どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中。ここでは第4章「ラテンの悩みを解決する10の話」を紹介します。
MA34 第4章 ラテンの悩みを解決する10の話
(第2話)ファン・ポジションの形
ルンバやチャ・チャ・チャでファン・ポジションからホッケー・スティックやアレマーナに入ると、1~3歩目で男性から離れる方向に歩き出す女性をよく見かけます。これが後半を踊りにくくする原因の大半です。
では、ファン・ポジションの基本形からチェックしてみましょう。
女性のポジションは、
1.男性左手の延長上にいること、また男性側面に対し、あなたの体は直角であること。
2.つまり、女性が真っすぐ歩くと、男性の前面に、女性の右腕外側が触れるくらいです。そうしたところで、ファン・ポジションになります。
男性は女性をファン・ポジションにリードする際、この基本の形になるようにします。
そのためには、オープン・ヒップ・ツイストやクローズド・ヒップ・ツイストの4歩目で、女性が自分の左方向へ進めるよう、3歩目の後半で両腕の枠をゆったりさせましょう。左肘に力が入ると、女性の右サイドを開かせることになります。そうすると、女性は男性の左斜め前に出て行ってしまいますから、そうならないように注意が必要です。
また、自分のリードの方向に女性が進まなかった場合、5歩目で自分の足の位置や回転量を調節して、ファン・ポジションを確保するようにしましょう。このちょっとした努力で、その後がとても楽になります。
無事に男性の左側でファン・ポジションになった女性でも、男性の方を向かず、少し左サイドを開き、左を向く人も多いです。それが、いっそう次のフィガーでトラブルる原因となっています。
それにしてもなぜ、ファン・ポジションでそこまで左に開きたいのでしょう・・・・・・。
「だって、上手な人たちがやっているから・・・・・・」
・・・・・・たしかに。
では、こうしましょう(笑)。
実際、その形が悪い訳ではありません。そこから次のフィガーを踊って問題がない人は今のままでいいのです。
でも、次が踊りにくく感じている人は、まずは、最初に示したファン・ポジションの形になるようにしてみましょう。それができるようになった後で、左に開いてトラブったときの対処法はこれです。
再確認しますが、ホッケー・スティックやアレマーナの後半でトラブる原因は、ファン・ポジションから始まる3歩の間に、あなたが男性から離れてしまうことです。ですから、その3歩を男性の方に歩めるようにすれば良い訳です。
そこで――――
①顔は左を向いていても、気持ちは男性の方にしっかり結び付けておきましょう。
②女性は左足の開き具合を観察しましょう。そして、右足を左足に揃え体重を置き換えるとき、男性の方におへそが向くまで右足の上で回転します。こうすると、最初にお話しした女性のポジションに戻れます。
ファン・ポジションの男女の位置関係を守りましょう。
自分が何をやりたいかではなく、相手と何をするかです。
(「第4章 ラテンの悩みを解決する10の話(第2話)ファン・ポジションの形」おわり)
ハッピー・ダンシング!