どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。今回は第5章「女性のための10の話」の最終話です。
MA53 第5章 女性のための10の話
(第10話)理論を知る!
ここまで、入門レベルから、かなり踊れる経験者までの女性に役立つ話をしてきました。
「えっ、同じ話が、どうして入門者にも経験者にも役立つの?」
今、鋭くそう考えた人はいませんか?
その答えですが、実は同じ話でもレベルが違うと読み方が違うので、大丈夫なのです。
あるとき、レッスンを終えたサークル員が言いました。
「言われたことを考えながら踊ると上手くいくけど、それを忘れて、感覚に頼ると失敗するの」
――――上手く踊れたときの感覚通りに踊れないのは、その感覚がすでに変化していることを語っています。
また、上手な人の形や動きを真似しようとして、その通りにできないことがあります。
それは、あなたの体が、
「難しい・・・・・・」と判断すると、似たようなことでごまかし、
「ご主人様、これでございますね」と報告します。
「似ている」けれど「違う」形はこうして生まれます。
このように、感覚とは極めてあてにならないものです。
そこへ行くと、理論は違います。
「なぜフットワークはそうするのか」
「なぜ目線を固めてはいけないのか」
「動きが止まる原因は何か」
などと、理論や原理を学ぶと、それを思い出す限り、どこにいようと、自分で確認作業ができます。
理論の最大の利点はそこにあります。
そうした理論が詰まっているのがダンスのテキストです。テキストを持っている人は、そこに問いかける習慣をつけてください。
時を経てテキストを開くと、以前「分かった、分かった」と思っていたところに、より深い情報が埋もれているのを発見することでしょう。
そうです、レベルが違うと読み方が違うのです。テキストを持っていない人は、この本を読み返してください(笑)。
感覚に裏切られることがあっても、
理論はあなたの永遠の友達でいてくれます。
(「第5章 女性のための10の話(第10話)理論を知る!」おわり)
ハッピー・ダンシング!