MBD 22.ロックンロール

投稿者: | 2020年2月6日

ビクター・シルベスターのモダン・ボールルーム・ダンシングから「22.ロックンロール」をお届けします。

第二章 実習
22.ロックンロール
Rock’n’Roll

 

ロックンロールはとても面白く魅力的な踊りで、‘シングル・ビート・ジャイブ’とも呼ばれることもあります。もっと難しい‘トリプル・ビート・ジャイブ’(23章で取り上げている)を挑戦する前に初心者がこれを学ぶのはとても良い考えです。ロックンロールの音楽はオフビートのアクセントなのですぐに分かります。遅いテンポや、中位、そして早いテンポでも演奏されますが、踊りには1分間に40~46小節の速さが適切でしょう。

 

●ホールド
サンバのホールドに似ていますが、もっと自由で柔軟性に富んでいて、両腕は少し低めに保ちます。23章のジャイブでのホールドの説明を読んで下さい。そこには、これから出てくるオープン・ホールドについても詳しい説明があります。

踊りそのものは基本的にとても単純で、すべてのフィガーを男性は左足から、女性は右足から始めます。基本フィガーで使われるリズムは‘スロー・スロー・クイック・クイック’でスローでは2拍、クイックでは1拍使ってステップします。ステップは必ずボールから出、次にフラットになります。‘スロー’のステップでは出て行く足の方に、ボディ・スウェイを少し使います。例えば左足で横にステップする時は、左足の方に少しだけボディ・スウェイをかけます。

ロックンロールはおおむね同じ場所で踊っているため、どの方向に始め、どの方向に終わるといった決まりはありません。他のボールルーム・ダンスのようにフロアを回って行く事もありません。

ここでも他と同じ省略記号が使われていて、Sはスロー・ステップで2拍使い、Qはクイック・ステップで1拍使います。

男性は最初に出てくるタイム・ステップの4歩の動きが、他のフィガーでも同じような形で使われる事を覚えておくと便利です。男性のステップは多少変化しますが、それでもタイム・ステップです。色々ステップが変わるのは女性の方で、そのため、男性ははっきりした上手なリードを右手で与えなければなりません。

 

 

■ステップの説明を読みましょう。以下のステップが出ています。

  • タイム・ステップ
  • ブレイカウェイ(ナチュラル・ブレイク)
  • アーク
  • ループ

 

MBD318-320

 

(この項おわり)


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「モダン・ボールルーム・ダンシング」
(ビクター・シルベスター著/神元誠・久子翻訳/白夜書房)
2005年12月出版
原書名:Modern Ballroom Dancing (Victor Silvester)

 

 

世界で60万部以上の販売実績を誇る、ボールルーム・ダンス本のトップセラー。1922年の第1回世界プロフェッショナル・ボールルーム・ダンス選手権のチャンピオン、ビクター・シルベスターがダンスの歴史を遡り、スタンダード・ダンスの起源と発達を語る。実習編では、初心者にも適した踊りから上級者向けまで詳しく解説。

 

ビクター・シルベスターは楽団を率いていたことでも有名ですし、同様に、ストリクト・テンポを確立した人としても名が知れ渡っています。私がダンスを始めた時にも、イギリスからビクター・シルベスター・グランド・オーケストラのLPを何枚も買い求めていましたので、そのように著名で偉大な人が書かれた本の翻訳をさせて頂く機会を得たことは、この上なく光栄でした。

 

神元誠・久子