひっくり返るのもダメ。このセンター部分をとても長く保ちつつ、その下にある膝を使います。

お互いに、相手に対してセンターを長くしておき、それを お互いに完全に感じ合うようにします。男性は女性に被さるのでも、下だけが出て来るのでもありません。 問題は、垂直は一つですから、倒れたり、前かがみではありません。これ(この形)は、皆さん経験済みのことでしょう。

綺麗なライン、綺麗なポスチャーを保ちつつ、ベース部の決定的瞬間を見つけることが、私たちにとり、とても大切なことでした。

 

Tony: ということで、いま二つのことがあります。バケツから膝が出て行き、脚部が回転を起こします。ベニーはいつも ―― 

 「君、腿の上部を回すんだよ」と、可愛らしい表現をしていました。

もうひとつは、静かな頭の下が踊る、という話。

二つを合わせると、素晴らしい決定的瞬間を迎えることができるでしょう。フレキシビリティ、ミュージカリティ、膝から起こるアクション、そして、力みのないトップ。

では、静かなトップと、下が動くところを見ていただきましょう。その実験用の小道具があるんですが・・・・・・この箱に入っている筈です。

 

Amanda: 色々入っているの。

Tony: 予備のパートナーも・・・なんてね。

 

Amanda: そうなの~?

Tony: 彼女には(箱の中に)入るのを拒否されました。さて前列の人は、見にくいかもしれませんが・・・。(左足にポインターをつける)

 

Amanda: 銃でやりたかったのよね。ジェームズ・ボンドみたく。

Tony: いまはロボコップ風。 光が見えます? では、やります。極めて真面目です。遊んでいると思っているでしょうが、ま、それもありますけど。

皆さんに見て貰いたいのは、進む方向と膝の曲がる方向が全く違う所とその間、頭を静かにしている所です。若かった頃、これが大問題でした。どうしても膝の方向に頭が行きたかったのです。このアクションの調和を図るには、上と下でやることを別にすることです。トップを静かにしておき、下の方を動かすことです。

 

ゆっくりやると、それが見えますか? (ポインターの)光はいま、トウの上。 次に膝、ニーを見てください。トウの次にニー、 トウ・ニー(ダジャレ)。

例えばフォーラウェイのような左回転では、膝はこのくらい使われます。(舞台の上の)このモニター、邪魔ですよね。よけるよう お願いしたんですけどね。 で、膝の動きはかなり大きいです。

 

ここで準備して、PPになりますが、こんなに膝が使えるのに、驚きませんか。上は静か。下はこんなに動いています。分かりますか?

いいポインターでしょ?

 

ラケット、ボール、バケツなどを使い決定的瞬間の話や、移動の話。ポスチャーは静かで、下が動いている話をしてきました。そして、踊っているときのラインには明瞭さが必要です。

ポインターが示したように、下半身はあれほど動いていても、上は静かです。

 

次にアームについて少々お話をしましょう。実は、私は黒帯です――という感じの極端な話をします。あることを極端に、それは違うという所までやってみます。

ここまでのレクチャーは順調だと思います。

 

受けたレッスンでポスチャーも脚部も良くなりましたが、まだ腕が邪魔をしていました。何事にも、両極端の中間に答えがある気がします。腕では何もしないと言われて、本当に何もしないとヌードルみたいになってしまったので、今度はその逆をすると、ホールドは固まり過ぎてしまいました。 つまり、この両極端の間のどこかに、最適な形があるに違いありません。

 

先ほど、ベースで動きを作りだす話をしましたが、それが十分でないと上半身が動きを作りだそうとします。 ベニー・トルマイヤーの話を 今も笑ってしまいますが、彼は、

「君は踊るときの腕が好きかい、腕の場所が好きかい?」と聞いてきたのです。

「はい」と答えると

「じゃあ、そこにそっとしておけば・・・」

 

それが、できないのです! パートナーを動かすのに腕を使いたい!  実のところ、腕は静かにしておくべきと、思っています。

人によっては、腕にトーンを保つ事であったり、リラックスして、静かにしておく事かも知れません。あの頃、それが出来ていたらと思います。

 

では、この(ホールドをセットする)道具で、少し踊ってみましょう。付け心地が良くないので 全員にお奨めできませんが腕を使わなくて良いことを 教えてくれます。

踊ってみますが、ご覧のように、腕の動きは完全に制限され、両腕は静かにあります。モーションは、ベースから起こします。上半身は動きが制限されています。

 

すべての動きが、ベースから――膝やヒップの変化する角度から始まります。 女性も使ってみると良いでしょう。

次は、この道具の成果をお見せしましょう。男性が腕ではなく下半身で女性をリードする所です。腕が静かで、下が動くのが分かることでしょう。腕は使わないようしています。 ベースから動き出します。

 

Amanda: (いまの踊りも)練習しなかったわ。

Tony: ごめん。今、練習終了。

 

