どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は「フットワーク」の話しです。追加の話として「テキスト」の作られ方を示す文章を入れました。
MA17 第2章 サークルで上手くなる11の話
(第6話)フットワークを知らない?(その1)
人は生まれて知らない間に歩けるようになるので、「歩ける人は踊れる」などという言葉を聞くと、「それじゃ、私も踊れる」と思う訳です。
「歩ける人は踊れる」――――この言葉はある意味で正しいですが、別の意味では、それほど正しくありません。そのことは別の機会にお話しすることとして、ここでは、次のことを考えてみましょう。
あなたは恋人と手をつないで歩いています。もし、恋人が片足を怪我していて、ちょっとだけ引きずっていたらどうでしょう?
二人はいつものようには歩けません。なぜなら、怪我をしている足の使い方が不自然だからです。
こうした足の使い方がダンスで言う「フットワーク」です。
「(サークルでも個人レッスンでも)ダンスを長年やっているけれど、フットワークという言葉を聞いたことがない」
と言う人がたくさんいて、ひっくり返るくらい驚いてしまうことがあります。
それは車の免許を取りに行き、どこがブレーキでどこがアクセルかを教わらないようなものです。
「フットワークを知らない」人がいた場合、その主な責任は教える側にあると言えるでしょう。
「あのフットワーク?」――――いえ、あの引越し屋さんではありません。
「ふっと湧~く?」――――悪いけど、完全に違います(笑)。
フットワークはダンスの教本に出ていますが、私たちは「本に書いてあるからその通りにする」のではありません。
本に書いてあるのは、
「ヒールから出ると楽に歩けますよ」
「高いところから下りるときはトウからが自然ですよ」
という、自然な動きをするための足の使い方を示しているに過ぎません。
自然な動きを表わしたのがフットワークです。
人為的に作ったものではありません。
(「第2章 サークルで上達する11の話(第6話)フットワークを知らない?(その1)」おわり)
■追加の話
上に「フットワークとは自然な動きを示しているに過ぎない」と書きました。それに間違いないと信じていますが、それを示す文章がありましたので、ここに備忘録として記録しておきます。
The Technique Books were written by studying the techniques used by the leading couples of the day and have stood the test of time.
(テクニック・ブックはその時代の一流カップルのテクニックを研究して書かれ、時の試練に耐えてきたものです。)
A Technique of Advanced Standard Ballroom Figures (Geoffrey Hearn) / p8)
ハッピー・ダンシング!