AT25 最終話 難しいのはあなたの古い習慣

投稿者: | 2020年2月8日

今回はジェレミーさんの最後の問いについて見て行きましょう。その前に4つの問いを思い出しましょう。

①脳はどのように筋肉に働きかけていますか?
②意図した動きをしたかどうか、どうしたら分かりますか?
③その時々の自分の空間をどうやって認識できますか?
④必要最低限の緊張しか使わなかつたことが、どうやって分かりますか?

 

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📌BODY CHANCE – アレクサンダー・テクニーク

 

 

私とダンスとアレクサンダー・テクニークと
AT25 最終話 難しいのはあなたの古い習慣


ダンス――遥かにうまくなるための秘訣(Dance Wing 56,6回目記事より)


 

④必要最低限の緊張しか使わなかったことが、どうやって分かりますか?

いよいよ連載の終わりに近づいてきましたが、まだまだお伝えしたいこと、経験して頂きたいことがたくさんあります。アレクサンダーは自分の発見を教え始めたとき、非常にストレスを感じました。人に感じ方を伝えることが不可能ではないにしても、非常に難しいと感じたからです。

 

その大きなストレスを解消すべく、彼は手を使い始めました。手で情報を直接ボディ・スキーマに送り込むことで、ボディ・イメージを迂回することができるようになったのです。言い変えれば、教えている間、彼の手が相手のボディ・イメージの代わりをしたのでした。

 

ここでアレクサンダー・テクニークのレッスンを簡単に紹介しますので、今までの記事も参考にしながら、自分でやってみてください。時間は掛かるかもしれませんが、根気よくやれば大丈夫です。また、一人でも、ボデイ・チヤンスの先生と行っても、やることは同じです。

 

1. はじめに、ダンスが上手くなるために、これをしたいという対象を決め、それをビデオに撮ります。ボディ・チャンスの先生と一緒のときは、それをやって見せましょう。

2.自分の動きを観察し、軸骨格と付属肢骨格(前号参照)の観点から分析します。動きの意図がどこか、今どんな問題に直面しているかを分析します。

3. 次に、新しいボディ・イメージでこの実験をすると決心します。アレクサンダー・テクニークの先生と一緒の場合、先生は新しいボディ・イメージを理解させるために手を使うかもしれません。

 

そして、ステップ1に戻ります。今度はステップ3でできるようになった新しい動きの探求からスタートします。簡単に話していますが、その通り簡単です。私の先生、マージはよく話していました。「これは簡単。難しいのはあなたの古い習慣なの」 と。

 

 

大きな情熱があれば

さて、この連載の中で私が強調してきたことは、習慣を変えづらくするものは何かという点です。

 

一度ある感じ方に慣れてしまうと、その感じ方が、次に変わるのを難しくします。慣れた感じ方のままずっと行ければ良いのですが、自分を変えるためには、その感じ方を完全に変えなくてはなりませんが、変えたくないと思ってしまうのは、先ほどの足を揃えるテストがそうだつたように、あなたの中の古いボディ・イメージが「それは変だよ」と報告しているからです。

 

手っ取り早い変え方は、先生の手を通して違う感覚を感じ取ることですが、先生達がそれをできるようになるには4年の訓練を必要とします。あなたはそこまでやらなくても、ボディ・チャンスに通えば1年くらいでボディ・イメージをリセツトし、この実験を一人でできるようになるでしょう。

 

アレクサンダー自身に先生がいなかったように、誰でも一人でやり遂げることが可能です。

 

「問題が大きいほど、情熱が大きいほど自分を変えることはより簡単に、より迅速になる」―― これが私の経験からくる感想です。

 

さて、あなたのダンスに対する情熱はどのくらいですか?  そこがスタートです― 

(おわり)

 

(「ダンス――遥かに上手くなるための秘訣」第6回記事から)

 

 

 

ダンスウイングにこの記事が掲載されていた頃の事です。サークルで教えている女性が自転車事故か何かで鎖骨を骨折し、何か月か休んでいた時期がありました。その彼女が怪我から復帰すると、踊りがグングン上手になっていき、私たち夫婦を驚かせたことがあります。怪我する前のレベルに戻すのも大変な事なのに、ブランクを全く感じさせず、前のレベルをスイスイ通り過ぎて行くのです。それは、普通の自転車から電動自転車に乗り換えたような感じでした。

驚く私たちに彼女はニコニコしながら、「あの記事が役に立っている」と話してくれました。その記事とは、「ダンス ― 遥かに上手くなるための秘訣」のこと。彼女は病院での待ち時間の間、それを繰り返し読んでいたと言います。

驚きました。彼女は一流スポーツマン同様、怪我をプラス要因に変えてしまったのです。動けない時間を使って動きの原理を学び、それまでより動ける自分へと!

 

 

■私からのご挨拶

ダンスウイングで2009年11月号から2010年9月号まで6回にわたって連載された記事をお届けしました。隔月誌でしたが、ジェレミーさんからの原稿を受け取るとあっという間に締切日が近づき、これが月刊誌だったらと思うとゾッとする位でしたが、読者の反応に背中を押されて頑張れた気がします。

そうそう、AT07 あらゆる動きはどこかに影響を与えているの回で、「今まで目にしたことのない単語が次々と山のように飛び出してきて、原稿の前で遭難しそうになりました」と書きました。これを読んで、翻訳がどこまで正しいか不安になった人もいたかと思います。でも、ご安心ください。目黒のボディ・チャンスには素晴らしいバイリンガルの先生がおり、私の訳文には全部目を通して頂いていましたので、私も安心でした。

 

さて、この企画を通し、素晴らしい記事を提供してくださったジェレミーさんに改めてお礼申し上げます。

 

私がダンスウイングの編集を任されるようになったとき、英国人のジェフさん(Mr. Geoffrey Gillespie)に英語顧問をお願いしました。彼は号を重ねるごとに真顔でバイリンガルな雑誌になってきたことを褒め続けてくださり、編集部のモチベーションを上げてくださいました。そして、いつもポジティブに英語の相談に乗ってくださり本当にありがとうございました! ジェフさんがいなければ到底この企画(バイリンガルにするという)は成し得ず、なんと、この最終回を迎える頃には(他の記事にも英語説明などを入れていたので)読者が海外23か国まで広がっていました!

 

本連載のページデザインは加藤幸大(写真左)さんでした。いつもグレードの高いレイアウトをしてくれました。写真右は表紙やカラー特集ページのデザインを担当してくださった清水さん。読者からダンスウイングが「ガラッと変わった」と評されたのも、こうしたデザイナーさん達のお蔭でした。本当に有難うございました。一緒に仕事をして楽しかったです。

 

そして、私に参画する素晴らしい機会を与えてくださったダンスウイング誌(スタジオひまわり)と編集部の皆さんに深く感謝いたします。

 

最後になりましたが、本当の優先順位は1番です ― 本誌の記事を読んで下さった読者の方にお礼申し上げます!

 

 

 

⬛第6回記事をPDFで!

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  • 英語の原文も紹介しています。読まれる方はPDF最後のページから逆読みしてください。
  • English text is also available in PDF attached herewith. Read from the last page in reverse way.