「サークルで上達するボールルーム・ダンス」の各フィガーの説明で、初めの一歩の前に ~膝をゆるめながら~ あるいは、~膝をゆるめてから~ と入れてあります。つい見落としがちかもしれないこの控えめなメッセージについてお話ししましょう。
SB104 突然ドアを開けないで!
ひとつのアクションを起こすとき、“突然” 前進したり “突然” 後退したりするのは、突然ノックもせすにドアを開けようとするようなもので、相手は何ら心の準備がありませんから当然びっくりしてしまいます。
~膝をゆるめながら~ とは、「もしもし」とドアをノックする、そのメッセージを膝に託す行為ですから、スタートの前には必ず「もしもし」と膝で合図を送ってから出て行ってください。
予備歩を使う場合も同じで、予備歩の前の足の膝を緩めながら出て行きます。このときホールドをきつくしないで、緩んだ膝の分だけ手首の力を抜くようにしましょう(肘の高さは変えないで)。
くれぐれも、突然ドアを開けようとしないでください。
自分では膝を緩めたつもりが、”お尻が落ちて” しまうことがあり、「お尻を落とさないで」とか「腰を前に出して」などと注意を受けることがありま。“お尻が落ちる” とは、骨盤の向きが正面より上の方を向いてしまう場合で、“腰が引ける” とは、お尻が踵より後ろになる場合です。
「腰が引けた状態」は割合容易に自覚できますが、僅かにお尻が落ちているときは、どこをどうして良いか分からないときがあります。そのような場合、真っすぐに立ってから足首だけ緩めてみましょう。ダンスでは「膝=足首」なのです。足首を緩めると自然に膝も緩むはずです。
余談ですが、英語で「膝をゆるめなさい」は、“Bend Your Knee(s)” <ベンド・ユア・ニー(ズ)>と言いますが、これを普通の早さで話されると、日本語の「便所に」と聞こえます。
英国留学したての英語のあまり分からないカップルが、コーチャーに “Ben your knee¨ と注意され、反射的に日本語で「まだ行きたくありません!」と応えたという話があります。(笑)
ハッピー・ダンシング!