MA48 「私は先生なのだ」

投稿者: | 2020年1月31日

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。ここでは第5章「女性のための10の話」を紹介します。

 

 

MA48 第5章 女性のための10の話
 (第5話)「私は先生なのだ」

 

女性の中には、「踊ってもらう」と言う考えに占領され、それがイコール「連れてってもらう」となり、結果、バランスを崩しているのさえ気づかずに踊っている人がいます。

 

バランスを崩す大きな原因の一つに、スタンダードでもラテンでも、女性の足の位置が男性に近過ぎることが挙げられます。特にスタンダードでは、大きなトップを演出しようとして顔を左に、上体を後ろに倒してしまう女性がたくさんいますが、それが、男性の近くに立ち過ぎる原因になっています。

 

拙訳書「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック(オリバー著)」(白夜書房)にも書いてあるように、二人の足の間には適切な距離が必要です。また、ビル・アービンはこうも話していたようです。

「小さな木片の上に二人で立つことはできない」と。

二人が踊るベース(土台)が小さくなり過ぎると、お互いが立てなくなってしまう、と言う説明です。

 

(注)オリバー・ヴェッセル・テルホーン(Oliver Wessel-Therhorn)”The Irvine Legacy”の著者。
訳本は「ビル&ボビー・アービンのダンス・テクニック」(神元誠・久子翻訳/白夜書房)

 

たかが「立つこと」と思わず、こうした知識をしっかり持ち、自分の足に立つようにすることが大切です。自分のバランスで立てるようになり、自分の体に対する意識が高まってくると、徐々に大きなトップが作れるようになります。

 

その自分の足に立つ方法として、「自分が先生」と思ってみましょう。

すると、必然的に自立した踊りになります。

 

理屈は簡単です。

「自分が先生」だとしたら、生徒の男性のバランスを考えなければなりませんから、押したり引いたりすることはしないからです。

かくして、自然と自分のバランスで踊るようになります。

 

飛行機の緊急事態で酸素マスクが下りてきたとき、子供を連れている親は、最初に自分がマスクをつけ、それから子供です。

自分が倒れてしまうと子供を助けられないからです。

ダンスも同じで、自分のバランスが優先されなくてはなりません。

 

「私は先生」と思って踊ると、あ~ら不思議、
自分のバランスが見つかりますよ。

(「第5章 女性のための10の話(第5話)「私は先生なのだ」」おわり

 

ハッピー・ダンシング!