どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は「プロを目指さない」と「脳」をだます話です。本には書いていない話と資料を追加しました。
MA12 第2章 サークルで上手くなる11の話
(第1話)プロを目指すな!(その1)
どこに行っても「プロみたいに踊りたい!」みたいな顔で必死に踊っている人たちを見かけます。それが悪いとは言いません。でも、プロみたいに綺麗に、プロみたいに難しいステップをと思うなら、彼らと同じ努力と経験を積まなくては、なれないんじゃない?
プロのようなハードな練習も練習時間も持ち合わせておらず、しかも、ダンスを始めた年齢が30だ、40だ、50だ、60だ、70だという人が、見た目を真似してできる、そんな世界はどこにもありません。
そんな考え、プロに失礼です。「プロみたいに」と思い、変に大きなホールドを真似し、崩れながら踊っていても、ちっとも綺麗ではありません。所詮、トータル・バランスの取れていない「まがい物」ですから。だから私たちはサークルで「プロを目指すな」と話します。
あるレクチャーで、ティモシー・ホーソンが、
「28年間練習しているが、下半身の練習に10年かけたとすると、上半身は1年しかかけていない」
と話していました。10対1ですよ。
それでも「プロみたいに」と思うなら、彼がやったのと同じような割合で、もっと下半身の練習をすることです。足の使い方、足首の使い方、膝の使い方、股関節の使い方、などなど。それからホールドや動きに入りましょう。
愛好者である私たちは「プロみたいに踊らない!」と思ってみましょう。レベルが遥かに違っても、自分のレベルに応じたホールドで、自分のレベルに応じた動きの大きさで踊れば、それでよいではありませんか。
でも、驚かないでください。変に「プロみたいに!」と思っていたときより、ずっと、素晴らしい踊りになりますから! だって、本物の自分の踊りなのですから、当然です。
どういうダンスを踊りたいですか?
今の練習は、その目標に沿っていますか?
(「第2章 サークルで上達する11の話(第1話)プロを目指すな!(その1)」おわり)
ハッピー・ダンシング!