G029 チャチャチャの歴史

投稿者: | 2020年3月9日

「私のダンス用語ノート」(自費出版)の出版前に、できる範囲でチャチャチャの歴史をインターネットで調べたことがあります。一部は拙書に掲載しましたが、掲載せずにパソコンの中に埋もれたままのものもあります。そうしたものは自分でも探しにくくなってきているので、紛失する前に、「役に立つ、立たない」の判断もすることなく、資料として原文と共に記録しておきます。また、(いつ消えるか分からない)YouTubeの映像も添付します。

 

G029 チャチャチャの歴史

 

1.StreetSwingより

チャチャ、あるいは、トリプル・マンボとは基本的には4/4拍子のトリプル・リズムのマンボ(2拍の間に3歩踏む)のことで、1分間に約126ビートで演奏されます。この踊りは英国人ダンサー、ムシュー・ピエール(*下記添付原文では “Pierre Leville” とありますが、Pierre と Ms Lavelle を一緒にした誤記と思われます)により世界に紹介されたと言われています。彼はルンバが時折2歩余分にステップを踏んで踊られていることに気付き、1952年頃、そのアイデアをヨーロッパに持ち込んだのです。

 

音楽としては1948年に、ハバナのキューバン・ダンス・バンド “アメリカ” がダンゾンの音楽に新しいシンコペートしたビートを乗せて演奏しました。それはマンボのゆったりとした響きをしていました。1954年になり、同じ “アメリカ” 楽団のエンリケ・ジョリン(Enrique Jorrin)氏がアメリカツアー(一部の人はメキシコツアーと言っていますが)をしている間の1948年に、ダンゾン(Danzon)とモンテューノ(Montuno)のふたつの音楽をミックスしてチャ・チャ・チャの音楽を完成していたことが分かりました。キューバのマンボ・ダンサーはこのシンコペーションに合わせ、僅かなトリプル・ヒップ・ムーブメントを使いましたが、これが後にトリプル・ステップに変わりました。1954年になり、チャ・チャがアメリカに入ってくると、ブームは1959年まで続きました。

 

チャ・チャの名は西インド諸島の植物から来ています。この植物にはチャ・チャ(スペイン語で子守りの事)と呼ばれるさや状の種を作りカタカタ音を出します。この小さな音はチャ・チャ(マラカス)と呼ばれ、メトロノームのようにして使う楽団もあります。

 

(原文)

The Cha-Cha or Triple Mambo is basically a triple rhythm Mambo (3 step rhythm to two beats of music, usually slower) done in 4/4 time, around 126 beats per minute. The dance may have been introduced to the world by a British dance teacher ‘Pierre Leville’ who noticed that the Rumba was occasionally danced with a couple of extra steps. He brought the idea back with him to Europe around 1952. Music wise in 1953 the Cuban dance orchestra “America ” in Havana, started playing the Danzon’ with a new syncopated beat, which sounded like a slow mambo. Later it was learned in 1954 that Enrique Jorrin, also of the band “America,” was said to create the full version of the Cha-Cha back in 1948 by mixing the Danzon and Montuno music together while touring in the U.S. (some say Mexico). Basically he just called the dance cha-cha after the shuffle he heard in the music. The Cha-Cha and Rumba are related to the Mambo (salsa) Dance.

Cuban Mambo dancers would add a slight triple hip movement to this syncopation which eventually was replaced by a triple step rhythm. The Cha-Cha was introduced to the United States in 1954 and by 1959 the U.S. was Cha-Cha crazy. The Cha Cha has the same rhythm as the Lindy (8 counts) such as 1-2/3&4/5-6/7&8. The words Cha-Cha hail from certain plants, producing seed pods in the West Indies called Cha-Cha (in Spanish means nursemaid.) These seed pods are used to make a small rattle called a Cha-Cha (maracas.) This instrument is used kinda like a metronome by certain bands.

 

▼1960年代のハバナで踊られていたチャチャらしいです。

 

 

2.ROUND DANCINGより

チャチャはルンバやマンボと共にハイチとキューバで発展し、1950年代にアメリカに渡りました。これら3種類の音楽は緊密に関係しており、ルンバを速くしたもがマンボで、チャチャは“チャ・チャ・チャ”と3歩踏むマンボと考えることができるからです。3つの踊りの多くの共通したフィガーがあります。

 

チャチャは人気のあるラテン音楽でゆったりとしたホールドで、スムーズに流れるように踊ります。音楽のテンポはルンバとほぼ同じですが、ルンバでは1小節で3歩ステップするところを、チャチャでは5歩踏むためルンバより早く感じます。ルンバではQ-Q-Sと踏むところをチャチャではQ-Q-Q-&-Q、あるいは、1・2・チャ・チャ・チャとステップします。良いチャ・チャ・チャの音楽では“チャ・チャ・チャ”のリズムを聞き取ることができます。

 

ほとんどのステップはボール、フラットでステップしますが、速いところではボールしか使いません。例えば左足でステップする場合、体重をかけずに床に突き出し、次に左膝を伸ばし、左脚部に自分の体重を滑らかに移動します。そして右膝を緩めます。この動作をすることで左ヒップが横から後ろへと移動します。続けて前進する際もボール/フラット/膝を伸ばす/ヒップの順で、後退のステップでもボール/フラット/膝を伸ばす/ヒップの順です。足のインサイド・エッジと親指のインサイド・エッジを使うことで軸足膝にもう一方の膝が寄ってくるのでキューバン・ダンスのヒップらしさが出て来ます。でも、それを強調しようとしてはいけません。ヒップを振らないこと。ヒップ・ムーブメントとは、ヒップを動かそうとすることではなく、足と膝の使い方から生みだされるものです。そして、体全体が音楽と共に流れるように動きます。

 

(原文)

Along with the rumba and mambo, the cha cha developed in Haiti and in Cuba and migrated to the United States in the 1950s. These rhythms are closely related, as we can think of the mambo as a fast rumba and the cha cha as a triple mambo. These three rhythms have many figures in common.

