MT47 第11章 挑戦する勇気/②個性的な四つのタイプ

投稿者: | 2020年3月25日

「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。

■目次

 

MT47 第11章 挑戦する勇気/
②個性的な四つのタイプ
Four Profiles

 

お断りしておきますが、その四つのタイプとはカップルのパフォーマンスとしてのタイプであって、個人のそれとして見ていくわけではありません。もうひとつお断りしたいのは、これらのタイプは、あくまでも考え方に基づいて分類しているのであって、カップルを、そのどこかに当てはめようとするものでもありません。さて、あなたはどのタイプに属すると思いますか?

 

1, 真似するタイプ

2, 見せびらかすタイプ

3, 創り出すタイプ

4, 主張のないタイプ

 

 

1, 真似するタイプ

これは踊りの中に自分がなく、自分自身からも切り離されているタイプです。こういう人は、自分の経験に根付いた生活をしておらず、他人の経験の真似をしています。憧れているカップルのやり方や行動の仕方を真似しているだけです。真似が悪いわけではありません。赤ちゃんが真似をするのと同じように、初心者の頃には特に真似することが必要です。真似を通じてダンスの何たるかを学ぶわけですから。

 

しかしながら、あるレベルに達したダンサーなら、他の人のパフォーマンスを真似するのではなく、自分自身の考えを表現しなければいけないと私は思います。そうすることで、それまでは単に人の真似をしていただけだったところから、突然、自分らしいものが出てくることがあるからなのです。

 

真似するタイプの人たちは、好きな人の形を真似しています。もしかすると、考え方も真似することもあるかもしれませんが、大方において外見だけを真似しているのです。真似が悪いと思いませんし、むしろ、お勧めもしますが、誰を真似するか、そして、なぜ真似するかが重要なポイントとなります。もちろん、強い信念の持ち方、即ち、その人の心の中の会話や身体の強さ、考え方、あるいは、モチベーションの持ち方などを真似することはとても良いことで、そこが、私の言う真似する良いところです。見かけだけの真似ではないのですから。

 

成功しているダンサーの信念や心の中の会話や肉体面など、そうしたところを抽出して使うことが大切だと思います。

 

 

 

2, 見せびらかすタイプ

これは、「印象付けたい」ということのみに興味があるタイプです。全体のバランスがどうであるかは分かっていません。少々の拍手を得るためには身を売ることさえしかねません。表情はわざとらしいです。踊りの間中、考えていることは観客のことばかりで、自分の踊りではないのです。

 

事実、そうした人たちがしていることは、自分がどうかとかパートナーがどうかということよりも、見ている人たちの反応ばかりをチェックしているのです。ピボットの回数を1 回にするか10 回にするかという場合、このタイプの人たちは11 回すればもっと目立つと思ってしまうのです。また、スローなゆったりした回転と速い回転があると、間違いなく速い回転を選び、しかも、もっと速くしてしまいます。一方で、このタイプの人たちは、パフォーマンスに対する大きな可能性を持っているとも言えます。ですから、時に立ち止り、自分がしていることを振り返って見ると良いでしょう。

 

 

 

3, 創造するタイプ

これは新しいことを好むタイプで、常に新しいことを探求し続けています。そういう人たちのモットーは、「最初の人になりたい」です。ですから、見せびらかすタイプとは正反対の、自分自身の中をくまなくリサーチするタイプで、自分自身との強い絆が構築されていますから、時に、見られていることさえ忘れてしまいます。このタイプは新しいことに集中しすぎ、アイディアがあり過ぎてどれを使うべきかが選択できなくなることがあります。

 

一般的に、多くのカップルがこのタイプの人たちの踊りを模倣しようとするのは、他の人たちの踊りより際立っているためです。

 

 

 

4, 主張のないタイプ

完全に無頓着なタイプの人たちです。言われたことをするだけで、率先して自分からやることがありません。こうした人たちのモットーは、「何をしたらいいか教えて」か、さもなければ、誰かに先にやってもらいたいことなのです。ただ言われたことをするだけで、何ら新しいことを取り入れることなど考えもしません。こうした人たちは、プラスアルファのことを求めないので、当然ながら、優れたパフォーマンスはできず、自分ができる範囲だけに留まっています。責任を取らず、大衆の赴く方に進み、先を考えることも想像力を働かすこともありません。

 

しかし、このタイプの人たちにも、ひとつだけ優れたところがあります。それは、パフォーマンスのクオリティは特段、素晴らしくもありませんが、決して低くないところです。

 

 

以上、四つのタイプを見てきましたが、これをもってどのカップルがどれに属するかを決めつけるわけではありませんから、便宜上、あなたが現時点でどのタイプに近いかを理解するのに役立ててください。ダンス人生を歩む中で、あなたはこれらすべてのタイプをきっと経験していくはずですから。

 

一番大切なことは、現時点であなたはどのタイプに属し、そして将来どのタイプでいたいか、それを素早く知るために使ってくだされば良いのです。


(「MT46 第11章 挑戦する勇気」おわり)