ビクター・シルベスターのモダン・ボールルーム・ダンシングから「16.タンゴ」をお届けします。
第二章 実習
16.タンゴ
The Tango
タンゴの基本の踊りには広いスペースを必要としませんし、初心者が習うにも大変シンプルな踊りです。音楽は2/4拍子(1小節に2拍あります)、ビートがはっきりしているので音は取り易いでしょう。フィガーの練習に入る前に、音楽を良く聞きビートに合わせて手を叩く練習をすると良いでしょう。
●ホールド
タンゴのホールドは他の種目とは少し異なります。女性は他の種目のときよりも男性の右サイドに位置します。男性の右手はより深く女性に回すことで男性の右サイド(頭から足まで)は左サイドより少し前方になります。この形はタンゴの前進ウォークの特徴です。女性の左手は男性の上腕の少し上、後ろ側に起きます。男性の左手前腕と女性の右手前腕は少し自分たちの方へ向けて曲げます。
●前進ウォーク
これはほとんど日常生活で歩くのと同じで、1歩1歩を自然な歩幅で歩きます。足の使い方は、はじめにヒールが床に着き、次に足全体(WF=ホール・フット)が床に着きます。1拍に対して1歩踏み‘スロー’とカウントされます(注:タンゴでのクイックのステップは1/2拍です)。1歩1歩は力強く、しっかりと踏み出します。これがとても大切なポイントです。
タンゴ・ホールドの形により、左足前進のステップはどれも僅かに上体を横切るようにステップし、右足前進のステップはどれもオープン・ポジション、即ち、上体を横切らない形でステップすることになります。この正しい形を習得する方法として、左足前進では左膝の後ろ側が、前方にある右膝を触れながら通過します。右足前進では、右膝の前側が左膝の後ろ側を触れて出て行くようにします。同時に、両つま先が同じ向きになっているよう気をつけます。この時上体は僅かに左の方に向いています。このウォークを繰り返すと、わずかに左へカーブが描かれます。
●後退ウォーク
これもできるだけ自然に行ないます。後退する足は常にトウが先に床に着き、次にボール、そしてヒールが着きますが、ヒールが床に着くのは、もう一方の足がその傍を後ろへ通過するときです。
タンゴ・ホールドの形から、右足後退のステップはどれも僅かに上体を横切るようにステップし、左足後退のステップはどれもオープン・ポジションになります。前進ウォークで述べたように、後退ウォークで正しい形を習得するには、右足後退では、右膝の前側が左膝の後ろ側に触れながら通過するようにし、また、左足後退では、左膝の後ろ側が右膝の前側を触れながら通過するようにします。当然の事ですが、こうした後退の動きを繰り返すと、わずかに左へカーブが描かれます。
●その他の特徴
両足が閉じて終わるすべてのフィガーで(例、ロック・ターン、オープン・リバース・ターン、クローズド・プロムナード、そして、バック・コルテなど)二人が向き合って終わる時、男性の右足は左足の少し後ろへ置き、女性の左足は右足の少し前に置きます。プロムナード・ポジションでは、女性の左足は少し後ろに閉じます。
初心者用の簡単なルーティンをナチュラル・プロムナード・ターンの後に掲載しました。
●膝
普通に歩くときのようにステップするので、多種目のダンスの時よりも膝は緩んでいます。
■ステップの説明頁(PDF2つ)を読みましょう。以下のステップが出ています。
- プログレッシブ・サイド・ステップ
- ロック・ターン
- オープン・リバース・ターン(レディ・アウトサイド、クローズド・エンディング)
- クローズド・プロムナード
- バック・コルテ
- ナチュラル・プロムナード・ターン
- タンゴ練習のための簡単なルーティン
- ベーシック・リバース・ターン
- オープン・プロムナード
- オープン・リバース・ターン(レディー・イン・ライン)
- ナチュラル・ツイスト・ターン
- プログレッシブ・サイド・ステップ・リバース・ターン
- 左足のロック・バック
- 右足のロック・バック
- プログレッシブ・リンク
- プロムナード・リンク
- フォー・ステップ
- フォーラウェイ・プロムナード
- アウトサイド・スイブル(1)
- アウトサイド・スイブル(2)
- アウトサイド・スイブル(3)
- ブラッシュ・タップ
MBD198-213
MBD214-226
(この項おわり)
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「モダン・ボールルーム・ダンシング」
(ビクター・シルベスター著/神元誠・久子翻訳/白夜書房)
2005年12月出版
原書名:Modern Ballroom Dancing (Victor Silvester)
世界で60万部以上の販売実績を誇る、ボールルーム・ダンス本のトップセラー。1922年の第1回世界プロフェッショナル・ボールルーム・ダンス選手権のチャンピオン、ビクター・シルベスターがダンスの歴史を遡り、スタンダード・ダンスの起源と発達を語る。実習編では、初心者にも適した踊りから上級者向けまで詳しく解説。
ビクター・シルベスターは楽団を率いていたことでも有名ですし、同様に、ストリクト・テンポを確立した人としても名が知れ渡っています。私がダンスを始めた時にも、イギリスからビクター・シルベスター・グランド・オーケストラのLPを何枚も買い求めていましたので、そのように著名で偉大な人が書かれた本の翻訳をさせて頂く機会を得たことは、この上なく光栄でした。
神元誠・久子