AT12 頑張らなくていい

投稿者: | 2020年1月30日

ジェレミーさんには6回の連載記事をお願いしていましたが、連載2回目の翻訳をしているとき、私は非常に大きな不安に襲われていました ―― 「もしかすると読者は、この連載記事を読んでくれていないのではないか…」

沸き上がる不安が翻訳の手を止めてしまいます。

ジェレミーさんはダンスをされないので、記事の内容はダンサーが直接的に興味を持つダンスのステップについてではありません。

むしろ反対の、ダンスから遠く離れた所とも言える話なので、一般のダンサーには読み始めるのが難し過ぎるかもしれないと思い始めたからでした。

「どうしよう…。企画は失敗か…。
そうなら、連載の残りは誌面を埋めるだけになってしまう…」

 

頭の中も体の中も「不安」で溢れ返っていましたが、幸いにしてその不安は間もなく払拭されることになります。重苦しい気持ちで翻訳を続けていた所に、1回目を読んだ読者からの喜びのお便りが続々と届き始めたのでした。

「やった! いける!」

読者が本や雑誌を読んで感銘を受けても、出版社や著者にお便りを出すのは精力がいることに違いありません。ですから、編集部に届いた読者の声の数々は非常に大きな励みになりました。

 

 

私とダンスとアレクサンダー・テクニークと
AT12 頑張らなくていい

 

さて、本題のジェレミーさんの話に入りましょう。初めに7つの原理を抑えておきましょう。

ボディ・チャンスの7つの原理

1. すべての動きは相互依存の関係にある。
2. 有害な動きは概ね知らないうちに行われている。
3. 動きは健康や精神状態に大きな影響を及ぼす。
4. 頭部の動きは脊椎運動を支配する。
5. 動きは古い感覚に支配されている。新しい考えで動くことはまれである。
6. 動きは緊張を減らすことで変わる。増やしてではない。
7. 私たちの運動感覚は体内で調整される。

 


ダンス――遥かにうまくなるための秘訣(2回目記事より)


 

原理6.動きは緊張を増やしてではなく、減らすことで変わる

 

緊張を増やすことで緊張をなくすことは出来ません。これはお分かりいただけると思います。ゆったり動きたいなら、当然、より少ない労力で動かねばなりませんから、頑張ってゆったり動くことなどできはしません。でも周囲を見回すと、どれ程多くの人がこの矛盾を行っていることでしょう。

 

私が観察したところ、ポスチャーやムーブメントを正そうとしている人の多くが、頑張らないようにするのではなく、もつと頑張っていることです。首や背中、肩が張ったとき、どうしますか? 自然と首や背中をストレッチさせたり、肩を後ろへ引いたり上げたり、あるいは背中の曲げ伸ばしをしたりして緊張を解こうとしていると思いますが、果たして、それによって緊張は解消しているでしょうか?

 

では、ちょっと考えてください。

ストレッチすると、その悩みからず― っと解放されると思いますか? きつと、5分も経たないうちに痛みは戻り、再びストレッチをしていることでしょう。これを何ヶ月、何年と繰り返す――これが体のシステムに緊張を増やし続けている行程です。緊張を減らしている訳ではありませんから、体に良い訳ありません。

 

原理6をもう少しみてみると、例えば、あなたのムーブメントがどこかおかしいときは、それは何かおかしくすることを行っているからなのです。体の中には素晴らしいデザインカが備わっており、あなたが出来ると思うことを行なう力を持っていますから、もし、他の人が出来て自分に出来ないことがあるとすれば、それは、あなたが他の人と違うことをしているからに過ぎません。

 

では、それを解決するにはどうしたら良いでしょう? それは、他の人はやっていないのにあなたがしている、その余分なことを見つけ出し、それをしないようにすることです。

 

これこそ、この原理の意味するところ ―― 頑張るのを減らし、増やさないこと ―― なのです。

(「ダンス――遥かに上手くなるための秘訣」第2回記事から)

 

 

このボディ・チャンスの原理を知ってから、私たちはサークルのレッスンの中で「頑張らなくて良い」という説明がぐんと増えました。「頑張らない/頑張るのを減らす」を「筋肉を固めない/筋肉を緩める」に置き換えることもできると思います。

(つづく)

 

 

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