The cha cha is a popular Latin rhythm that is danced with a loose hold and with smooth, flowing movements. The tempo of cha cha is about the same as that of rumba, but we are fitting five steps into a measure instead of only three in rumba, so cha cha feels a good bit faster. Where the rumba is danced quick, quick, slow; the cha cha is danced quick, quick, quick/and, quick; or 1, 2, cha/cha, cha; In good cha cha music, you can hear the “cha-cha-cha.”

Most steps are taken ball-flat, although the quickest steps might be taken ball only. Step with the left, press into that step without weight, straighten the left knee and smoothly roll your weight onto the left leg, and bend the right knee. This will move the left hip to the side and back. Again, step forward with a ball/flat/straighten/hip, and back ball/flat/straighten/hip to get the rhythmic and rolling Cuban or Latin hip action. Use the inside edge of the ball of your foot and big toe, and this will move the non-supporting knee in front of the supporting knee and add even more to the Cuban hip, but don’t exaggerate. Don’t “wiggle your hips.” The hip movement is not independent but comes from the feet and knees. The whole body is flowing with the music.

 

▼今日キューバで踊られているチャチャのようです。社交ダンスのチャチャとまるで違いますが、別の良さが感じられます。

 

 

3.DanceSport UKより

チャ・チャ・チャはラテン・アメリカン・ダンスの新参者で、アメリカのダンスホールで初めて見られるようになったのはマンボが流行った後の1950年代前半のことです。マンボの後からすぐに出てきた音楽は世界中で人気を博し、チャ・チャ・チャと呼ばれました。テンポはマンボよりやや遅くリズムも複雑ではありません。チャ・チャ・チャ音楽を表現するには、楽しげで、心配事のない、ちょっと小生意気な、みんなでわいわいやっているような雰囲気を表現します。近年になり、チャ・チャ・チャの名前がチャ・チャに縮められました。

 

(原文)

Cha-Cha-Cha is the newcomer of the Latin American dances. This dance was first seen in the dance-halls of America, in the early fifties, following closely Mambo, from which it was developed. Shortly after the Mambo was introduced, another rhythm started to gain popularity, a rhythm that was ultimately to become the most commonly known of the Latin American dances throughout the world. It was named Cha-Cha-Cha. The music is slower than Mambo and the rhythm is less complicated. The interpretation of Cha-Cha-Cha music should produce a happy, carefree, cheeky, party-time-like atmosphere. Recently it was decided to shorten the name to Cha-Cha.

 

 

 

4.「社交ダンスの踊り方」(玉置真吾著/大泉書店/弐百円)

昭和33年(1958年)発行のダンスの本がどのようにマンボを紹介していたかが興味深く、記録として残しておこうと思います。

マムボ・チャチャチャ Mambo Chachacha

マムボはアメリカのジャズの一つの流れで、戦後わが国にはいって来たブギウギ Boogie-Woogie と、キューバの代表的な音楽ルムバ族 Rumba family との混合した新しい形と見ることができます。 第二次世界大戦がはげしくなるにつれて、アメリカでは壮者はみな欧州に出征したので、キューバを始め、その東南に弓状に連なる西印度諸島から多くの壮丁が募集されて軍需工場に働きに出かけました。

彼らは工場の仕事の終った後、音楽的才能のあるものは舞踏場などへ出かけて演奏して、ジャズ一般の演奏に当り、ことに当時最も流行していたブギウギのリズムも手に入るようになりました。そのうち終戦になり、おのずから、再び島へ帰ったとき、彼らのルムバは非常にシャズの影響を受けていました。ここに目をつけたのは、メキシコの楽人ペレス・プラード Perez Prado で、この新しいリズムによる新しい作曲をして大ヒットを飛ばしたものが、 マムボなのです。 マムボの音楽は二分の二拍子で、二小節を単位として演奏される、非常に煽情的なりズムなので、若い人たちに歓迎せられました。

この曲に対する踊り方は色々ありますが、何分この音楽にはブギウギの影響が多く、ブギウギはジルバとのつながりもあるので、SSQQSというリズムで、第二小節目の QQS はツウステップ Two Step と同じ形になり、キューバ人はこの形をチャチャチャというところから、チャチャチャというダンスも出て来ました。ここに説明するのはマムボの中にチャチャチャのステップの挿入された特色あるものです。
各ステップは膝をゆるめ、始め趾球でステップし、すぐ平蹠になります。(原文のまま)

 

 

▼ダンス名が「マムボ・チャチャチャ」とあるように、この項で取り上げられているステップは総てチャチャチャになっていますが、マンボを教わったとき、「楽に動けるようになったら、チャチャチャ・ステップにしてみましょう」と教わったことを思い出しました。「マムボ・チャチャチャ」に納得です。それにしても、こうした古い本を開く度(数冊しか持っていませんが)、著者の溢れるばかりの情熱が感じられます。同時に、幅広い知識に驚くばかりです。どこからどのようにして情報を集めたのでしょう? それを翻訳する凄さにも、驚くばかりです!

 

ハッピー・ダンシング!