どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回から、第3章「スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話」に入ります。今回はいつまでもトラブル「ウィーブ・フロム・PP」についてです。
MA26 第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話
(第4話)トラブるウィーブ・フロム・PP
ウィーブ・フロム・PPの悩みは男性からも女性からも寄せられます。私たちも長いこと悩んでいたのでよく分かります。とにかく、1~2歩目で動きが途切れて、男女バラバラ。空中分解したカップルに、こんなアドバイスが聞こえてきます。
「1歩目に出たら、2歩目は女性が先。男性は後から!」
「女性を放り出せ! 男性は追いかけろ!」
その通りにやりたいのですが、それが上手くいかないのですから、ウィーブ・フロム・PP最大の難関は最初の2歩にあると言えるでしょう。
「2歩目は女性が先に行って、男性は後から女性を追いかける」――――私たちもそんなイメージでやっていた間は、いつまでもトラブル続きでした。
そして、長年たったある日、ふと気がつきました。女性は先に行けない「事実」に。
つまり、「女性は先に行かない。ただ男性の右ボディの上で、PPからスクエアに戻るだけ」と。
本当に女性が先に行くと、それは男性のボディから離れることを意味します。
それにも関らずコンタクトをキープしようとする、この矛盾を行なおうとするのですから、できる訳がありません。
トップ・ダンサーのビデオを見ても、このフィガーの間中、そんな場面はどこにも見えません。
やはり、「女性は男性の右ボディの位置で、PPからスクエアに戻るだけ」なのです。
「でも、そうやって教わっているもん・・・・・・」
と、まだ疑っている人は、PPのスタートの形になった所でホールドを離し、男性は「ちょっと失礼」と、女性を両手で軽く抱きしめ(あるいは、右手を女性の腰に回し)て踊ってみましょう。女性が両手で男性を抱きしめる形もOKです。
とても楽に踊れることを発見することでしょう。
驚愕の事実。それは、女性は先に「行・か・れ・な・い」!
先に行こうとしなければ、綺麗に踊れるのです。
(「第3章 スタンダード・ダンスの悩みを解決する11の話(第4話)トラブるウィーブ・フロム・PP」おわり)
ハッピー・ダンシング!