クローズド・プロムナードによく似たフィガーだと思いませんか? でも、どうしたらクローズド・チェンジになり、どうしたらウィスクになるのか、男性はそのさりげないリードの仕方を研究しましょう。(本書では Whisk を「ホイスク」と表記しています)
SB26 Waltz 5 ウィスク(1)
(Whisk I)
教師用テキストにウィスクはひとつしかありませんが、本書では意図して(1)と(2)に分けています。それ程踊り方の違いに注意を払う必要があるとと感じているからです。
■「サークルで上達するボールルーム・ダンス」
ウィスク(1)の頁を開きましょう。
W6 Whisk merged(注)このページは「足型図でうまくなるダンス」より。
■参考動画(拙書「パーティーはおまかせ」DVD)
クローズド・チェンジ2種類、ナチュラル・ターン、リバース・ターン、ウィスク、シャッセ・フロム・PP、ナチュラル・スピン・ターン、そして、方向転換の仕方が含まれています。
サークル活動を始めて以来、フィガーを教えるときにはフィガー名の意味をできる限り調べて、一緒に説明するようにしてきました。ウィスクの意味は英和辞典に「小箒(こぼうき)でサッと掃く様子、牛や馬がしっぽでハエなどを追い払う様子、あるいは、魚が岩陰にサッと隠れる動作」。また、「(料理用)泡立て器、泡立てる」の意味が出ています。
「そうだよね、そんな感じの動きをしているよね」と、大いに納得してサークルで説明してきました。
それから30年近く経ち、オリバー・ヴェッセルの “The Irvine Legacy” を翻訳していたら、次のようなエピソードが書かれていました。
「ムーア氏は無類のウイスキー好きで、レッスン前にはいつも1、2杯飲んでいました。そんなあるとき、左足からのクローズド・チェンジを踊ろうとしてよろけ、すかさず左足を右足後ろにかけたのがウィスクの起こりです。ウイスキーのおかげで生まれたこのフィガーの命名には手間をかけずに、ウィスクとしました」 (注:ウイスキー(whisky)から ‘y’ を取って)
この一文を読んだとき、「まじ、早く言ってよ! 分かってんなら、そういうエピソードもダンス教本に入れておいてよ!」って感じでした(笑)。
ハッピー・ダンシング!