MT15 第3章 信念(その1)

投稿者: | 2020年2月26日

「ダンサーのためのメンタル・トレーニング」(マッシモ・ジョルジアンニ著/神元誠・久子翻訳/白夜書房 原書名:DANCING BEYOND THE PHYSICALITY)を紹介します。

■目次

 

MT15 第3章 信念(その1)
Beliefs

 

あなたの深層にある信念が、これまでのあなたの原動力となり指針となってきました。その信念がまた、今日のあなた自身へと導き、明日からのあなたに向かって準備をしています。

バランスの取れた人生とか、未来に目的を持った人生といった目標を持っている人なら誰でも、毎日エネルギーに満ち溢れた朝を迎え、進むべき道を邁進することでしょう。それは、私たちの中にある原動力が、あたかも、その目標に向けて歩むよう導いているかのようです。その結果、人は、自分自身の信念と向き合うことになるでしょう。

 

●私は何を成し遂げただろう?

●なぜ、自分の目標を達成できた(できなかった)のだろう?

●この先、設定したゴールに到達できるのだろうか?

●必要とする技術や潜在能力を引き出すことができるのだろうか?

●私を邪魔する困難とは何なのか?

●私はそうした困難に直面することをどう考えているのだろう?

●その仕事をやる能力が自分にあると思うか、思わないか?

 

こうした質問に答えることで、自分自身のこと、自分の技術や能力、行動の癖、あるいは、ある種の選択へ自分を押しやる感情や、反対に遠ざけようとする感情など、そうしたものを評価する深い判断力が自分の内面に潜んでいることに気づかせてくれます。

 

もう一度お話ししますが、自分にとって何を良しとするか、何が可能か、あるいは、何が価値あることか、私たちは常に判断を迫られています。そして、自分の内部深くに潜む信念が現実を作りだしていることを自覚するのです。

 

自分の信念を明確にすることは重要な一歩です。しかし、そうした信念の質に気づくことの方がもっと重要です。そこで、自分自身に質問を投げかけてみましょう。

 

●そうした信念が過去に役に立ったことがあっただろうか?

●そうした信念が私を躊躇させていたことはないだろうか?

●それとも、どちらも現実的な話ではないのだろうか?

●もしそうなら、今現在において、信念を持つことは正しいことで、自分にとって良いことなのだろうか?

●そして、それは自分が抱く将来のゴールに、どのような影響を与えるのだろうか? ― と。

 

私は、自分が持つ確信の質を意識し始めた瞬間に変化が訪れるということを、心底納得しています。ダンスを例にすると、もし、あなたが、本当に自分の踊りに変化をもたらしたいと思うなら、あなたがダンスに対して抱いている信念がどのようなものか、まずそれに気づくべきです。そうすると、自分に限界を設けたり、目標に突き進むことを邪魔したりする要素を取り除く作業ができるのです。

 

これは自分の体験なのではっきり言えるのですが、心の底からそうしたい、心の底からそれができると思ったことはすべて達成することができました。自分が信じていなかったことは、なんら達成することができませんでした。決して方便でそう話しているのではなく、実際に振り返ってみても、「信じていたこと」と「信じていなかったこと」の違いは紛れもなくあったのです。

 

あなた自身が心底納得すれば、しっかりとした未来をイメージすることができるのです。希望することが叶えられる可能性が見え、それにより、自信を持ってゴールへ向かって次のステップを踏み出すことができるのです。

 

実際のところ、私たちの心は実体験したことと単純にイメージしたことの違いを区別していません。それは、科学的にも証明されています。つまり、脳は現実と空想を区別しないのです。すなわち、自分は何をしたいか、それを、まるであなた自身が監督と主演を演じる映画のように、心の中で上映する感じで鮮明にイメージすると、それに向かって必要なアクションが起こり、ゴールに到達するための行動を起こすようになるのです。イメージすることで、実際にそのことが起こる傾向を引き起こすのです。

 

イメージはあなたの潜在能力に焦点を合わせ、それが練習中であっても競技会中であっても、実現化するための必要な感覚をもたらしてくれます。

 


(「MT15 第3章 信念」つづく)