MT42 第9章 パートナリング/④体重/⑤呼吸

投稿者: | 2020年3月20日

「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。

■目次

 

 

MT42 第9章 パートナリング/④体重
Weight

 

カップルで踊るダンスの美しさのひとつは、相手の体重に合わせながら自分の体重を動かしていくことにあるでしょう。パフォーマンスで何をするかをしっかり理解した上で踊りが始まり、コミュニケーションができるというのは、とてもいい感じがするものです。

 

体重に関して言えば、私は、誰がリードで誰がフォローというのはないと思います。その代り、そこにはお互いに相手を感じようとする非常に真剣な行為があるのですが、それは、「リードとフォローの仕方」などという表現に集約できない程の、繊細な行為なのです。

 

自分の体重を意識することで、意図を持ったよりパワフルな動きになりますし、とりわけ、床とのつながりを感じられるようになるので、表面的なムーブメントにはなりません。体重はカップルで踊るダンスでは、最も重要な特質です。それは体に対する水分と例えることができます。それなしでは生きていけません。

 

体重のことを真に深く知るには、ほとんどの場合二つの肉体が反対方向に進んでいくということをしっかり理解しておかなくてはなりません。体重は重くも軽くもできます。そのようにして、楽しみながら重力とパートナーの体重を使っていくと、スペースを使いこなした振り付けが可能になるでしょう。もし、あるフィガーがこの考えに反するようならば、私は、そのフィガーを使うことはないでしょう。無理に使ったとしても本物には見えないでしょうし、観客もカップルの踊りに秘めた意図、つまり、二つの体重を感じ取ることはできないでしょうから。

 

 

― 体重はひとつより二つある方がよりパワフルです。

― あなたは一人で踊っているのではありません。もうひとつの体重があるのですから、その重さを尊重し、それに働きかけて変化させるのです。

― 体重は有難いものです。

― 重いという感じで動くと、力強さを表わす効果があります。

― 軽いという感じで動くと、浮いた感じを与えます。

 

 

 

エクササイズ

― 自分の体が作りだす重い感じ、軽い感じを体験しなさい。

― パートナーがお人形さんだと思って好きなように動かしてみなさい。

― 筋肉の力を使わずして、パートナーと踊りなさい。体の質量を通して動かすのです。

― 女性は目を閉じ、男性が彼の体重を使って何をしようとしているかを感じ取りなさい。次に役割交代して同じことをしなさい。

 

 

 

 

MT42 第9章 パートナリング/⑤呼吸
Breath

 

呼吸によって人間は生命を維持していられるわけですが、私たちがダンスをするとき、それが一人で踊っていてもカップルで踊っていても、呼吸は私たちの動きに命を吹き込んでくれます。

 

私たちは何も考えずに呼吸をしていますが、ダンスでは呼吸への意識の持ち方で動きに大きな違いをもたらします。もうひとつギアを増やすようなもので、ムーブメントが生き生きとしてきます。つまり、呼吸はムーブメントを取り込み、その動きを予測するのです。呼吸がうまい具合にダンスの計画の中に加えられたなら、パフォーマンスの半分は終わったようなものです。呼吸はパフォーマンスと計画を合体させるので、パフォーマンスにより高い質と視覚を与えます。

 

ですから、あなたの呼吸とパートナーの呼吸を同調させることがこの上なく重要になります。自分の呼吸の速さ、パートナーの呼吸の速さと深さを観察してみましょう。

 

お互いに相手の呼吸の仕方に影響を与えてみましょう。彼女の呼吸の仕方を自分に合わせるようにしたり、自分を彼女に合わせたりするとムーブメントがひとつになり…マジックが起こります

 

自分の体内器官に呼吸と動きを合わせた力学を学習させると、より多くの酸素が筋肉に運ばれ、疲れは軽減し、耐久力は増し、柔軟性も増すことが感じられるでしょう。しかし、それにも増して、あなたの傍にいる人と完全に調和することを感じるはずです。それは、例え遠くに離れている人とでも起こります。

 

― 呼吸…ステップ…これがひとつにならなければなりません。

 

 

エクササイズ

― 吸う息も吐く息も、あなたのステップと同じ長さになるようにしなさい。
― 呼吸の速さと深さに変化をつけながら、近くによって息を吸い、一緒に息を吐きます。
― 自由に呼吸して即興で動いてみなさい。

 


(「MT42 第9章 パートナリング」つづく)