日本のどこかで「より良い、より質の高いダンスを自分の中に見つけたい」と模索している人たちがきっといるに違いありません。そうした人たちにこの「私とダンスとアレクサンダー・テクニークと」が役に立つことを願いつつ、話を進めていこうと思います。
私とダンスとアレクサンダー・テクニークと
AT03 ショッキングな体験
■背骨は頭の後ろについていなかった
アレクサンダー・テクニークに通い始めた頃、幾つかの驚ろく経験と発見をしました。そのひとつが、頭部に対する背骨の位置を知ったことでした。
骨格模型でその位置関係を見せて貰うと、背骨の先端は頭部の中央付近にありました(下の画像は海外サスペンス番組からキャプチャーしたものです)。
大まかには、背骨おの最上部は両耳の中間付近にありました。それまでの私は漠然とながらも、「背骨は首の後ろ側で後頭部とくっついている」イメージを持っていたので、「とんでもない勘違いをして生きて来た」ことに、とても驚いたことを覚えています!
そして、この位置関係が分かるとダンスにおける頭部の使い方が変わりました。
■受け取らない選択肢
目黒のボディ・チャンスに通い、個人レッスンを受け始めた当初の戸惑いのひとつに、ボール投げ遊びがありました。先生と3人で 部屋をぐるぐる回りながらボールを投げ渡すゲームです。
その日、最初に先生が妻に向けてボールを投げ、妻はボールを受け取りました。
妻はそれを先生に投げ返す選択肢もありましたが、私に投げてきました。私は当然それを受け取りました。
そして、それを先生に投げると・・・
先生はスルーして受け取らなかったのです!
唖然としている私たちに向かって先生が一言。
「受け取らないという選択肢もあります」
ガーン!
「なんじゃ、そりゃ。バカにしてるのか!」
とまでは思いませんでしたが、
「そんなこと分かってるわい! 失礼にならないようキャッチしてるんじゃないか!」
って感じでした。
でも、そこがミソでした。
この遊びで分かったことは、「筋肉の使い方も同じで、使わなくても良い筋肉を無意識のうちに使っている」という驚くべき事実でした。
(つづく)
「私とダンスとアレクサンダー・テクニークと」目次
- AT01 不思議な出会い
- AT02 潜入調査開始!
- AT03 ショッキングな体験
- AT04 筋肉を意識的に解放する
- AT05 パートナーは二人必要?
- AT06 動きの原理を知っていますか?
- AT07 あらゆる動きはどこかに影響を与えている
- AT08 原理2と3
- AT09 頭部の動きは脊椎運動を支配する
- AT10 私も魔法を手に入れました!
- AT11 良く出来たときは案外変に感じる
- AT12 頑張らなくていい
- AT13 頑張らなくていい例文
- AT14 当てにならない感覚
- AT15 7つの古典的な誤り
- AT16 自分を世界の中心に置く
- AT17 内なるダンスに向けて
- AT18 協調運動
- AT19 動的な動き
- AT20 力まないダンサー
- AT21 さあ、実験!
- AT22 背骨の可動範囲
- AT23 失われた第6感
- AT24 判断基準が自分にある危険性
- AT25 最終話 難しいのはあなたの古い習慣
- AT26 ダンサーのためのアレクサンダー・テクニーク