MA20 フロアで迷子になる人

投稿者: | 2020年1月6日

どこかの誰かのダンスに役に立つことを願い、拙書「社交ダンスがもっと好きになる魔法の言葉」を公開中です。今回は「フロアで迷子にならない」方法です。

 

 

MA20 第2章 サークルで上手くなる11の話
(第9話)フロアで迷子になる人

 

長年ダンスを習っているのに、「LOD」も「フットワーク」も聞いたことがないと言う人がいます。そして、「でも踊れるよ」と言う人もたくさんいます。確かに、そうした言葉を知らなくても困らないことはたくさんあります。でも、特に男性の皆さんは、スタンダードでこんな経験はありませんか?

 

●(初心者)習ったステップを踊っているのに、行きたい方向に進んで行けない。考えて もいない方向に行ってしまう。

●(初心者)コーナーでナチュラル・スピン・ターン(アンダーターン) ~ リバース・ターン4~6を踊ったら、また、同じコーナーに面していた。

●(中級者)中央斜めにフォーラウェイ・リバース&スリップ・ピボットを踊ったら、次のフィガーに入る方向までの回転量を得られなかった。

 

こうなると次のステップが続かなくなり、あたふたして立ち止まってしまう。こんな経験を多くの人がしていると思います。

原因を見ていくと――――

①そのフィガーを踊り始める方向を間違えている。
②そのフィガーを踊り終える方向を間違えている。
③その両方を間違えている。

などが、考えられます。

 

ここで、ワルツの次のアマルガメーションで考えてみましょう。

●(壁斜めに)ナチュラル・スピン・ターンをアンダーターンして踊り ~ リバース・ターン4~6で中央斜めに面し ~ オープン・テレマーク

 

男性はナチュラル・スピン・ターンをLODの方向に面して始めるほど、その後が大変になりますから、きちんと壁斜め(斜め45度)に始めるだけでも、その後がずっと楽になるはずです。

オープン・テレマークのスタートも、LODの方に向けば向くほど逆方向で終わってしまいます。反対に、中央の方に深く入るほど、非常に楽になります。そうなると、その前のリバース・ターン4~6でしっかり中央斜めに終わるのが大切だと分かってきます。このように、男性はステップに入る前に、

●どの方向に入り、
●どの方向に終わる

ということを事前に計画していなくてはなりません。LODも壁斜めも中央斜めも、何も考えずに行き当たりバッタリで踊っても、どこに行きたいか自分でも知らないのですから、上手く進んで行ける訳がないのです。

偶然に頼ることなく、自力で行きたい方向へ踊っていくために、習うステップは「どの方向に入り」「どの方向で終わる」かも覚えます。そして、その方向で終わるために、一歩一歩の上で「どのくらい回転するか」といった情報を持ちます。

使うフィガーについて、こうした基本情報をしっかり押さえておくと、回転量の調整も自由にできるようになります。また、そのために、一歩一歩の上にバランス良く体重を乗せていく練習が必要です。

ちなみに、中央斜めは「中央とLODの中間、斜め45度方向」です。そして、中央は、部屋の中央ではありません。

ここで「!」と思った人は、今ここで完全に覚えてしまいましょう。そして、スタンダードでは、入る方向と終わる方向を確実に行なうよう練習しましょう。

 

計画した方向に進めるのは「洗練さ」につながります。
女性も遠慮なくシャドーしましょう。

(「第2章 サークルで上達する11の話(第9話)フロアで迷子になる人」おわり)

 

ハッピー・ダンシング!