混雑したフロアで動けなくなった時やぶつかりそうになった時、ただ呆然と立ち止まってしまうのではレディが可哀そうです。そんな時、このステップを活用してください。踊り方はボックス・ルンバのサイド・ステップの要領です。
SB13 Blues 11 サイド・ステップ(Side Step)
■「サークルで上達するボールルーム・ダンス」
サイド・ステップの頁を開いてみましょう。
たったこれだけのステップですが、知らないと使えませんし、思いつかないと使えません。
私たちはダンスを習うと、
「何かしら特定の素晴らしいフィガーを習って、それらを繋げて踊る」と考える傾向があります。
私もそうでした。確かに多くの場合はそうなのでしょうが、それが総てではないと知る素晴らしい経験をしたことがあります。
それは、ロイヤルアルバートホールで行われていたインターナショナル選手権の時でした。
スタンダードの準決勝あたりだったと思いますが、当時の世界チャンピオンのミルコ&アレッシアがクイックステップでコーナーに行ったとき、偶然、他の数組のカップルに取り囲まれる形になり、直ぐには抜け出すことができません。
どうするのかと興味津々で見ていると、二人はトウの高いバランスを保ちながら、サイド・ステップを繰り返して混雑を抜けて行ったのです。スロー・カウントでただの横歩きです。しかも笑顔を浮かべながら!
ただ横にステップするなら誰だって出来ます。
けれど、それまでの私には、そういう場面でそれを使うというアイディアがなかったので、とても驚きました。
今回のブルースのサイド・ステップもそうです。踊っている最中に思いつかないと使えません。しかし、なによりもまず、知らないと使えません。そう思いませんか?
■「社交ダンスヴァリエーション集」(ヴィクター・シルベヴェター著/高松太郎訳編/一誠社 昭和8年発行 定価壹圓五拾錢)に、このフィガーは1932年に発表されと書いてあります。
ハッピー・ダンシング!