Tony: で、決定的瞬間の話ですが、その瞬間とは、足から体重が出て行くときです。その重要な瞬間には、よいボディ・ラインである必要があります。どれだけ大きく、あるいは、どれくらい小さな動きをするかは、使うフィガーと、自分がどのくらい使おうとするかに拠ります。

そのベースの動きを、ボディ・ラインを崩して邪魔してはいけません。腕で邪魔をしてもいけません。女性をボディでリードして引き離す感じです。非常に複雑ですが、それがボールルームの魅力でもあります。見ただけでは理解できませんが、だからと言って、腕を動かしまくっては、魅力になりません。私には見えるのです。あなたが腕を使っているか、ボディを使っているかが。

 

ですから、お話ししてきたことを、パズルのように組み合わせていくと、決定的瞬間が、ゆっくりと起こり始め、ある時、どこかでエースを打つような決定的瞬間が起こるのです。

自分たちの現役時代を振り返ると、例えば、ワルツだと1分間に約30小節で、1分半くらい踊りますから45回のスイングができるわけです。その45回くらいを、素晴らしいスイングができると、それは、パワフルな武器となるでしょう。小節から小節へとつながる音の中で、美しいライン、明瞭な動きがどこから起こるか、そこがボールルームの熱烈なファンの観たい所なのです。瞬間瞬間を観たいのです。そこには音楽と結びつける、重要な要素、タイミングがあります。

 

ワルツでは勿論3~1でタイミングを取り、フォックストロットでは4~1になります。

皆さんにお手伝いをお願いします。フォックストロットの曲をかけて貰いますが、私に、「フォー、ワン」と声をかけてください。皆さんはカウント、私たちは踊る。何かあっても連帯責任というシナリオです。

 

Amanda: そう、うまくは……

Tony: いかないかね。

 

Tony: 目的は、「4」のときの決定的瞬間が次の「1」に美しく繋がることです。では、サイド・バイ・サイドで、最初は準備運動といきましょう ―― ああ、あなた(マーカスの事かも)には、最前列で見られたくありませんねえ。 とにかく、音楽をお願いします。皆さんは、「4・1」ですよ。それに合わせますから。

<ダンス>

 

Tony: さて、競技選手は先生に 「競技会で何が一番大切か」と尋ねると思いますが、今のは、最重要な部類に入ることでしょう。

音楽の最適のタイミングを捉え、正しい部位から動き始め、美しいポスチャーをしていること。

振り付けの話をすると、私自身にも責任の一端はありますが、振り付けが踊りの邪魔をするようなことがあれば、バカみたいです。振り付けは あなたを踊らせるものでなければなりません。これは説教ではありませんよ。

 

Amanda: こうした話は他の色んなところに繋がっています。決定的瞬間では、スタンディング・レッグを充分に使うおうとしますが、同時に、上半身が邪魔することも起こります。

ベースが何をするとボディに何が起こるかを理解しなくてはなりません。ヒップが崩れたり、後ろに反ったりしないで、このベースが働かなくてはなりません。それがモーションに繋がるので、非常に重要です。

トップが綺麗に見え、ベースが良く動いていなくてはなりません。この上下の関係を知り、かつ、働きの違いを知ることがとても大切です。

 

 

Tony: 最後に、同じことがワルツにもある所を見てみましょう。カウントして下さい。カウントの練習はし過ぎることはありませんから。

Amanda: (皆さんには)起きていてもらうわよ。

 

Tony: その通り。

Amanda: 頑張りましょう! 

 

Tony: マーカス! 君にピッタリの小道具がこれ。喋らなくても笑って見えるやつさ。良く、持ってきただろう?

Amanda: (マーカスに)やって見せてあげて、トニー。(この小道具は)練習にいいのよ。

 

Tony: 現役時代に欲しかったよ。

皆さんのカウントで踊りますよ。もちろん、「スリー・ワン」でお願いしますよ。「フォー・ワン」だと狂っちゃいますからね。

<ダンス>

 

Tony: (今の踊りを指して)これも練習してこなかったなあ。では、まとめです。 決定的瞬間は、適切なタイミングでアクションを起こすと、テニスでいう、エースを打つことになりますが、タイミングを損ねると、エラーになってしまいます。

この決定的瞬間を特別なものにする 幾つもの要素を上手に組み合わせていくと、その決定的瞬間は輝きとなり、勝利に繋がります。

 

それは、タイミングと関係しています。どこからアクションが起こるかやボディ・ラインや腕などとも関わっています。上半身があまり干渉をしないので、この決定的瞬間が楽に見えるのです。実際には「力」を別の部分、このベースで使っているわけですが……。

お分かり頂けましたでしょうか。(私の説明で)混乱させたのでなければよかったのですが。ありがとうございました。このあとのレクチャーも引き続きお楽しみください。ありがとうございます、BDFI。

 

MC: みなさん、楽しい有益なレクチャーだったと思いませんか? もういちど、トニーとアマンダに、暖かい拍手を。

 

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出典:ダンスファン 2016年7月号付録DVD
レクチャー翻訳/アフレコ:神元誠&久子

 

 

ハッピー・ダンシング!